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5月
真っ向しょうぶ!金太郎ミケちゃん
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「ミケちゃん、おはよう」
あたしたちがお庭で遊んでいると、クマパンちゃんが、やってきた。
「おはよう、クマパンちゃん」
「ミケちゃん、しょうぶ!」
「しょうぶ、上等じゃないの、クマパンちゃん!」
「うん。上等のしょうぶ—— わぁぁぁっ、ミケちゃん、なにするの!」
あたしは、上手投げでクマパンちゃんを投げ飛ばした。クマパンちゃんたら、顔面から地面に着地。地面には、クマパンちゃんの顔面のあとが、くっきりついた。
「しょうぶあり!」きつねこちゃんが、あたしに軍配を上げる。「三毛の山の勝ち!」
「ミケちゃん、つよーい!」
チャコマロンちゃんやコンちゃんたちも、喜んで拍手している。
クマパンちゃんがブルブルと、顔についた土を振り落とす。
「なにすんの! ミケちゃん!」
「なにすんのって、クマパンちゃんが『しょうぶ』っていうから、しょうぶしたのよ!」
あたしは、パンパンって前足をはらった。
「あたしたち、おすもうして遊んでいるの」
と、きつねこちゃん。
「紙ずもうだけどね。あたし、一回戦で負けちゃった」
と、チャコマロンちゃん。
「ミケちゃん、紙ずもうも、本当のおすもうも、どっちも強いね!」
と、コンちゃん。
「クマパンちゃん、紙ずもうでも、しょうぶする?」
あたしは、画用紙とクレヨンとハサミを、クマパンちゃんに渡した。
「ほら、ミケちゃんのおすもうさん、強そうでしょ。金太郎さんなんだよ。わたし、くまさんにしたの」チャコマロンちゃんが、自分のくまのおすもうさんと、あたしの金太郎のおすもうさんをクマパンちゃんに見せた。「くまさんなら、しょうぶに強いと思ったのにな。ほら、金太郎のお歌にもあるじゃない?」
「ちがうよ、チャコちゃん。金太郎のお歌にあるくまさんは、お馬のけいこだよ。おすもうするのは足柄山の山奥のけだものだよ」
コンちゃんに言われて、チャコちゃんは金太郎のお歌をはじめから歌って、おさらいした。
「あっ、ほんとだ! じゃ、あたし、お山のおすもうの強そうな動物さんで作り直そう!」
「クマパンちゃんも、チャコちゃんといっしょに作って、もう一回、ミケちゃんと、しょうぶしたら?」きつねこちゃんが、猫のお菓子屋さんの紙包みを出した。「みんなは一つずつだけど、優勝者はね、ちまきと柏餅、二つずつ、もらえるんだよ」
「クマパンちゃんからのしょうぶ、真っ向から受けて立つよ!」
あたしは、鼻息荒く言った。
そのあたしの鼻先に、クマちゃんが菖蒲のお花を差し出した。
「あれ? クマパンちゃん、もしかしたら……」
「そうだよ、ミケちゃん! ぼく、上等の菖蒲のお花を持ってきたんだよ。もうすぐ、端午の節句だし。みんなで、菖蒲湯もいいかなって思ってさ。それなのに、ミケちゃんたら、いきなり、投げ飛ばすんだもの!」
「アハハ、しょうぶはしょうぶでも、勝負じゃなくて、菖蒲だったんだ。なぁーんだ!」
あたしが笑うと、みんなも笑った。
クマパンちゃんはむすっとしていたけれど、そのうち、自分でもおかしくなったのか、いっしょに笑い出した。
「よーし! 紙ずもうじゃ、ぼく、ぜったい、ミケちゃんに勝つよ!」
クマパンちゃんは、チャコマロンちゃんといっしょに、紙ずもうのおすもうさんを作り始めた。
クマパンちゃんやチャコマロンちゃんだけでなく、これを読んでるみなさんからの挑戦も、あたし、いつでも受けて立ちますよ!
真っ向しょうぶの三毛猫ミケ
***
5月1日から、元号が、平成から令和になりました。
平成31年4月30日の次の日は、令和元年5月1日。
だあれ?
れいわがんねん、クマパンがんめんなんて、言ってるのは?
平成の30年余の間には、いろんなことがありました。
楽しいことも、うれしいことも、悲しいことも、つらいことも。
その前の昭和と平成の時代が違っていたことは、日本では戦争が起きなかったこと。
平成の次の令和は、日本だけでなく、世界中で戦争が起きず、今戦火の中にある国にも平和が訪れる、そんな時代になるといいですね。
平和な世界になる一番手っ取り早い方法は、人ではなくて、猫の下僕になることじゃないかしら。
猫の下僕なら、みんなが幸せになるんですもの!
あたしたちがお庭で遊んでいると、クマパンちゃんが、やってきた。
「おはよう、クマパンちゃん」
「ミケちゃん、しょうぶ!」
「しょうぶ、上等じゃないの、クマパンちゃん!」
「うん。上等のしょうぶ—— わぁぁぁっ、ミケちゃん、なにするの!」
あたしは、上手投げでクマパンちゃんを投げ飛ばした。クマパンちゃんたら、顔面から地面に着地。地面には、クマパンちゃんの顔面のあとが、くっきりついた。
「しょうぶあり!」きつねこちゃんが、あたしに軍配を上げる。「三毛の山の勝ち!」
「ミケちゃん、つよーい!」
チャコマロンちゃんやコンちゃんたちも、喜んで拍手している。
クマパンちゃんがブルブルと、顔についた土を振り落とす。
「なにすんの! ミケちゃん!」
「なにすんのって、クマパンちゃんが『しょうぶ』っていうから、しょうぶしたのよ!」
あたしは、パンパンって前足をはらった。
「あたしたち、おすもうして遊んでいるの」
と、きつねこちゃん。
「紙ずもうだけどね。あたし、一回戦で負けちゃった」
と、チャコマロンちゃん。
「ミケちゃん、紙ずもうも、本当のおすもうも、どっちも強いね!」
と、コンちゃん。
「クマパンちゃん、紙ずもうでも、しょうぶする?」
あたしは、画用紙とクレヨンとハサミを、クマパンちゃんに渡した。
「ほら、ミケちゃんのおすもうさん、強そうでしょ。金太郎さんなんだよ。わたし、くまさんにしたの」チャコマロンちゃんが、自分のくまのおすもうさんと、あたしの金太郎のおすもうさんをクマパンちゃんに見せた。「くまさんなら、しょうぶに強いと思ったのにな。ほら、金太郎のお歌にもあるじゃない?」
「ちがうよ、チャコちゃん。金太郎のお歌にあるくまさんは、お馬のけいこだよ。おすもうするのは足柄山の山奥のけだものだよ」
コンちゃんに言われて、チャコちゃんは金太郎のお歌をはじめから歌って、おさらいした。
「あっ、ほんとだ! じゃ、あたし、お山のおすもうの強そうな動物さんで作り直そう!」
「クマパンちゃんも、チャコちゃんといっしょに作って、もう一回、ミケちゃんと、しょうぶしたら?」きつねこちゃんが、猫のお菓子屋さんの紙包みを出した。「みんなは一つずつだけど、優勝者はね、ちまきと柏餅、二つずつ、もらえるんだよ」
「クマパンちゃんからのしょうぶ、真っ向から受けて立つよ!」
あたしは、鼻息荒く言った。
そのあたしの鼻先に、クマちゃんが菖蒲のお花を差し出した。
「あれ? クマパンちゃん、もしかしたら……」
「そうだよ、ミケちゃん! ぼく、上等の菖蒲のお花を持ってきたんだよ。もうすぐ、端午の節句だし。みんなで、菖蒲湯もいいかなって思ってさ。それなのに、ミケちゃんたら、いきなり、投げ飛ばすんだもの!」
「アハハ、しょうぶはしょうぶでも、勝負じゃなくて、菖蒲だったんだ。なぁーんだ!」
あたしが笑うと、みんなも笑った。
クマパンちゃんはむすっとしていたけれど、そのうち、自分でもおかしくなったのか、いっしょに笑い出した。
「よーし! 紙ずもうじゃ、ぼく、ぜったい、ミケちゃんに勝つよ!」
クマパンちゃんは、チャコマロンちゃんといっしょに、紙ずもうのおすもうさんを作り始めた。
クマパンちゃんやチャコマロンちゃんだけでなく、これを読んでるみなさんからの挑戦も、あたし、いつでも受けて立ちますよ!
真っ向しょうぶの三毛猫ミケ
***
5月1日から、元号が、平成から令和になりました。
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だあれ?
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その前の昭和と平成の時代が違っていたことは、日本では戦争が起きなかったこと。
平成の次の令和は、日本だけでなく、世界中で戦争が起きず、今戦火の中にある国にも平和が訪れる、そんな時代になるといいですね。
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猫の下僕なら、みんなが幸せになるんですもの!
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