くらうどcafé通信 〜空まで届く木の上にあるひつじ雲のカフェ〜

水玉猫

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ウェイ・ライ

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 じゅりは、みゃく局長から代金を受け取って、夢裡むり通信局を出た。

 その足で、マスターに頼まれたレタスとトマトを買いに、超巨大積乱雲スーパー・セルに行った。
 この辺りの空では、評判の良いスーパーマーケットだ。アットホームな雰囲気で、品揃えが豊富、新鮮で質もいい。
 じゅりが魔法で小さくしたレタスとトマトを歩行器ぐもに乗せて、スーパー・セルから出てくると、ばったりと出前帰りのウェイ・ライに会った。

 蝶の妖精のウェイ・ライは、じゅりの親友。チャオズ軒の看板娘だ。
 じゅりとちがって、ちゃんとひとりで空を飛べる。

 「おはよう、じゅり。おはよう、ベビーわたぐまちゃん」

 「おはよう、ウェイ・ライ」

 「バブ、バブ」

 「じゅり、ちょうど良かった。フォーチュンギョーザがひとつキャンセルになったの。あなたに引かせてあげるわ」

 じゅりは大喜びで、ウェイ・ライからフォーチュンギョーザをもらった。
 ベビーわたぐまも、ちっちゃなふわふわのおててを差し出す。

 「ベビーは、ダメよ。ギョーザは、まだ、食べられないから。もう少し大きくなったらね」
 じゅりに言われて、ベビーはちょっとがっかりしたみたいだが、すぐに買ったばかりのトマトやレタスでおままごとを始めた。

 じゅりは今日は寝坊して朝ごはん抜きだったから、すぐにフォーチュンギョーザを口の中に入れた。
 ギョーザはおもむろにお告げをつげてから、じゅりの空っぽのおなかに落ちていった。

 フォーチュンギョーザとはなんぞや?
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