12 / 13
〜第三章〜 舗装のない道
第十二話
しおりを挟む
暗がりの中、微かに見える景色と音を頼りに奥へと足を進めていく。
聞こえにくい、けど確かに奥から聞こえてくるさっきの男達のだろう声がどんどん近くなってくる。
内心は恐怖しかない。
こんな所、何も無かったと見限ってしまいたい。
だけど、それをしてはいけない気がした。
恐怖があるのがその証拠だと思った。
「交代の時間か、頼みます」
さっきとは違う男の声が確かに届いた。
近くにあった布を取り、それを被って出来る限り近くまでよる。
「あぁ、任せろって」
「言うても、仕事なんてないも同然だけどな」
「俺は先、仮眠もらうぞ」
さっきの男達の声も混じり始め、奥から明るい光が差しドアの音と共に消えた。
「そんな事言ってるとなんか起きますよ」
「んな訳あるか、あっはっは」
「まぁ起こってくれた方が楽しいかもな」
「起こるまでですよ、そんな事言ってられるのも」
呆れたようにそう返すとその男はさっさと私が来た方向へと帰って行った。
「あいつも心配症だよな」
「だな、あっ俺トイレ!」
「待て!俺も行きたかったんだ、譲れ」
「やだねー」
何事もなく、そんな事を言って二人は争う様にさっきのドアとは違う方向へと走っていった。
少し遠くからさっきの二人の物音と声が聞こえる。
しかし、それ以外に音はなく鼓動の音がやたらと耳につく。
「今しか……無いよね」
私は調べる為に来たんだ、シーデの為に……彼が私の為に大会に出てくれたように私も彼の為に、薄い希望でも掴みたいから来たんだ。
「よし、行こう……」
ゆっくりと扉に近づき、その扉を開ける。
「うっ、眩しっ……」
さっきまで暗いところにいたから、目が開けにくい。
少しすると目はすぐに慣れ、中をしっかり見ることが出来た。
中はテーブルに簡素なベッドが一つ、それに酒や食べ物が入った箱。
壁には剣や槍などが立て掛けられていた。
「意外と広いのね」
何となく、あった短剣を手に取った時だった。
「でさー……」
外から確かにさっきの男達の声が聞こえてくる。
まずい、だんだん近づいてきてる。
どうしよう、どこかに隠れる場所は……。
「あった……」
そこは部屋のさらに奥の床にあった物置の扉のようなものだった。
けど、もし本当に物置でもしかしたら荷物を出しに来るかも、でもここしか無いし。
ドアに重さがかかる音がする。
行くしかない!
「そうかー……」
「うん?どうした?」
「いや、何か音しなかったか?」
「気のせいだろ、酒飲もうぜ」
「そうだな」
とその後に椅子を引く音が伝わってくる。
「ふぅー危なかった……」
しかし、下の方は何も見えないからまだ安心とは言えないかもだけど。
とりあえず、進んでみるしかないよね……。
微かに軋む梯子を確かめるようにゆっくりと降りていく。
「意外と奥まである……」
ゆっくりと降りていた時足に梯子とは違う安定した感触が伝わる。
「ここが一番下?」
ここって何?
それにこの感触って土なのかな。
そう思って足元を手で撫でてみるとやはり土だった。
「いくら地下だからって、城に地面がむき出しのところがあるなんて」
正直考えにくい話だった。
あの、お父様が地面を剥き出しの所を作るなんてあの人は完璧主義みたいな所が少しあるから、こう言う工事はしない筈なのに……。
「何だか、嫌な予感がする」
ちらっと見えたランプの明かりの元へと走る。
そこにあったのは鉄で出来た重厚な扉だった。
向こう側がどうなっているかは分からないけど、聞いたことのある男の声が中から響く。
「いい加減にしたらどうだ!……って気を失ってるじゃないか」
鈍い音と共にそんな叫び声が嫌いな音が響く。
「今回はもういい、行くぞ」
「はい」
もう一つの声と共にいくつかの金属音が続いて聞こえる。
「鎖なんかは外しとけ、どうせ逃げる気力なんてないだろっ!」
命令の様な怒声の様な声と共に鈍い音。
「がハッ……ゴホゴホ」
「ふんっ、目が覚めたか」
「行きましょう……」
「あぁ……」
どうしよう、こっちに来ちゃう。
何処か隠れないと……。
開かなかった重厚な扉がゆっくりと開く。
そして、その扉が私の前に影を作る。
「鍵は俺がかける……」
えっそれじゃ、閉めた時にバレちゃう。
どうしよう……本当にもうダメだ。
「すみません……フージス様、陛下がお呼びです!至急お越しください!」
やっぱり、そうだった。
「そんな大声で呼ぶな、誰かに聞かれたらどうする!……まぁいい今行く。鍵は頼んだぞ」
「はい」
「別にこの国の人間じゃないんだけどな、あいつらも慎重だよな」
この国の人じゃないって?
「国取る計画と取ったあとの反逆の危険を減らす計画を任されるなんてな」
「あの、もうそろそろ……」
「そうだな、お前に注意した直後だったな……行くか」
愚痴のようにそう言ってフージスは呼びに来たフードの男と走っていく。
しかし、扉が閉まるのが止まるわけではなかった。
フージス達の足音が消えるまで敬礼していた男が再び扉を閉めようとする。
その時、私は走り出していた。
逃げる為ではなく、その扉の中へ彼に会うために。
「まさか!……」
男と扉のあいだをすり抜け中へ。
「シーデ!」
鎖は無いしかし、確かに残ってる傷の数々が彼の目を虚ろにしていたのは確かだった。
「……」
虚ろに見つめ返してくるその瞳の少年を抱きしめる。
「なんで、エマ様がここに……」
男は戸惑いながらもやるべき事は把握しているらしく、ゆっくりとこちらに手を伸ばしてくる。
「とりあえず、行きますよエマ様」
そう言って肩を掴まれる。
「やだ!行かない!それに貴方達……絶対許さないから!」
しかし、私が男の力に勝てる訳など無かった。
「嫌だ!」
どうにかしようともがくけどシーデとの距離は開いていくばかり。
「行かないって!シーデ!」
扉に手をかける。
しかし、その手すらも離れようとしていた時だった。
不意に引っ張られる力が無くなり地面に転がった。
「何で……」
そこに広がったのは希望だった。
自分よりも大柄な男に対して一人の戦士の様に挑むシーデの姿だった。
「お前、動けなかった筈では……」
よろめくもシーデを睨むように立ちはだかる男。
「それはさっきまでですよ、今は関係無い!」
素早く踏み込むシーデに対し男も負けじとありを前へと運び、腰の剣では無く胸元に隠したナイフを抜く。
「死ねっ!!」
「貴方がねっ」
鋭いナイフの一閃を躱し、その腕を掴み胸元へ腕を伸ばす。
「ぐっ……」
そう呻いて地面に転がった男。
「寝てろ……」
ぎりぎり聞こえたその声とともに地面にいた彼の気が失われたのが分かった。
「エマ様、大丈夫ですか?」
「うっ、シーデ!」
「うわっ泣かないで下さいよ!」
「だって、だって……」
涙は止まんないのに言葉が出てこない。
「大丈夫ですよ、僕はここにいます」
「……うん」
「とりあえず、ここを逃げましょう?」
「……うん」
そう言って私を引っ張るように手を取って走り出す。
彼の背中は傷だらけでとても見ていられるようなものではなかったはずなのに、何となく、その背中がどの本に出てくる王子なんかよりかっこよく見えた。
「部屋に来てよかったんですか?」
「うんっ大丈夫」
途中、何度かあったフード達を倒しながら何とか部屋まで逃げる事が出来た。
これでシーデと一緒に、居られる。
「ねぇ、シーデ……」
バタンっそんな音ともにシーデが床に倒れていた。
「えっ?何で……シーデ?」
近くまで駆け寄って声を掛ける。
「すみません、流石に限界みたいで……」
「でも、さっきまで……」
「ははっ何でだったんでしょね……エマ様を守らなきゃって思ったら、頑張れたんですよ……」
「今、医者を……「待ってください」」
「何で!?」
「あいつに、フージスにバレてしまいます……」
「そんな事、それよりシーデが」
「ダメです、あいつを止めないと」
願う様に私の袖を握るシーデ。
「いいですか?あいつは最近、戦争してる国の人間なんです……この国を中から攻撃する為に来たんです。」
「やっぱり、さっきのはそう言う事だったんだ……」
「知ってたんですか、なら早く」
「でも、」
「早く!皆を守らなきゃ、頼みます」
「……」
「エマ様!……」
「分かった、でもシーデはここに居て、すぐに話つけて医者呼ぶからね!」
「はい、お願いします……」
エマはベッドの毛布をシーデにかけるとゆっくりとしかし、確かな足取りで扉を開けて廊下へと走り出した。
聞こえにくい、けど確かに奥から聞こえてくるさっきの男達のだろう声がどんどん近くなってくる。
内心は恐怖しかない。
こんな所、何も無かったと見限ってしまいたい。
だけど、それをしてはいけない気がした。
恐怖があるのがその証拠だと思った。
「交代の時間か、頼みます」
さっきとは違う男の声が確かに届いた。
近くにあった布を取り、それを被って出来る限り近くまでよる。
「あぁ、任せろって」
「言うても、仕事なんてないも同然だけどな」
「俺は先、仮眠もらうぞ」
さっきの男達の声も混じり始め、奥から明るい光が差しドアの音と共に消えた。
「そんな事言ってるとなんか起きますよ」
「んな訳あるか、あっはっは」
「まぁ起こってくれた方が楽しいかもな」
「起こるまでですよ、そんな事言ってられるのも」
呆れたようにそう返すとその男はさっさと私が来た方向へと帰って行った。
「あいつも心配症だよな」
「だな、あっ俺トイレ!」
「待て!俺も行きたかったんだ、譲れ」
「やだねー」
何事もなく、そんな事を言って二人は争う様にさっきのドアとは違う方向へと走っていった。
少し遠くからさっきの二人の物音と声が聞こえる。
しかし、それ以外に音はなく鼓動の音がやたらと耳につく。
「今しか……無いよね」
私は調べる為に来たんだ、シーデの為に……彼が私の為に大会に出てくれたように私も彼の為に、薄い希望でも掴みたいから来たんだ。
「よし、行こう……」
ゆっくりと扉に近づき、その扉を開ける。
「うっ、眩しっ……」
さっきまで暗いところにいたから、目が開けにくい。
少しすると目はすぐに慣れ、中をしっかり見ることが出来た。
中はテーブルに簡素なベッドが一つ、それに酒や食べ物が入った箱。
壁には剣や槍などが立て掛けられていた。
「意外と広いのね」
何となく、あった短剣を手に取った時だった。
「でさー……」
外から確かにさっきの男達の声が聞こえてくる。
まずい、だんだん近づいてきてる。
どうしよう、どこかに隠れる場所は……。
「あった……」
そこは部屋のさらに奥の床にあった物置の扉のようなものだった。
けど、もし本当に物置でもしかしたら荷物を出しに来るかも、でもここしか無いし。
ドアに重さがかかる音がする。
行くしかない!
「そうかー……」
「うん?どうした?」
「いや、何か音しなかったか?」
「気のせいだろ、酒飲もうぜ」
「そうだな」
とその後に椅子を引く音が伝わってくる。
「ふぅー危なかった……」
しかし、下の方は何も見えないからまだ安心とは言えないかもだけど。
とりあえず、進んでみるしかないよね……。
微かに軋む梯子を確かめるようにゆっくりと降りていく。
「意外と奥まである……」
ゆっくりと降りていた時足に梯子とは違う安定した感触が伝わる。
「ここが一番下?」
ここって何?
それにこの感触って土なのかな。
そう思って足元を手で撫でてみるとやはり土だった。
「いくら地下だからって、城に地面がむき出しのところがあるなんて」
正直考えにくい話だった。
あの、お父様が地面を剥き出しの所を作るなんてあの人は完璧主義みたいな所が少しあるから、こう言う工事はしない筈なのに……。
「何だか、嫌な予感がする」
ちらっと見えたランプの明かりの元へと走る。
そこにあったのは鉄で出来た重厚な扉だった。
向こう側がどうなっているかは分からないけど、聞いたことのある男の声が中から響く。
「いい加減にしたらどうだ!……って気を失ってるじゃないか」
鈍い音と共にそんな叫び声が嫌いな音が響く。
「今回はもういい、行くぞ」
「はい」
もう一つの声と共にいくつかの金属音が続いて聞こえる。
「鎖なんかは外しとけ、どうせ逃げる気力なんてないだろっ!」
命令の様な怒声の様な声と共に鈍い音。
「がハッ……ゴホゴホ」
「ふんっ、目が覚めたか」
「行きましょう……」
「あぁ……」
どうしよう、こっちに来ちゃう。
何処か隠れないと……。
開かなかった重厚な扉がゆっくりと開く。
そして、その扉が私の前に影を作る。
「鍵は俺がかける……」
えっそれじゃ、閉めた時にバレちゃう。
どうしよう……本当にもうダメだ。
「すみません……フージス様、陛下がお呼びです!至急お越しください!」
やっぱり、そうだった。
「そんな大声で呼ぶな、誰かに聞かれたらどうする!……まぁいい今行く。鍵は頼んだぞ」
「はい」
「別にこの国の人間じゃないんだけどな、あいつらも慎重だよな」
この国の人じゃないって?
「国取る計画と取ったあとの反逆の危険を減らす計画を任されるなんてな」
「あの、もうそろそろ……」
「そうだな、お前に注意した直後だったな……行くか」
愚痴のようにそう言ってフージスは呼びに来たフードの男と走っていく。
しかし、扉が閉まるのが止まるわけではなかった。
フージス達の足音が消えるまで敬礼していた男が再び扉を閉めようとする。
その時、私は走り出していた。
逃げる為ではなく、その扉の中へ彼に会うために。
「まさか!……」
男と扉のあいだをすり抜け中へ。
「シーデ!」
鎖は無いしかし、確かに残ってる傷の数々が彼の目を虚ろにしていたのは確かだった。
「……」
虚ろに見つめ返してくるその瞳の少年を抱きしめる。
「なんで、エマ様がここに……」
男は戸惑いながらもやるべき事は把握しているらしく、ゆっくりとこちらに手を伸ばしてくる。
「とりあえず、行きますよエマ様」
そう言って肩を掴まれる。
「やだ!行かない!それに貴方達……絶対許さないから!」
しかし、私が男の力に勝てる訳など無かった。
「嫌だ!」
どうにかしようともがくけどシーデとの距離は開いていくばかり。
「行かないって!シーデ!」
扉に手をかける。
しかし、その手すらも離れようとしていた時だった。
不意に引っ張られる力が無くなり地面に転がった。
「何で……」
そこに広がったのは希望だった。
自分よりも大柄な男に対して一人の戦士の様に挑むシーデの姿だった。
「お前、動けなかった筈では……」
よろめくもシーデを睨むように立ちはだかる男。
「それはさっきまでですよ、今は関係無い!」
素早く踏み込むシーデに対し男も負けじとありを前へと運び、腰の剣では無く胸元に隠したナイフを抜く。
「死ねっ!!」
「貴方がねっ」
鋭いナイフの一閃を躱し、その腕を掴み胸元へ腕を伸ばす。
「ぐっ……」
そう呻いて地面に転がった男。
「寝てろ……」
ぎりぎり聞こえたその声とともに地面にいた彼の気が失われたのが分かった。
「エマ様、大丈夫ですか?」
「うっ、シーデ!」
「うわっ泣かないで下さいよ!」
「だって、だって……」
涙は止まんないのに言葉が出てこない。
「大丈夫ですよ、僕はここにいます」
「……うん」
「とりあえず、ここを逃げましょう?」
「……うん」
そう言って私を引っ張るように手を取って走り出す。
彼の背中は傷だらけでとても見ていられるようなものではなかったはずなのに、何となく、その背中がどの本に出てくる王子なんかよりかっこよく見えた。
「部屋に来てよかったんですか?」
「うんっ大丈夫」
途中、何度かあったフード達を倒しながら何とか部屋まで逃げる事が出来た。
これでシーデと一緒に、居られる。
「ねぇ、シーデ……」
バタンっそんな音ともにシーデが床に倒れていた。
「えっ?何で……シーデ?」
近くまで駆け寄って声を掛ける。
「すみません、流石に限界みたいで……」
「でも、さっきまで……」
「ははっ何でだったんでしょね……エマ様を守らなきゃって思ったら、頑張れたんですよ……」
「今、医者を……「待ってください」」
「何で!?」
「あいつに、フージスにバレてしまいます……」
「そんな事、それよりシーデが」
「ダメです、あいつを止めないと」
願う様に私の袖を握るシーデ。
「いいですか?あいつは最近、戦争してる国の人間なんです……この国を中から攻撃する為に来たんです。」
「やっぱり、さっきのはそう言う事だったんだ……」
「知ってたんですか、なら早く」
「でも、」
「早く!皆を守らなきゃ、頼みます」
「……」
「エマ様!……」
「分かった、でもシーデはここに居て、すぐに話つけて医者呼ぶからね!」
「はい、お願いします……」
エマはベッドの毛布をシーデにかけるとゆっくりとしかし、確かな足取りで扉を開けて廊下へと走り出した。
0
あなたにおすすめの小説
メリザンドの幸福
下菊みこと
恋愛
ドアマット系ヒロインが避難先で甘やかされるだけ。
メリザンドはとある公爵家に嫁入りする。そのメリザンドのあまりの様子に、悪女だとの噂を聞いて警戒していた使用人たちは大慌てでパン粥を作って食べさせる。なんか聞いてたのと違うと思っていたら、当主でありメリザンドの旦那である公爵から事の次第を聞いてちゃんと保護しないとと庇護欲剥き出しになる使用人たち。
メリザンドは公爵家で幸せになれるのか?
小説家になろう様でも投稿しています。
蛇足かもしれませんが追加シナリオ投稿しました。よろしければお付き合いください。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました
小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」
二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。
第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。
それから二十年。
第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。
なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。
不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。
これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。
※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる