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ひまわり
夏のある日 Ⅴ
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おつきさまは かける
おつきさまは みちる
かなしみも みちてはかけて
よろこびも かけてはみちて
おつきさまは みちる
おつきさまは かける
おひさまのひかりを うけて
宇宙のなかで
今日も 明日も
渡し守は、知っていたのです。
置き去りにされた山の中で飢え苦しんでいた時も、このこたちは飼い主の人間の身勝手さや裏切りを恨んではいませんでした。
ただ生きることだけに懸命で、いつかふたりの飼い主がまた迎えに来てくれることを信じ、慣れない山の中で、ひたすら生きようとしていたのです。
でも、恐れと不安と飢えで、すぐにその小さな望みも儚く消えて、ふたりは息絶え、虹の橋行きの切符が届いたのでした。
切符が届くと、ふたりは寄り添うように、船の出る船着き場へと向かいました。
ふたりが歩いていくうちに、山間のひまわりの花畑に差し掛かりました。
ふたりは、虹の橋の種子から咲いた希望の花を見て立ち止まり、心から安堵しました。
これから旅していく虹の橋のたもとの街には、こんなに美しい花がたくさん咲いているのだろうから、ぼくたちも楽しく暮らせるだろう、山に置き去りにされる前のようにきっと穏やかに暮らせるのだろうと。
ふたりが美しい希望の花をうっとりとながめていた時、一頭の犬が通りかかりました。
その犬が言いました。
「あら、偶然!こんなところで、また、会えるなんて。最近、見かけないなって思っていたら、あなたたちも虹の橋に行くのね」
その犬は、ふたりが捨てられる前に知り合いだった犬でした。動物病院やお散歩の時、よく、顔を合わせたのです。
犬は、また言いました。
「わたし、急に具合が悪くなって入院したんだけど、すぐに、虹の橋行きの切符が届いちゃったのよ。顔見知りがいると、心強いわ。虹の橋に着いたら、みんなで、いっしょに、地上の飼い主さん家族の幸せを祈りましょうね!」
ーー飼い主さんの幸せを祈る?
ふたりはそれを聞くと、えも言われぬ顔になりました。
知り合いの犬は、ふたりが、飼い主に捨てられたことを全く知らないようなのでした。
おつきさまは みちる
かなしみも みちてはかけて
よろこびも かけてはみちて
おつきさまは みちる
おつきさまは かける
おひさまのひかりを うけて
宇宙のなかで
今日も 明日も
渡し守は、知っていたのです。
置き去りにされた山の中で飢え苦しんでいた時も、このこたちは飼い主の人間の身勝手さや裏切りを恨んではいませんでした。
ただ生きることだけに懸命で、いつかふたりの飼い主がまた迎えに来てくれることを信じ、慣れない山の中で、ひたすら生きようとしていたのです。
でも、恐れと不安と飢えで、すぐにその小さな望みも儚く消えて、ふたりは息絶え、虹の橋行きの切符が届いたのでした。
切符が届くと、ふたりは寄り添うように、船の出る船着き場へと向かいました。
ふたりが歩いていくうちに、山間のひまわりの花畑に差し掛かりました。
ふたりは、虹の橋の種子から咲いた希望の花を見て立ち止まり、心から安堵しました。
これから旅していく虹の橋のたもとの街には、こんなに美しい花がたくさん咲いているのだろうから、ぼくたちも楽しく暮らせるだろう、山に置き去りにされる前のようにきっと穏やかに暮らせるのだろうと。
ふたりが美しい希望の花をうっとりとながめていた時、一頭の犬が通りかかりました。
その犬が言いました。
「あら、偶然!こんなところで、また、会えるなんて。最近、見かけないなって思っていたら、あなたたちも虹の橋に行くのね」
その犬は、ふたりが捨てられる前に知り合いだった犬でした。動物病院やお散歩の時、よく、顔を合わせたのです。
犬は、また言いました。
「わたし、急に具合が悪くなって入院したんだけど、すぐに、虹の橋行きの切符が届いちゃったのよ。顔見知りがいると、心強いわ。虹の橋に着いたら、みんなで、いっしょに、地上の飼い主さん家族の幸せを祈りましょうね!」
ーー飼い主さんの幸せを祈る?
ふたりはそれを聞くと、えも言われぬ顔になりました。
知り合いの犬は、ふたりが、飼い主に捨てられたことを全く知らないようなのでした。
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