BLUE WATERー飛空士は愛機と共に異世界の空を飛び駆ける。ー

二代目菊池寛

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本編

三章三話 鳥狩り。③ーミスカ炎上ー

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夜が明け陽は昇り始める。アルミュラに新しい一日が始まり出す。北帝国の魔導戦艦バイエルン級と艦を護る護衛の機竜部隊が30騎、飛行していた。

そして、艦はミズカ地方へと通達する。

北帝国兵士「セルゲイ様、たった今ミズカ地方通達致しました。」

バイエルン級艦橋にて1人の兵士がセルゲイに報告する。

セルゲイ「うむ。………気は熟した。爆撃機竜隊、周囲全てを焼き払え!!」

セルゲイの命令により15騎の爆撃機竜はバイエルン級の艦首先頭へと移動すると爆撃機竜の腹部が両開き爆雷を投下する。投下した先はミズカ地方の最奥地の森だった。

ボカァァァァァァァァン!!!___爆雷は地面に触れ爆発を起こし周囲の草木を焼き尽くす、被害は徐々に大きくなり、住処の動物、魔獣達は森を脱出するかの様に全力で逃げ惑う。

狩りに来た猟師達が森が火事になってる事に気付き直ぐ様馬に乗り、自分等の住む村や街へと帰り住民達に伝達した。

『北帝国が来たと。』

その一言により住民達は荷物を纏め急ぎ家を出て逃げ出すも時既に遅し最奥の森の近くの村または集落が焼かれ始め既に被害に合ってるという情報が水が素早く流れる様に入っていく。

セルゲイは艦長席から立ち上がり兵士達に告げた。

セルゲイ「全乗組員、機竜兵に告ぐ!全てを焼き払え!!我等に反する存在は全て殺せ!!」

機竜兵達『はっ!!』

バイエルン級の後列に並び飛ぶ制空機竜達は左右真ん中に5騎ずつ飛行、集落や村街を発見すると低空し始め口を開き建物目掛けて火弾を放ち出す。

村街は炎の海と化し民達は恐怖し逃げ惑うも炎に飲み焼かれ罪無き生命達は散っていく。抵抗する者達は空を飛ぶ機竜目掛け弓を構え矢を放つも届かず、逆に機竜達に返り討ちに合い焼かれてしまう。

北帝国兵士「セルゲイ様!北東の方角にて少数艦隊補足、此方に接近します。」

セルゲイ「接近だと?何処の艦隊だ?」

北帝国兵士「はっ!セドランド王国軍のレーベ級艦隊です。敵艦の数は凡そ5。」

セルゲイ「そうか、少しは鳥を落とす準備運動にはなるだろう。機竜部隊、奴等を迎え討て!!」

セルゲイの指揮によりバイエルン級の周囲を飛行する機竜の半分が北東のセドランドの艦隊を迎撃する為に突撃する。

一方のセドランド王国軍艦隊はミズカ地方駐屯警備艦隊は機竜達に気付き直ぐ様攻撃体制に入る。

王国軍艦員「艦長!我が艦隊に高速飛行に接近する物体が幾つか有り!」

王国軍艦長「敵の正体は!?」

王国軍艦員「それが…。敵は北帝国!!北帝国の機竜部隊です!!攻撃を仕掛けて…来ます!!」

機竜達は一斉に口を開き火弾を王国軍小艦隊に向けて撃ち放つ。

レーベ級の艦橋と魔力制御室に直弾、制御室にある魔光石は砕かれ大爆発を起こし墜落する

王国軍船員「5番艦轟沈!」

王国軍艦長「ええいっ!!我々も反撃するぞ!魔導砲の砲撃準備に掛かれぇ!!」

焦る艦長は席を立ち目の前の機竜隊に向けて魔導砲の砲撃準備に掛かるもかなりの時間が掛かる。

王国軍艦員「魔導砲発射まで30、35…」

王国軍艦長「糞っ!!我々の攻撃に時間が長引くとは…まだ掛かるのか!?」

王国軍艦員「現在、45です。なっ3番艦轟沈!!機竜の攻撃が次々来ます!!」

機竜達は口を開かせながら飛行しながら王国軍艦隊目掛けて火弾を連続で撃ち放つ。後列のレーベ級に全弾直撃しそのまま大地へと墜落しそのまま地面にまで落ち大爆発を起こす。

同時にもう一隻のレーベ級も機竜隊の攻撃を食らいそのまま墜落する。

王国軍艦員「4番艦。更に2番艦轟沈!このままでは我が艦も……。」

王国軍艦長「狼狽えるな!!責めて、一体だけでも…」

王国軍艦員「魔導砲、魔力充填完了!」

王国軍艦長「よし、魔導砲撃てぇぇぇぇぇっ!!」

レーベ級の艦首にある主砲、魔導砲が真っ向から機竜隊に向けて砲撃する。

真っ向へと飛行する制空機竜達は避けようともせず全体、魔導砲に直撃。

王国軍艦長「やったか…。なっ!?」

しかし、全ての機竜は全くのダメージが無かった。そう、機竜兵は機竜の頑丈な装甲で造られてることを知り、魔導砲を上手く弾き返したのであった。

王国軍艦長「ば、馬鹿な…。」

一体の制空機竜は止めを指すか口を開き火弾を撃ち放つ。

王国軍艦長「う、うわあああああああっ!!!」

レーベ級の艦橋に着弾。艦は大爆発を起こし墜落する。

セルゲイ「フハハハハハッ!!我等北帝国の機竜の装甲に如何なる攻撃等無駄だ!!」

艦長席でセルゲイは王国軍艦隊の全滅する光景を見ながら高く笑い叫ぶ。

セルゲイ「このまま我が艦は直進しながら焼き払え!!」

無差別に周囲の全てを焼き尽くし続ける機竜部隊。突き進むバイエルン級。

このままミズカ地方は北帝国によって炎の海となるのか。



その頃。
先程、爆撃機竜達の爆雷によって焼かれ続けた最奥の森は現在いまでも燃え続けていた。

だが、彼等は知らなかった。彼等が焼いた森が普通の森ではない事を。

この森は『精霊の森』。

かつて、数百年前。精霊族エレメントが住み着いていたという古の伝説がある。

森の中にある小さな石碑。その石碑には小さな古代文字が刻まれているも、何百年も経ちボロボロで誰にも読めなくなっていた。

すると、草むらの中から突如緑色の球体が石碑の周りを飛び回る。精霊だ。

精霊「森が…焼かれている!?私達精霊族エレメントが暮らすこの森が!?」

精霊は高く飛び燃え行く草木の中から飛び出す。

精霊「あれは!!」

精霊は目の前にて前速飛行するバイエルン級の後ろ姿を見つける、精霊は考えた。何故、自分達が暮らす森が焼かれてるのを理解し怒りが湧き上がる。

精霊「許さないっ!!私達の、我等精霊族が暮らす我等の森を焼き尽くす等!!許さないぞ、人間共!!」



廃基地へと向かって歩き続ける飛空士がいた。

アイン「………ん?」

飛空士は一旦足を止め風が吹く方向をじっと見つめる。

アイン「何だ。………風の雰囲気が変わった?」
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