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雪や恨々
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むかしむかし、といっても、それはまだ徳川の治世が磐石だった頃、今の東京が江戸と呼ばれておった頃の話じゃ。
江戸の下町の貧しい長屋に、お紺という名の美しい娘が住んでおった。
お紺の母親はお紺を産んで間もなく死んだ。父親はよく働いてお紺を育てたが、元来病弱だった体に無理を押して働いたせいで、お紺が一人前になるより早く体を壊して、床に臥せるようになってしもうた。
一人娘だったお紺は、蕎麦屋で花番として働きながら、寝たきりになった父親と二人で慎ましく暮らしておったのじゃ。
立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花という言葉は知っておるかの?
貧しかったお紺は、大したおべべも持っておらなんだが、安い着物でも人目を集めるほどの、大変な器量よしじゃった。気立てもよく、お紺を嫁にせんと多くの男衆が口説きにかかったそうな。
しかし、お紺は頑として首を縦に振らなかった。
お紺にはもう、将来を誓いあった男がおったんじゃな。
引く手あまたのお紺を射止めたのは、とある旗本の倅で、杳之介という侍じゃった。
杳之介は細面の優男で、眉目秀麗、これまた女が放っておかない美男子であった。
馴れ初めは、お紺が働いておった蕎麦屋じゃった。忙しく立ち働いていたお紺を見初めて、杳之介は大して旨くもない蕎麦屋に足繁く通いつめたそうな。
お紺とて、目の覚めるような美男子に言い寄られて悪い気がするはずもない。しかも相手は旗本の跡継ぎじゃ。いつしか二人は思い合うて、逢瀬を重ねるようになっておった。
杳之介は薄汚い長屋のお紺の家にもたびたび立ち寄ってのう、その姿を見た住人たちはみな、お紺もゆくゆくは旗本のお武家様にお輿入れかと囃し立てたそうな。
じゃがな、そう易々と事は運ばなかった。
杳之介の父は厳格な侍じゃった。しかも杳之介は一人息子、大事な跡取りであったから、嫁にはそれなりに家格のある娘をと考えておった。一方の杳之介は、気立てが優しすぎるせいか、父親には逆らえない、気の弱い青年だった。それに、杳之介とて役人の息子じゃ。名のある家と血縁になれば出世の道が開けるという甘い誘惑に心が揺れないはずがない。杳之介は父とお紺の間で思い悩んでおった。
そんな折、杳之介にいよいよ縁組の話が持ち上がったのじゃ。
相手は会津藩主松平家。将軍家の血を引く、天下でも有数の名家だ。松平家と縁者になれば、家は末永く安泰。縁組まで漕ぎ着けたのはひとえに日々の忠勤の賜物であると、杳之介の父は大変喜んだ。
一方の杳之介は複雑であった。確かに松平家の娘を娶ることができればお家は安泰であろう。じゃが、断ったらどうなるか。一口に旗本と言うても、家格の低い家柄では実力でのし上がるしかない。精力的に仕事をこなす父のように、自分はなれるだろうか。杳之介は自信がなかった。そんな体たらくであるから、父の勧める縁談を断ることなどできるはずもない。
お紺を妾とすることも考えたが、正室となる松平の娘がそれを許さないかもしれぬ。
散々悩み抜いた挙句、杳之介は結局、松平家との縁組を受け入れた。
だがのう、運命とは残酷なものよ。
この時、お紺は既に、その小さな体に杳之介の子を宿しておったんじゃ。
辺りがすっかり寝静まった丑三つ時、杳之介は、いつも逢瀬を重ねている川沿いの物陰にお紺を呼び出した。
季節は冬。江戸の町にも寒風が吹きすさび、しんしんと細雪が降る、静かな晩じゃったそうな。
その冬一番の冷え込みで、わざわざ外を出歩くような物好きはおらん。杳之介は、あえてその日を選んだんじゃな。
「今日はずいぶん冷え込みますね……」
何も知らない哀れなお紺は、いつも通り一人でやってきた。
辺りは一面の銀世界。提灯の淡い明かりの中、ほんのりと頬を染めたお紺の艷姿は、さぞかし美しかったことであろう。
お紺の姿を前にして、杳之介は躊躇った。今更になってお紺が惜しくなったのじゃ。なかなか話を切り出せずにへどもどしておると、先に口を開いたのはお紺のほうじゃった。
「私のお腹に、杳之介さんの子がいるようなのです……」
白い息を吐きながらお紺が呟いた一言に、杳乃介は戦慄した。
「なに、子ができたじゃと……」
「ええ、月のものが止まってもうしばらく経ちますし、町医者に診てもらって、お墨付きを頂きました」
何ということか。子ができたとあっては、穏便に別れ話も切り出せないではないか。お紺を妾として迎えたとしても、産まれたのが男の子であれば、正室との確執の種になることは火を見るよりも明らかじゃった。
かと言って、松平との縁談はもはや引き返せぬところまで進んでおる。松平の不興を買ってしまったら、杳之介の将来はおろか、父の立場、そして今川家そのものが危うくなりかねぬ。杳乃介は断腸の思いで、こう告げた。
「……堕ろしてくれ」
「……えっ?」
「……その腹の子を産んではならぬと申しておる」
すると、腹に手を当て微笑んでいたお紺の顔は、たちまちにして青ざめた。
「杳之介さま……? いったい何を……」
「会津藩松平家との縁組が決まったのだ。すまないが、お前と夫婦になることはできぬ」
「そんな……お戯れを……」
「冗談でこのようなことを言うものか……後日、家の者に金子を届けさせる。しばらくの間は楽に暮らせるはずだ。こうして会うのは今日が最後だ」
するとお紺は、骨が折れるかと思うほど凄まじい力で杳之介の手首をグイと掴んだ。このか細い腕のどこにこれほどの力が秘められているのかと、杳之介は激しく狼狽えた。その手には、お紺の執念が込められていたんじゃな。
「嘘でしょう……嘘と言ってくださいまし。私がどれだけ杳之介さまと結ばれる日を夢見ていたか、知らぬ貴方ではございますまい……」
「すまぬ……これもお家のためなのだ」
「嫌でございます……誰かにとられるぐらいなら、いっそこの場で……」
そう口走ったお紺は、両の眼を血走らせ、怪しげな手付きで杳之介の脇差を抜き放った。提灯の光を受けて、波打つ刀身がギラリと鈍い光を放つ。
殺気を感じた杳之介は、即座に本差へ手をかけた。最初からそのつもりだったのではない。それは、武士としての極めて本能的な行動だったのじゃ。
「うっ……」
お紺の刃が杳之介に届くより僅かに早く、杳之介の居合い抜きがお紺の腹を切り裂いた。
「わた……わたしの……あなたの……赤子が……杳之介さま……」
お紺の体がよろめくたびに、ぱっくりと開いた腹の傷から鮮血が滴り落ち、足元の雪を赤く、まだらに染め上げてゆく。
お紺の体は独楽のように回りながら、暗く冷たい川へと転げ落ちていった。
杳之介の祝言は、それから程なくして行われた。
祝言の日は雲ひとつない冬晴れじゃった。屋敷の庭には薄く雪が積もっており、純白の花嫁が纏う白無垢と、その白さを競っているかのようであったそうな。
祝言は滞りなく進み、いよいよ三三九度の盃という時、俄に外が騒がしくなり始めた。ドタドタという喧しい足音と、何やら悲鳴のようなものまで聞こえてくる。
「ええい、いったい何の騒ぎじゃ」
杳之介の父が立ち上がった時、祝言の間の襖が開け放たれ、まろぶように駆けてきた人影が一つ。
杳之介の脇差しを振り回し、褪せた若草色の着物を返り血で赤く染めたその女は、まぎれもなく、あのお紺であった。
「おおおお……お紺……」
杳之介は恐怖に怯え、歯の根も合わぬ体であった。杳之介の父や松平の殿様も含めて、その場にいた全員がすかさず抜刀する。
「許さぬ……許さぬぅぅぅ」
蓬髪を振り乱し血走った眼で脇差しを振りかぶるお紺の姿に、一同は暫し息を呑んでいたが、奥の間から松平の手の者が加勢に駆け付けると、勇気ある一人の武士が最初の太刀をお紺に浴びせた。
「ええい!」
鍛え上げられた武士の一太刀は、杳之介のヘボな居合い抜きとは比較にならぬ勢いで、お紺の肩に深々と沈む。
「あぁぁぁぁ!」
お紺の異様な悲鳴に一同が狼狽えたその刹那、お紺は空いている左手で勇気ある武士の襟首を掴み、脇差でその喉を切り裂いた。
傷口から勢いよく飛び出した血飛沫が、お紺をさらに赤く染めてゆく。
その様子を見て、杳之介の父が素早く立ち上がる。
「ええい、もののけめ!」
老いてなお乱れのない父の切っ先が、脇差を握るお紺の右手を捉えた。投げ出された脇差が、からん、と音を立てて床に落ち、それと同時に、切り払われた数本の指が宙を舞う。
何の因果か、血塗れになったお紺の小指は、正装姿の杳之介のもとへ飛んできた。
「うわぁぁっ!」
「きゃぁっ!」
杳之介と新婦は思わず数歩後ずさる。
「今じゃ! かかれ!」
松平の殿様の号令を受けて、取り囲んでいた武士達がいっせいにお紺に襲いかかった。
「うがぁぁぁっ……」
四方八方から突き立てられる刃に、さしものお紺も、がっくりと力なく項垂れた。武士達が離れると、お紺はびくりびくりと体を震わせながら後退してゆく。
「許さぬ……許さぬぞ……末代まで……呪ってやるから……な……」
縁側から庭へ倒れこんだお紺は、杳之介への怨嗟の声を上げながら息絶えた。死してなお美しかったお紺の鮮血は、まるで雪の上に咲いた真紅の寒椿のようであったそうな。
嫁いだばかりの花嫁が変死したのは、それから間もなくのことじゃった。それ以来、杳之介の家系には滅多に男子が産まれなくなり、まれに男が産まれたとしても、近付く女が不可解な死を遂げるようになった。しかも、その死体の右手小指は、何故か決まって赤く染まっていたという……。
それ故、杳之介の家系は代々入り婿をとることでどうにか血を繋いできた。その家こそ……。
!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!
「それこそ、我が今川家である……でしょ?」
僕は、耳にタコができるほど何度も聞かされた昔話、その最後の一言を代弁した。
「そうじゃ、葉太郎。よく覚えたな」
婆ちゃんは重々しく頷く。会うのは七か月ぶり、つまり夏休み以来になるけれど、皺が増えるたびに、むしろ若返っていくように見える。髪はすっかり白くなっているが心身共にまったくの元気老人で、いつも紫色の作務衣を制服のように着込んでいる。
婆ちゃんのほうはしっかり炬燵に足を突っ込んで正座しているのに、僕は話が終わるまで畳の上での正座を命じられていた。若いんだから、それぐらいは我慢しろという理不尽な理由によって。一般的に祖父母は孫に甘いと言われているらしいけど、僕の祖母ちゃんは昔からスパルタ教育なのだ。
「もう、子供のころから何回も聞かされてるんだもの、当たり前じゃん」
僕はそう言って正座を解き、窓から庭を眺めた。婆ちゃんは平気な顔をしているけれど、僕の足は、ちょっとだけ痺れている。話がもう少し長引いていたら、すぐには立てなくなっていたかもしれない。
戦前に建てられた婆ちゃんの屋敷はもともと伝統的な和風建築で、今時すっかり珍しくなった縁側があり、そこから猫の額ほどの庭を眺めることができた。
とはいえ、さすがに当時の建築のままで年寄りが一人暮らしをするのは無理があって、何年か前に全体的なリフォームを行った。幼いころ、この和室と庭はたった一枚の障子で隔てられていて、この季節、つまり春休みに訪れたときには大変寒い思いをした記憶がある。
幸い、リフォームの済んだ今は和室と縁側の間に断熱ガラスのサッシが嵌め込まれていて、ストーブによって暖められた室内から、震えることなく庭を眺めることができた。
昨晩、ほんの少し季節外れの大雪が関東を直撃して、この狭い庭にもうっすらと雪が積もっていた。庭には寒椿が植えられているはずだけれど、花の時期はとうに過ぎていて、鮮やかな紅色の花弁を見ることはできなかった。
「もう、婆ちゃん、またそんな与太話?」
洗い物を終えた姉の茉莉花が、台所から戻ってきた。白いシャツを肘のあたりまで捲り上げて、腰まであるライトブラウンの長い髪を後ろで軽くまとめている。高校を卒業してから生まれて初めて染めたもので、よく似合ってはいるけれど、僕は未だに慣れることができずにいる。普段からあまり化粧っけのない姉貴だが、キリッとしたクールな瞳と、堀が深く整った鼻梁、客観的に見ても美人だと思う。
姉貴はそのまま、デニムパンツに包まれたすらりと長い脚を炬燵に突っ込んだ。
「与太話なんかではないぞ。私は先祖代々受け継いできた伝承を伝えているまでじゃ。もうこんな話ができるのも、私しか残っておらんではないか」
そう、僕と姉貴の血縁は、今ではこの婆ちゃんしかいない。
婆ちゃんの旦那、つまり入り婿の祖父は、僕が物心つく前に癌で亡くなった。
僕達の両親は四年前、僕がまだ小学生で姉が中学生だったころ、交通事故で死んだ。夫婦二人、車で買い物に出かけた先で、居眠り運転の大型トラックが引き起こした玉突き事故に巻き込まれて。
即死だった。
死って、人間って、あっけないものだと思った。
あまりに突然だったものだから、しばらく実感が湧かなくて、悲しみを感じるまでにだいぶ時間がかかったのを今でも覚えている。
二人きりになった僕達を、婆ちゃんはこの屋敷に引き取ろうとしてくれた。しかし、都心から離れすぎていて学校まで遠く、姉貴の高校受験を控えて転校するのも気が進まないという理由から、僕達はばあちゃんの申し出を断った。その後、姉貴の高校進学を機に、僕達姉弟は住んでいた家を売り払って、都内にある姉貴の高校近くの小さなボロアパートで暮らすことにしたのだ。
両親の死亡保険金もあったし、家と土地を売った金もあった(しかし、実際には足元を見られて相場よりかなり安く買い叩かれたのではないかと思う)はずだ。でも、姉貴はそれになるべく手を付けまいと、生活を切り詰め、高校に通いながらも必死にアルバイトをしていた。化粧っけもなく、アクセサリーすら滅多につけないのはそのせいだ。
「だいいちね、いくら頑張って奉公したっていっても、いきなり会津の松平との縁談が持ち上がるなんておかしくない?」
姉貴の容赦ないツッコミに、婆ちゃんも少したじろいでいるようだ。
「し、しかし、男子が少ないことと、嫁候補が不審死を遂げていることは事実じゃよ」
「たまたまだよ、そんなの……」
「葉太郎もこの春からは女子高に通うことになるんだ、念を押しておいて損はなかろう」
「女子高じゃないよ、今年から共学になるの!」
「上級生はみんな女ってことじゃろうが」
「そもそもね、葉太郎はまだ十五だよ? 嫁候補なんてそんな話をするには早すぎるよ」
言い争う二人を見ながら、僕は冷たい窓から離れ、のんびりと炬燵に足を突っ込んだ。
都内の名門男子中学校を卒業した僕は、今年度から共学になるかつての女子高、花倉高校に進学することになった。今年都内の女子大に進学する姉にとっては、ついこの間卒業したばかりの母校でもある。
極めて大きな、そして表向きの理由は、僕達が住んでいるアパートから花倉高校が最も近いからだ。もともと今の部屋を選んだのは姉が花倉高校に通うためだったのだから、当然といえば当然。
でも実は、誰にも話していない、もう一つの理由があった。
それは、彼女が欲しいから。
別に共学でも彼女ぐらいは作れるだろうと思うかもしれないが、出会いはなるべく多いほうがいい。
何故そんなに彼女が欲しいかって?
それは……。
婆ちゃんと口論を続けている姉貴の横顔を、ちらりと盗み見る。
姉貴が何気なく伸ばした足が、炬燵の中で僕の足に触れた。
それでも姉貴は気にすることもなく、華奢な足首をそのまま僕の足にくっつけている。僕は慌てて足を引っ込めた。
他の普通の姉弟がどういう距離感で接しているのかはわからないが、中学の頃クラスメイトに姉貴の話をしたら、返ってきた反応は『ちょっとおかしいんじゃない?』で、それ以後、クラスメイト達からは『シスコン』とからかわれるようになってしまった。
もちろん、姉弟の一線を越えるようなことはしていない。しかし、一般的な感覚からすると、僕と姉貴の関係はシスコン、ブラコンと解釈されるものらしいのだ。
どうなんだろう。
でも、もしも僕たちの関係が世間的に見て問題があるものだったとしても、そのために姉貴を突き離そうとも思えない。そう思うこと自体、僕がシスコンだということの証なのかもしれなかった。
だが、全ては彼女を作れば解決する話だ。
少なくとも、僕はそう思っていた。
彼女ができれば、僕と姉貴の関係にも自然と変化が起こるはず。僕も自然と姉離れできるはずだし、姉貴だって……。
実のところ、この時の僕にとっては姉貴のことが何より大きな問題で、さっきの婆ちゃんの与太話が実際にこの身に降りかかってくるなんて、露ほども思っていなかったんだ。
江戸の下町の貧しい長屋に、お紺という名の美しい娘が住んでおった。
お紺の母親はお紺を産んで間もなく死んだ。父親はよく働いてお紺を育てたが、元来病弱だった体に無理を押して働いたせいで、お紺が一人前になるより早く体を壊して、床に臥せるようになってしもうた。
一人娘だったお紺は、蕎麦屋で花番として働きながら、寝たきりになった父親と二人で慎ましく暮らしておったのじゃ。
立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花という言葉は知っておるかの?
貧しかったお紺は、大したおべべも持っておらなんだが、安い着物でも人目を集めるほどの、大変な器量よしじゃった。気立てもよく、お紺を嫁にせんと多くの男衆が口説きにかかったそうな。
しかし、お紺は頑として首を縦に振らなかった。
お紺にはもう、将来を誓いあった男がおったんじゃな。
引く手あまたのお紺を射止めたのは、とある旗本の倅で、杳之介という侍じゃった。
杳之介は細面の優男で、眉目秀麗、これまた女が放っておかない美男子であった。
馴れ初めは、お紺が働いておった蕎麦屋じゃった。忙しく立ち働いていたお紺を見初めて、杳之介は大して旨くもない蕎麦屋に足繁く通いつめたそうな。
お紺とて、目の覚めるような美男子に言い寄られて悪い気がするはずもない。しかも相手は旗本の跡継ぎじゃ。いつしか二人は思い合うて、逢瀬を重ねるようになっておった。
杳之介は薄汚い長屋のお紺の家にもたびたび立ち寄ってのう、その姿を見た住人たちはみな、お紺もゆくゆくは旗本のお武家様にお輿入れかと囃し立てたそうな。
じゃがな、そう易々と事は運ばなかった。
杳之介の父は厳格な侍じゃった。しかも杳之介は一人息子、大事な跡取りであったから、嫁にはそれなりに家格のある娘をと考えておった。一方の杳之介は、気立てが優しすぎるせいか、父親には逆らえない、気の弱い青年だった。それに、杳之介とて役人の息子じゃ。名のある家と血縁になれば出世の道が開けるという甘い誘惑に心が揺れないはずがない。杳之介は父とお紺の間で思い悩んでおった。
そんな折、杳之介にいよいよ縁組の話が持ち上がったのじゃ。
相手は会津藩主松平家。将軍家の血を引く、天下でも有数の名家だ。松平家と縁者になれば、家は末永く安泰。縁組まで漕ぎ着けたのはひとえに日々の忠勤の賜物であると、杳之介の父は大変喜んだ。
一方の杳之介は複雑であった。確かに松平家の娘を娶ることができればお家は安泰であろう。じゃが、断ったらどうなるか。一口に旗本と言うても、家格の低い家柄では実力でのし上がるしかない。精力的に仕事をこなす父のように、自分はなれるだろうか。杳之介は自信がなかった。そんな体たらくであるから、父の勧める縁談を断ることなどできるはずもない。
お紺を妾とすることも考えたが、正室となる松平の娘がそれを許さないかもしれぬ。
散々悩み抜いた挙句、杳之介は結局、松平家との縁組を受け入れた。
だがのう、運命とは残酷なものよ。
この時、お紺は既に、その小さな体に杳之介の子を宿しておったんじゃ。
辺りがすっかり寝静まった丑三つ時、杳之介は、いつも逢瀬を重ねている川沿いの物陰にお紺を呼び出した。
季節は冬。江戸の町にも寒風が吹きすさび、しんしんと細雪が降る、静かな晩じゃったそうな。
その冬一番の冷え込みで、わざわざ外を出歩くような物好きはおらん。杳之介は、あえてその日を選んだんじゃな。
「今日はずいぶん冷え込みますね……」
何も知らない哀れなお紺は、いつも通り一人でやってきた。
辺りは一面の銀世界。提灯の淡い明かりの中、ほんのりと頬を染めたお紺の艷姿は、さぞかし美しかったことであろう。
お紺の姿を前にして、杳之介は躊躇った。今更になってお紺が惜しくなったのじゃ。なかなか話を切り出せずにへどもどしておると、先に口を開いたのはお紺のほうじゃった。
「私のお腹に、杳之介さんの子がいるようなのです……」
白い息を吐きながらお紺が呟いた一言に、杳乃介は戦慄した。
「なに、子ができたじゃと……」
「ええ、月のものが止まってもうしばらく経ちますし、町医者に診てもらって、お墨付きを頂きました」
何ということか。子ができたとあっては、穏便に別れ話も切り出せないではないか。お紺を妾として迎えたとしても、産まれたのが男の子であれば、正室との確執の種になることは火を見るよりも明らかじゃった。
かと言って、松平との縁談はもはや引き返せぬところまで進んでおる。松平の不興を買ってしまったら、杳之介の将来はおろか、父の立場、そして今川家そのものが危うくなりかねぬ。杳乃介は断腸の思いで、こう告げた。
「……堕ろしてくれ」
「……えっ?」
「……その腹の子を産んではならぬと申しておる」
すると、腹に手を当て微笑んでいたお紺の顔は、たちまちにして青ざめた。
「杳之介さま……? いったい何を……」
「会津藩松平家との縁組が決まったのだ。すまないが、お前と夫婦になることはできぬ」
「そんな……お戯れを……」
「冗談でこのようなことを言うものか……後日、家の者に金子を届けさせる。しばらくの間は楽に暮らせるはずだ。こうして会うのは今日が最後だ」
するとお紺は、骨が折れるかと思うほど凄まじい力で杳之介の手首をグイと掴んだ。このか細い腕のどこにこれほどの力が秘められているのかと、杳之介は激しく狼狽えた。その手には、お紺の執念が込められていたんじゃな。
「嘘でしょう……嘘と言ってくださいまし。私がどれだけ杳之介さまと結ばれる日を夢見ていたか、知らぬ貴方ではございますまい……」
「すまぬ……これもお家のためなのだ」
「嫌でございます……誰かにとられるぐらいなら、いっそこの場で……」
そう口走ったお紺は、両の眼を血走らせ、怪しげな手付きで杳之介の脇差を抜き放った。提灯の光を受けて、波打つ刀身がギラリと鈍い光を放つ。
殺気を感じた杳之介は、即座に本差へ手をかけた。最初からそのつもりだったのではない。それは、武士としての極めて本能的な行動だったのじゃ。
「うっ……」
お紺の刃が杳之介に届くより僅かに早く、杳之介の居合い抜きがお紺の腹を切り裂いた。
「わた……わたしの……あなたの……赤子が……杳之介さま……」
お紺の体がよろめくたびに、ぱっくりと開いた腹の傷から鮮血が滴り落ち、足元の雪を赤く、まだらに染め上げてゆく。
お紺の体は独楽のように回りながら、暗く冷たい川へと転げ落ちていった。
杳之介の祝言は、それから程なくして行われた。
祝言の日は雲ひとつない冬晴れじゃった。屋敷の庭には薄く雪が積もっており、純白の花嫁が纏う白無垢と、その白さを競っているかのようであったそうな。
祝言は滞りなく進み、いよいよ三三九度の盃という時、俄に外が騒がしくなり始めた。ドタドタという喧しい足音と、何やら悲鳴のようなものまで聞こえてくる。
「ええい、いったい何の騒ぎじゃ」
杳之介の父が立ち上がった時、祝言の間の襖が開け放たれ、まろぶように駆けてきた人影が一つ。
杳之介の脇差しを振り回し、褪せた若草色の着物を返り血で赤く染めたその女は、まぎれもなく、あのお紺であった。
「おおおお……お紺……」
杳之介は恐怖に怯え、歯の根も合わぬ体であった。杳之介の父や松平の殿様も含めて、その場にいた全員がすかさず抜刀する。
「許さぬ……許さぬぅぅぅ」
蓬髪を振り乱し血走った眼で脇差しを振りかぶるお紺の姿に、一同は暫し息を呑んでいたが、奥の間から松平の手の者が加勢に駆け付けると、勇気ある一人の武士が最初の太刀をお紺に浴びせた。
「ええい!」
鍛え上げられた武士の一太刀は、杳之介のヘボな居合い抜きとは比較にならぬ勢いで、お紺の肩に深々と沈む。
「あぁぁぁぁ!」
お紺の異様な悲鳴に一同が狼狽えたその刹那、お紺は空いている左手で勇気ある武士の襟首を掴み、脇差でその喉を切り裂いた。
傷口から勢いよく飛び出した血飛沫が、お紺をさらに赤く染めてゆく。
その様子を見て、杳之介の父が素早く立ち上がる。
「ええい、もののけめ!」
老いてなお乱れのない父の切っ先が、脇差を握るお紺の右手を捉えた。投げ出された脇差が、からん、と音を立てて床に落ち、それと同時に、切り払われた数本の指が宙を舞う。
何の因果か、血塗れになったお紺の小指は、正装姿の杳之介のもとへ飛んできた。
「うわぁぁっ!」
「きゃぁっ!」
杳之介と新婦は思わず数歩後ずさる。
「今じゃ! かかれ!」
松平の殿様の号令を受けて、取り囲んでいた武士達がいっせいにお紺に襲いかかった。
「うがぁぁぁっ……」
四方八方から突き立てられる刃に、さしものお紺も、がっくりと力なく項垂れた。武士達が離れると、お紺はびくりびくりと体を震わせながら後退してゆく。
「許さぬ……許さぬぞ……末代まで……呪ってやるから……な……」
縁側から庭へ倒れこんだお紺は、杳之介への怨嗟の声を上げながら息絶えた。死してなお美しかったお紺の鮮血は、まるで雪の上に咲いた真紅の寒椿のようであったそうな。
嫁いだばかりの花嫁が変死したのは、それから間もなくのことじゃった。それ以来、杳之介の家系には滅多に男子が産まれなくなり、まれに男が産まれたとしても、近付く女が不可解な死を遂げるようになった。しかも、その死体の右手小指は、何故か決まって赤く染まっていたという……。
それ故、杳之介の家系は代々入り婿をとることでどうにか血を繋いできた。その家こそ……。
!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!
「それこそ、我が今川家である……でしょ?」
僕は、耳にタコができるほど何度も聞かされた昔話、その最後の一言を代弁した。
「そうじゃ、葉太郎。よく覚えたな」
婆ちゃんは重々しく頷く。会うのは七か月ぶり、つまり夏休み以来になるけれど、皺が増えるたびに、むしろ若返っていくように見える。髪はすっかり白くなっているが心身共にまったくの元気老人で、いつも紫色の作務衣を制服のように着込んでいる。
婆ちゃんのほうはしっかり炬燵に足を突っ込んで正座しているのに、僕は話が終わるまで畳の上での正座を命じられていた。若いんだから、それぐらいは我慢しろという理不尽な理由によって。一般的に祖父母は孫に甘いと言われているらしいけど、僕の祖母ちゃんは昔からスパルタ教育なのだ。
「もう、子供のころから何回も聞かされてるんだもの、当たり前じゃん」
僕はそう言って正座を解き、窓から庭を眺めた。婆ちゃんは平気な顔をしているけれど、僕の足は、ちょっとだけ痺れている。話がもう少し長引いていたら、すぐには立てなくなっていたかもしれない。
戦前に建てられた婆ちゃんの屋敷はもともと伝統的な和風建築で、今時すっかり珍しくなった縁側があり、そこから猫の額ほどの庭を眺めることができた。
とはいえ、さすがに当時の建築のままで年寄りが一人暮らしをするのは無理があって、何年か前に全体的なリフォームを行った。幼いころ、この和室と庭はたった一枚の障子で隔てられていて、この季節、つまり春休みに訪れたときには大変寒い思いをした記憶がある。
幸い、リフォームの済んだ今は和室と縁側の間に断熱ガラスのサッシが嵌め込まれていて、ストーブによって暖められた室内から、震えることなく庭を眺めることができた。
昨晩、ほんの少し季節外れの大雪が関東を直撃して、この狭い庭にもうっすらと雪が積もっていた。庭には寒椿が植えられているはずだけれど、花の時期はとうに過ぎていて、鮮やかな紅色の花弁を見ることはできなかった。
「もう、婆ちゃん、またそんな与太話?」
洗い物を終えた姉の茉莉花が、台所から戻ってきた。白いシャツを肘のあたりまで捲り上げて、腰まであるライトブラウンの長い髪を後ろで軽くまとめている。高校を卒業してから生まれて初めて染めたもので、よく似合ってはいるけれど、僕は未だに慣れることができずにいる。普段からあまり化粧っけのない姉貴だが、キリッとしたクールな瞳と、堀が深く整った鼻梁、客観的に見ても美人だと思う。
姉貴はそのまま、デニムパンツに包まれたすらりと長い脚を炬燵に突っ込んだ。
「与太話なんかではないぞ。私は先祖代々受け継いできた伝承を伝えているまでじゃ。もうこんな話ができるのも、私しか残っておらんではないか」
そう、僕と姉貴の血縁は、今ではこの婆ちゃんしかいない。
婆ちゃんの旦那、つまり入り婿の祖父は、僕が物心つく前に癌で亡くなった。
僕達の両親は四年前、僕がまだ小学生で姉が中学生だったころ、交通事故で死んだ。夫婦二人、車で買い物に出かけた先で、居眠り運転の大型トラックが引き起こした玉突き事故に巻き込まれて。
即死だった。
死って、人間って、あっけないものだと思った。
あまりに突然だったものだから、しばらく実感が湧かなくて、悲しみを感じるまでにだいぶ時間がかかったのを今でも覚えている。
二人きりになった僕達を、婆ちゃんはこの屋敷に引き取ろうとしてくれた。しかし、都心から離れすぎていて学校まで遠く、姉貴の高校受験を控えて転校するのも気が進まないという理由から、僕達はばあちゃんの申し出を断った。その後、姉貴の高校進学を機に、僕達姉弟は住んでいた家を売り払って、都内にある姉貴の高校近くの小さなボロアパートで暮らすことにしたのだ。
両親の死亡保険金もあったし、家と土地を売った金もあった(しかし、実際には足元を見られて相場よりかなり安く買い叩かれたのではないかと思う)はずだ。でも、姉貴はそれになるべく手を付けまいと、生活を切り詰め、高校に通いながらも必死にアルバイトをしていた。化粧っけもなく、アクセサリーすら滅多につけないのはそのせいだ。
「だいいちね、いくら頑張って奉公したっていっても、いきなり会津の松平との縁談が持ち上がるなんておかしくない?」
姉貴の容赦ないツッコミに、婆ちゃんも少したじろいでいるようだ。
「し、しかし、男子が少ないことと、嫁候補が不審死を遂げていることは事実じゃよ」
「たまたまだよ、そんなの……」
「葉太郎もこの春からは女子高に通うことになるんだ、念を押しておいて損はなかろう」
「女子高じゃないよ、今年から共学になるの!」
「上級生はみんな女ってことじゃろうが」
「そもそもね、葉太郎はまだ十五だよ? 嫁候補なんてそんな話をするには早すぎるよ」
言い争う二人を見ながら、僕は冷たい窓から離れ、のんびりと炬燵に足を突っ込んだ。
都内の名門男子中学校を卒業した僕は、今年度から共学になるかつての女子高、花倉高校に進学することになった。今年都内の女子大に進学する姉にとっては、ついこの間卒業したばかりの母校でもある。
極めて大きな、そして表向きの理由は、僕達が住んでいるアパートから花倉高校が最も近いからだ。もともと今の部屋を選んだのは姉が花倉高校に通うためだったのだから、当然といえば当然。
でも実は、誰にも話していない、もう一つの理由があった。
それは、彼女が欲しいから。
別に共学でも彼女ぐらいは作れるだろうと思うかもしれないが、出会いはなるべく多いほうがいい。
何故そんなに彼女が欲しいかって?
それは……。
婆ちゃんと口論を続けている姉貴の横顔を、ちらりと盗み見る。
姉貴が何気なく伸ばした足が、炬燵の中で僕の足に触れた。
それでも姉貴は気にすることもなく、華奢な足首をそのまま僕の足にくっつけている。僕は慌てて足を引っ込めた。
他の普通の姉弟がどういう距離感で接しているのかはわからないが、中学の頃クラスメイトに姉貴の話をしたら、返ってきた反応は『ちょっとおかしいんじゃない?』で、それ以後、クラスメイト達からは『シスコン』とからかわれるようになってしまった。
もちろん、姉弟の一線を越えるようなことはしていない。しかし、一般的な感覚からすると、僕と姉貴の関係はシスコン、ブラコンと解釈されるものらしいのだ。
どうなんだろう。
でも、もしも僕たちの関係が世間的に見て問題があるものだったとしても、そのために姉貴を突き離そうとも思えない。そう思うこと自体、僕がシスコンだということの証なのかもしれなかった。
だが、全ては彼女を作れば解決する話だ。
少なくとも、僕はそう思っていた。
彼女ができれば、僕と姉貴の関係にも自然と変化が起こるはず。僕も自然と姉離れできるはずだし、姉貴だって……。
実のところ、この時の僕にとっては姉貴のことが何より大きな問題で、さっきの婆ちゃんの与太話が実際にこの身に降りかかってくるなんて、露ほども思っていなかったんだ。
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