PULLUSTERRIER《プルステリア》

杏仁みかん

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Section1:ユヅキとヒマリ

00:アニマリーヴ - 1

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 改めて遠巻きに見る自分の部屋は、実につまらないものに映っていた。
 黒い勉強用の机に黒い椅子。柄もない白いシーツのベッド。黒一色のコンポ。放り捨てられたVRゲームのデバイス――。
 旅立つには軽すぎる革のショルダーバッグを肩にかけ、長年住んできた部屋に別れを告げるように自室の明かりを消すと、薄暗い闇と共に、低く唸る空気清浄機のファンだけが辺りを支配した。

 この部屋、こんなに暗かっただろうか……。

 その原因が突き当たりにある分厚いカーテンだと思い当たると、僕は反射的に軽い咳をしながら、思い切ってそいつを開け放った。

 何年も見なかった、六十階の開かずの窓。

 朝にしては不気味なほどうっすらでぼんやりとした明かりが部屋を汚染しはいし、まるで雲の中にいるような薄灰色の光景の中、かろうじてご近所の高層ビルのシルエットだけが見えた。

 ――こんなのは、空じゃない。

 本当は見たくもない景色だ。
 それでも、今の現世を忘れないために目に焼き付けておく必要がある。

 あの日誓った、偽りでも本当と呼べる「空」に会うために。


 ◆


 西暦二二〇三年。世界人口はおよそ百三十五億人に到達した。
 世界中に支社を持つアメリカのヴァーチャルVRエイジスAGES社は、今年の四月から毎月十五億人ずつ、新しい世界へと人々を送り込んでいる。僕が住んでいる日本も、この対象だ。

 アニマリーヴ・プロジェクト――仮想世界「プルステラ」に、ヒトの「アニマ」を転送し、移住させるという計画だ。遺された肉体は、一年の保管の後、必要がなければそのまま新鮮な土壌に還元して、処分される。

 僕、大神悠月オオガミユヅキも、移住をすると決めた愚かな人間の一人に過ぎない。そのために、今まで皆勤賞を続けてきた高校を途中からサボりながら必死にバイトをし、大気汚染病で亡くなった母のなけなしの保険金を生活費にかけて何とか生き延びながら、ようやく父と弟と三人で生まれ変わるための準備を整えた。
 あれから約六年半も待った。膨大な手続きを済ませ、プルステラに住むための身分証パスも手に入れた。後は、アニマポートにあるカプセルから魂を転送アニマリーヴするだけだ。

 それが明日、七月七日。僕ら三人の門出を祝すには最高の日付である。

 僕らは、後退していく現世に疲れ切っていた。毎食、いつのかも判らない缶詰の保存食を漁り、大気汚染予防の注射ドラッグを打つ日々。消えていく店、消えていく町の雑踏……。
 生きるというより生かされている――そう気付いた頃には、いつの間にか本格的にアニマリーヴ・プロジェクトに乗っかろうと考えていた。

 ――出来ることなら、連れて行きたかった。
 母の遺影を手に取り、当時十一歳だった僕が如何に無力だったかを思い出す。

 どうせやり直すなら、みんな一緒が良かった。過去のわだかまりも捨て、病もない世界で、家族全員が第二の人生を歩む。そいつはどんなに素晴らしいことか。

 三年前。アニマリーヴ・プロジェクトに向けて、アニマ・バンクと言う、文字通り魂を事前に預けられる銀行のような施設が出来た。銀行と言うよりは保険に近いだろうか。死ぬ瀬戸際に魂を保管し、アニマリーヴの時に一緒に転送させる。そういう機能らしい。
 母が生前に加入出来ていれば、例え肉体が死を迎えても、魂だけをプルステラに送り込めただろう。――無論、そのためには膨大な資金が必要だったし、どの道僕らには、選びようのない選択だった。

 全く、オカルトなのか、SFなのか。そんな訳の解らないモノに頼ろうとしている僕らは、本当にどうかしていた。
 それほどまでに、僕らは――この世界の住人達は、母なる惑星に愛想を尽かした、というわけなのだ。
 放っておいてもいずれ失う人生。だったら一度くらい、いい方に賭けてみたっていいじゃないか。

「兄ちゃん、そろそろ行くぜ」

 二歳年下である弟のカイが、ミニショルダーバッグを片手に呼びかけた。

「もう、置いていきなよ。どうせ持ち込めないんだからさ」
「……判ってるって」

 弟の無情な一言にむっとしながらも、僕は遺影をそっと元の場所に戻した。何だか、母さんだけが留守をするみたいで……少しばかり申し訳ない気持ちになる。
 でも、母さんは連れていけない。だったらせめて、生前のまともな思い出の詰まった、ここにいるべきだ。

 アニマリーヴで持ち込めるものは、何一つない。強いて言えば、あらかじめ新しい家に送られる生活資金と、ちょっとした雑貨ぐらいなものだ。
 魂一つで新しい世界へ向かうこの心境が如何に不安であるか――。

「もう、マスクをしておけ。今日は一段と『濃い』ぞ」

 父さんはそう言ってゴツいマスクを身につけた。
 僕もカイも、人生最後のマスクを身につける。あと数時間もすれば、コイツとはおさらばだ。

「さあ、行こう。アニマポートまで二時間はかかるからな」
「二時間で済むんだぜ、オレ達。ホント、近くて良かったよな」
「そういう無駄口は電車の中で言うもんじゃないぞ、カイ」
「へーい」

 そんなやり取りをする二人の後を追って、僕も部屋を出る。
 最後にもう一度だけ母の遺影を横から眺め、行ってきます、と心で呟いた。


 ◆


 前日からアニマポートで並ぶ長蛇の列は、まるで一昔前の映画にあった、三途の川を渡ろうとする死人の行列のようだった。
 何せこの日本だけでも、今日だけで合わせて数千万人は移動するのだ。全国各地にアニマポートがあるとは言え、ここまで十時間以上も待たされると、溜め息どころか罵声すら聞こえてくる。

「いつまで待たせるんだよ、ここの係員は!」
「ちゃっちゃと済ませろよ! どうせ荷物なんていらねーだろ!!」

 プルステラにさえ行ければ時間なんて無限だというのに。そのぐらいも待てないのか。
 反論したいがぐっと堪える。ここで問題を起こして何もかもパァになってしまう方がずっと嫌だ。僕はそこまでギャンブラーじゃない。

 並ぶと言っても、ずっと立たされたり地べたに座っているってわけじゃない。一人分ずつ関節のついた長椅子が用意されていて、フロアの隙間をジグザグに這い回り、エスカレーターのように上の階に上がってまたジグザグに……と、搭乗口に到達するまで延々と続く、文字通りの長蛇となっている。
 長椅子は審査を終えた人の分だけ自動で動く。僕らはただ、ここに座っているだけで搭乗口まで案内されるのだ。

 アニマポートは、かつて都会の街だった場所を丸ごと室内設計に生まれ変わらせた場所だ。長椅子の両脇には各種ショッピングモールや、広いスペースにはレジャー施設まであるにはあるのだが、これから何も持たずに旅立つ人には買い物をしても何の役にも立たない。つまり、アニマリーヴの必要経費を事前に回収するための施設であり、今は少しでも足りない分を回収するべく、僅かな人材で何とか機能している。
 来年には各種ライフラインも途絶えるだろう。プロジェクトにこれだけの投資を行ったのだ。日本はおろか、世界の先進国は国というものを全て終わらせるつもりなのだ。
 そして、いつか地上には全てのヒトがいなくなるだろう。ヒトがいなくなれば、その分、地球が自らの再生力で地上を蘇らせていく。それは何万年、或いは、何億年かかるか分からない。地震、津波、噴火、氷河期――どんな自然災害にも怯える心配は無くなるが……。

 こうして、事実上、生物学上で言う「人類」は絶滅するのだ。

 地上に残る貧しい国もある。宗教上の理由とかで、基本的には自然と共に生まれ、自然と共に滅びる……とかそんな理由だったりするが、先進国が無くなる以上、貿易等による支援は受けられなくなり、毒ガスの如きスモッグと戦いながら、僅かな余生を苦しんで過ごす羽目になるだろう。
 それもまた、一つの正しい選択だ。
 死を恐れる僕らには到底出来ないことだが、どちらを選択したって誰も責めはしないだろう。

 翌日の深夜何時ぐらいだろうか、ようやく複雑な審査や出国手続き(空港同様に出国とみなされるのだ)を終えると、更に長い通路の先に目的の搭乗口が近づいて来た。

 ずっと座り続けてきた尻が痛い。立ち上がって腰を動かし、ほぐしておくことにする。
 隣のカイは、サービス終了間際のVRMMORPGで時間を費やしていたので、座りながらヘッドギア型のデバイスを被り、感覚をすっかり遮断してしまっている。揺すっても起きないのは判っているので、携帯からゲーム内にメールを送って報せる。間もなくして、彼は目を醒まし、伸びをしてからいそいそとデバイスをバッグに仕舞い込んだ。

「どうだったよ、人生最後のゲームは」

 そう訊ねると、カイはどこか残念そうに頭を振った。

「もうちっとで帝都のラスボス倒せたんだよ。……でも、石炭があまり残ってなかったし、兄ちゃんがいなきゃ無理だったね、コレ」

 咎めるように言うカイに、僕は苦笑して謝った。

「……わりぃ。デバイス置いてきちゃったからさ。まさかここでやるなんて思わなかったし」
「まぁ、いいって。充分楽しめた。これで心置きなくアニマリーヴ出来るぜ」

 とニカッと歯を見せて笑ったカイは、本当に晴れやかに見えた。

「あー、すげー緊張するな。兄ちゃんは?」
「緊張しない方がおかしいだろ」
「それもそっか」

 緊張しないわけがない。何せ本当に、これからワケの解らない装置で「死ぬ」んだから。

 最後の手荷物を預け、病院の検査着のように真っ白い、パリパリとした安っぽい布一枚の服に着替えると、搭乗口の向こうにある丸い部屋へと向かった。空港で言えば、飛行機に乗り込むようなものか。
 「方舟」と呼ばれているこの部屋には、人一人入れる透明の筒状のカプセルが、浅く斜めに立たせた状態で中央の装置に向かって放射線状に並んでいる。まるで棺桶か、或いは墓標のように。

 首にかけたパスの番号を頼りに、自分のカプセルを見つけ出す。他のカプセルを見ると、既に誰かが入り込んでいて、緊張しきった面持ちで瞬きを繰り返しているのが見えた。数分後には自分もそうなるだろう。

「じゃあ、お前たち、新しい『我が家』で会おうな」

 父さんは明るくそう言って、見つけた自分のカプセルに入った。

「兄ちゃん、ぜってービビんなよ?」
「お前こそ」

 カイは相変わらずのマイペースで悪戯っぽい笑みを見せ、同じようにカプセルに入った。
 僕も自分のカプセルのリーダーにパスをかざしてロックを解除し、中に入る。家族全員が隣同士ってわけじゃないが、そこら辺は気にしないことにする。

『――方舟〈アーク号〉へようこそ!』

 フタが閉まるとほぼ同時に、耳元で明るい女性の電子音声とリラクゼーション効果がありそうなBGMがゆったりと聞こえてきた。まるで一昔前のアトラクションのようである。

『間もなく、当方舟から、皆様の大事な〈アニマ〉を、ヴァーチャル・ワールド〈プルステラ〉へと送り届けます。皆様のお身体は〈プルステラ〉に到着してから三百六十五日、時間にして八千七百六十時間の間、このカプセル内のコールドスリープ機能によって大切に保管させて頂きます』

 以前、手続きの際に何度も聞かされた。この八千七百六十時間は、肉体のギリギリの保存期間でもあり、何らかのトラブルや一度きりのチャンス権を行使して現世へ戻るための猶予でもある。
 ただし、余程の緊急事態でもない限り直ぐに戻ってくることは出来ず、戻るにしたってちょっと複雑な手続きが要るらしい。それは、同じ人間を二度プルステラに送らないための措置とかで、この多数の移住の妨げにならぬように、ということだそうだ。
 一度戻ってきた人間は、原則として二度とプルステラに帰ることは出来ない。――だから、最後には自分の手による「決断」が必要なのだ。

 しばらくすると、電子音声は他のカプセルと同時に、一斉に案内を始めた。

『――では、最後の確認を致します。これから、〈プルステラ〉へ貴方の〈アニマ〉を送り届けます。よろしければ、ご確認のため、お手元のボタンをご自身のタイミングで十秒間、押し続けて下さい。カウントが終了しますと、〈アニマリーヴ〉のプロセスが開始され、貴方は一時的に〈ダイバー〉として登録されます。方舟の〈ダイバー〉が規定人数に揃うか、或いは十分が経過した後、〈ダイバー〉は自動的に〈プルステラ〉へ〈ダイブ・イン〉します。なお――』

 長々と続く説明を二度繰り返すと、ようやく電子音声は静かになった。

 ――本当に、いいんだな、大神悠月――?

 心の中でもう一度、自分に問いかけた。
 これは、いわゆるロールプレイングなんかではない。人生を賭けた最後の決断だ。

 斜向かいにばらけている父さんやカイの姿を見る。上半身は確認できるが、手元の部分がぼんやりと白い磨りガラスのようになっているせいで、ここからじゃ分からない。
 そう。他人のことは分からないようになっているんだ。決断が鈍らないように。

 ――まぁ、あの二人のことだし、押している、よな。

 カイも父さんも、自らこのプロジェクトに乗り気だった。むしろ、最後まで鈍っていたのは僕の方だったぐらいだ。

 僕は、生唾を飲み込むと、ぐっと奥歯を噛み締めて意思を示すボタンを強く押し込み、そのまま親指に力を入れ続けた。
 ボタンは固い。親指が強いバネで押し返される。それでも僕の意思は、このボタンに打ち勝たなければならない。新しい人生を始めるために。

『ボタンの押下を確認、カウントを開始します。十、九――』

 女性のアナウンスが明るい、淡々とした声でカウントを読み上げる。
 目を閉じて走馬灯でも流れないかと期待したが、たった十秒じゃ慌ただしくて何も思い浮かべやしない。

 ……願わくば、このまま何事も無く新天地に辿り着けますように――。

『――三、二、一――〈アニマリーヴ〉を開始します!』

 瞬間的に五感がマヒし、すうっと身体が持ち上がるような感覚が訪れた。
 同時に、白濁した視界の中で容赦なく意識が奪われていき、

 やがて、完全に消え去った――。
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