お前はオレの好みじゃない!

河合青

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【2】

21.久しぶりの体温★

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 大の男が二人で入るには窮屈過ぎる浴槽。
 ぎゅうぎゅうに詰まりながら入ってみれば、お風呂のお湯はほとんどが溢れ出てしまい、恭ちゃんはおかしそうに笑っていた。
 俺の胸により掛かり、気持ちよさそうに目を閉じる。恭ちゃんの上気した頬を見下ろしながら、俺はそっと息を呑んだ。
「……悪くないよな、こういうの」
「え?」
 吐息混じりの恭ちゃんの声。慌てて聞き返せば、恭ちゃんは視線だけで俺を見上げた。
「今までは振り回される方が多かったから、こうやって高瀬に甘やかされるの……ちょっとくすぐったいけど、ほっとする」
 俺は恭ちゃんのことを不安にさせてばかり。そう思っていたから、今の言葉に胸の奥が熱くなっていく。
「恭ちゃん……」
 温まった恭ちゃんの体を後ろからぎゅっと抱き締める。緩く波打つお湯が、浴槽から溢れ出た。
「俺、恭ちゃんのこと安心させられてますか?」
 この間の透のこともそうだ。
 恋人がいても誘いに乗るイメージが付いてしまった俺だから、これからもそうやって声を掛けられることは少なくないだろう。
「不安にさせてばっかじゃないですか?」
 その度に、恭ちゃんには嫌な思いをさせてしまう。不安な思いを、させてしまう。
 恭ちゃんはお湯の中で俺の手に触れると、軽く握り締めて指を絡めた。
「……高瀬がモテることにモヤモヤしたりはする。けど、お前がオレのこと好きなのはちゃんとわかってるから……だから、そういう意味では安心してる」
「俺の気持ち、伝わってます?」
 恭ちゃんは頷いて、そっと笑った。
「逆に、お前はどうなんだよ? オレと付き合ってて不安とかないの?」
 些細な動きでも揺れる水面が肌を撫でる。
 心地よい温度の中に恭ちゃんの熱を感じながら、俺はそっと恭ちゃんの腰に空いていた腕を回して自分の方へと引き寄せる。
「俺の不安は、恭ちゃんを悲しませてたらどうしようって不安くらいですよ」
「仕事が忙しくて会えない時とか、イヤじゃなかったのか?」
「寂しかったけど、不満はなかったですよ。それにこうやって、俺のために時間作ってくれるわけですし」
 忙しい時期に俺と過ごすために仕事を片付けて、しかも翌日には有給まで取っていてくれるんだら不満なんて出るわけがない。
「それに、寂しいのはお互い様でしょう?」
 恭ちゃんは小さく頷くと、上体を捻って俺の唇を塞いだ。濡れた恭ちゃんの髪から滴る雫が、俺の頬に落ちる。
 考えるよりも先に、体は動いていた。
 恭ちゃんの肩を掴み、強く抱き寄せる。恭ちゃんの唇から苦しげな声が漏れるのも構わず、薄く開いた唇の中へと舌を差し込んだ。
「んん……ぅあ、たか、せ」
 無理矢理に体を俺の方へと向け、恭ちゃんは両腕を俺の首へと回し、全身を俺へと預けてきた。
 熱くなった恭ちゃんの体へと手を滑らせていく。肩から胸に、そして腰へと指先が動くたび、舌を絡めながら恭ちゃんはびくびくと体を跳ねさせた。
「恭ちゃん、その」
「大丈夫」
 互いの唾液で濡れた唇を閉じる余裕もないまま、恭ちゃんは呼吸を零すように頷いた。
「すぐにも、挿れて大丈夫だから」
 物欲しげな瞳で俺を見下ろす恭ちゃんの唇を再び塞いで、恭ちゃんの尻たぶを掴む。
 ゆっくりと左右に割り開き、指をナカへと押し込めば、お湯とは違うぬるつきが指に絡まった。
「……柔らかい」
「準備してから来たからな」
「俺にさせてほしいのに」
「また今度な。今日は流石に、久々でオレも早くしたかったんだよ」
 指を二本、そこに飲み込ませて、隙間を拡げるためにぐちぐちと指を動かしていく。
 入口はやや拡がっているけど、奥に行くほどキツくなっていて、さっさと入口付近だけを解しただろうことが伝わってきた。
 本当なら今から時間を掛けて奥まで柔く溶かしていきたいところだけど、正直俺も我慢の限界だ。
 はち切れそうな程に硬くなっている自分の性器は、恭ちゃんの些細な動きで揺れるお湯にすら反応するくらいだった。
「焦れったい触り方すんな……」
 恭ちゃんは熱の籠もった吐息を吐き出すと共に、濡れた指先で俺の頬を撫でる。
「さっきからずっと硬いの当たってんだから……我慢なんてしなくていい」
「……はい」
「んん……」
 恭ちゃんのナカから指を抜き、尻を支えながら性器の先端を拡げた入口に添える。
 恭ちゃんも俺の肩を掴み、体重を預けながらゆっくりと腰を下ろしていった。
「はぁっ……なんか、変な、感じ……」
「大丈夫ですか?」
「平気……腹の中にお湯入ってくんのが、慣れてないわけじゃないけど……んっ、あ、ぁ……」
 ゆっくりと息を吐きながら、奥に奥にと俺の性器を飲み込んでいく恭ちゃんの直腸内は、呼吸で胸が上下するのに合わせて俺のモノにきゅうきゅうと吸い付いていった。
 恭ちゃんの腰に手を添えて、一気に腰を落とさないように支えていく。
 このまま腰を掴んで奥まで突き上げるのもいいけれど、今はもっと静かに絡み合っていたい。
「っ、高瀬……気持ち、いい?」
 まだ半分も入っていない。だけど、肌が触れ合うだけで怖いくらいに気持ちが良かった。
「はい、すごく」
 頷く俺を見下ろして、恭ちゃんは擽ったそうに目を細める。珍しく気の緩んだ恭ちゃんを、思う存分に甘やかしたい。
「オレも、いいっ……ん……」
 俺の性器を半分ほど飲み込んで、ゆるゆると腰を上下に動かす恭ちゃん。
 普段なら掛かる重みが湯のせいであまり感じられず、不思議な感触の中、ぴちゃぴちゃと跳ねるお湯が肩を濡らした。
「恭ちゃん、跡、付けちゃまずい?」
 俺の言葉に一瞬迷った様子で視線を落とした恭ちゃんだったけど、大丈夫と掠れた声で頷いて片手で俺の手を掴んだ。
 そのまま、指を絡めて強く握り締められる。
 浴槽の中で揺れる水面と、恭ちゃんの熱っぽい吐息が俺を包み込んだ。
「ん……」
 指を絡めた手を引き寄せ、恭ちゃんの体を自分の方へと抱き寄せる。そのまま、肩に歯を立てて、噛み跡を付けた。
「っあぁ!」
 予想外の刺激に恭ちゃんは甘ったるく鳴いて、俺の性器に絡み付く力を強める。
 熱くて柔い恭ちゃんのナカがしゃぶりつくように絡みつくせいで、射精を堪らえようとして噛み付く力を強めてしまう。
「んっ、あ、たかせっ、やぁっ!」
 ばしゃばしゃと、逃げるように上へと恭ちゃんが体を浮かそうとするから、俺は恭ちゃんの腰に腕を回した。
 がっしりと掴んでしまえば、恭ちゃんは俺のモノをしっかりと飲み込んだまま、ずるずると腰を落としていくことしか出来ない。
「う、あぁ……そこっ、やだぁ……」
 俺の肩に両腕を回してしがみついた恭ちゃんの肩にそっと舌を這わす。その刺激だけでもびくびくと肩を震わせ、恭ちゃんは俺にしがみつく指先の力を強くした。
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