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2.雪の降る国
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不満そうなレオナルドの肩を、そっとアレクシスが叩いた。
「私が王になるのが不安だという気持ちはわかるよ。ヴァンやレオンの方がよっぽど適正がある。……と、本当はこんな話をしに来たのではなくてね」
これ以上は止めようと首を左右に振ると、アレクシスは神妙な面持ちでレオナルドへと顔を近付けて声を潜めた。
「アカネースの姫を迎えるための馬車、母上の命令で既に昨日出発しているらしい」
「昨日……? そんなこと、母様は一言も仰ってはいませんでした……」
「きっとレオンに知られたくなかったということだね」
嫌な予感がレオナルドの胸を駆け巡る。
アカネースの姫は昨日にはもう城を出発している予定である。
その後、アカネース領地の北部に位置するオズマン領でレイノアールからの馬車に乗り換える予定となっていた。レイノアール王国としても今後オズマン家との流通網は繋げておきたいため、第一王女を迎えるよりもオズマン家への挨拶の目的の方が強いのかもしれない。
その流れはレオナルドも知っていたが、まさかナタリーが積極的にその手伝いをするとは考えられなかった。てっきり、戻り次第すぐに自分自身で手筈を整えるか、父であるブローディアが行うものだと思っていた。
「当然、母様の息が掛かったものが向かっているのですよね?」
「恐らくはそうだろうね」
「嫌な予感しかしない……」
レオナルドは呟いて、片手で頭を押さえた。
ナタリーの考えは読めないが、何らかの手は打たなければならない。
しばらくそのままで思案を続けていたレオナルドは、顔を上げるとジョルジュを見上げた。
「ジョルジュ、急いでアカネースに向かい、姫の引き渡し場所であるオズマン領に向かってほしい。イヴァンも一度立ち寄ることになっているから、イヴァンには悪いけど至急王都まで戻るように伝えてくれ」
「承知致しました。迎えの馬車に同伴する形で戻ればよろしいでしょうか」
「うん。母様の考えが読めない今は姫の側に誰か信用の出来る人間がいることが大切だ」
「では、俺は急いで引き渡し場所に向かい、イヴァンと合流。仮にイヴァンの到着が遅れた場合にはレオナルド様からの伝言のみを残してアカネースの姫君の護衛として側に控えさせていただきます。もしナタリー様の考えが読めた時には対応は独断で行わせていただきますね。……レオナルド様はあまり露骨に姫君を助けることはしないつもりでいるようですけど、俺はその辺り特に加減をしなくてもよろしいでしょうね」
レオナルドは頷いた。全てを語らなくても、ジョルジュはレオナルドの意図を察し動き出せる。
二人の付き合いの長さから来るものではあったが、目の当たりにしているアレクシスは驚くばかりである。
呆然と二人を眺めるアレクシスに気付き、ジョルジュは苦笑を浮かべて肩を竦めた。
「日頃からお側に仕えていると、考えることはわかるようになりますからね」
そんな簡単な話ではないような気もするが、アレクシスはそれ以上深く言及することはしなかった。自分の弟を自分以上に理解されているというのは、どうにも寂しいような気がする。しかし、そのような些細な嫉妬心を周囲に知られたくはなかった。
「頼むよ、ジョルジュ。イヴァンが戻り次第、こちらでやれることは手を尽くすから」
「はい。未来の奥さまはお任せあれ」
胸に手を当てて恭しく頭を下げるジョルジュの頭を見下ろして、レオナルドは苦笑を浮かべてみせた。
「その辺りは全く疑ってないよ。あ、でも僕の奥さんになるんだから口説いたりはしないでね」
珍しく冗談を口にするレオナルドに対し、ジョルジュの反応は薄い。
「……まぁ、努力はします」
「そこは強く頷いてほしいかな」
暗い返事に対して、答えるレオナルドは明るく笑い飛ばしている。
目の前にいるアレクシスとしては、どこまでが許される冗談でどこまでが許されないのか判断が付かずハラハラしてしまう。
しかし、二人が楽しそうに笑いあっているものだから、不思議に思いながらもつい一緒に笑みを浮かべていた。
アレクシスはナタリーが自分ばかりを可愛がり、同じ子であるレオナルドやシェリーに無関心を通り越して敵意にも似た感情を抱いていることを快く思っていない。いつかその敵意が、実際の刃に変わるのではないかと恐れている。
「ジョルジュたちがいてくれるなら安心かな」
「はい?」
「独り言だよ。気を付けて行ってきてくれ」
仮面の奥の瞳が優しく細められていることを確認し、アレクシスはゆったりと微笑んだ。
心から思ってくれる従者がいるのなら、レオナルドの身は安心だろう。
「では、行って参ります。レオナルド様よりも奥様に気に入られてしまっても許してくださいね」
「はいはい、わかったから。気を付けてね、ジョルジュ」
頭を下げ、ジョルジュは旅支度のために渡り廊下から姿を消した。
アレクシスとレオナルド。二人きりになって、彼らは黙って庭園を眺めていた。
眺めるというには語弊があるかもしれない。彼らは互いに話題が見つからず、動き出すことも出来ないからただ視線だけを逃がしていたにすぎない。
アレクシスは、若い弟へと政略結婚を強いる罪悪感が胸を占め。
レオナルドは、同じ母を持ちながら不安を拭いきれない自分に胸を痛め。
母上が、すまない。そう動きかけた唇を止め、アレクシスは小さく息を吐き出した。
「アカネースの第一王女、楽器が得意だと嬉しいな」
「ふふ。それは兄様のご趣味でしょう?」
苦笑したレオナルドを見下ろし、アレクシスも目を細めた。母の愛は知らず、父親からの愛情も満足には与えられていないレオナルドにとっては、アレクシスのターコイズブルーの瞳が初めて自分だけに与えられた慈しみの色であった。
真っ白な世界に美しい青があることを知らないまま生きていたら、自分はもっと卑屈で、王族という生まれそのものを憎んでいたかもしれない。
その時、レオナルドはあることに気付く。
「ああ、そうか……」
「ん? どうかしたのかい?」
「アカネースの姫のことを、少しだけ考えておりました」
あの従者はアカネースの姫が他人を愛することの出来る人間だと知っていた。
だからきっと、姫は他人に愛された記憶がある。親か、兄弟か、それとも従者か。そこまではわからないが、他人の愛情を知っている者なのだろう。
もしかしたら、今までに愛し合った異性がいるのかもしれない。二十という年齢を考えれば、なにもおかしなことではない。
その考えを振り払うように、レオナルドは頭を振った。
妙な勘繰りをされて、気分の良い人間はいない。まだ会ってもいない相手に対して、それは失礼に当たる気がした。
不思議そうに首を傾げるアレクシスへ、レオナルドは子供のように無防備な笑顔を向けた。
「この婚姻が政略結婚であることに違いはありませんが、少しは期待もしているんですよ」
レオナルドは深く考えずに、思ったことをそのまま口にしただけであった。しかしこの一言は、アレクシスの心に巣食う罪の痛みを少しだけ軽くしてくれる。
アレクシスは黙って頷くと、一足先に雪に染まったレオナルドの髪を撫でた。ブローディアに良く似た踏み荒らされたことのない新雪の色。
母譲りの青みが強い銀色の髪はレオナルドとは似ても似つかぬ色合いで、もしもこの髪が父に似た色をしていたのなら母は兄弟を平等に扱ってくれたのだろうかと途方もないことを考えてしまった。
アレクシスはレオナルドの髪を撫でながら、空を見上げた。
「……この様子なら、雪が降るのは姫がこちらに着いてからになりそうだね」
新雪に触れる姫が何を思うのか。アレクシスには予想も出来なかった。
「私が王になるのが不安だという気持ちはわかるよ。ヴァンやレオンの方がよっぽど適正がある。……と、本当はこんな話をしに来たのではなくてね」
これ以上は止めようと首を左右に振ると、アレクシスは神妙な面持ちでレオナルドへと顔を近付けて声を潜めた。
「アカネースの姫を迎えるための馬車、母上の命令で既に昨日出発しているらしい」
「昨日……? そんなこと、母様は一言も仰ってはいませんでした……」
「きっとレオンに知られたくなかったということだね」
嫌な予感がレオナルドの胸を駆け巡る。
アカネースの姫は昨日にはもう城を出発している予定である。
その後、アカネース領地の北部に位置するオズマン領でレイノアールからの馬車に乗り換える予定となっていた。レイノアール王国としても今後オズマン家との流通網は繋げておきたいため、第一王女を迎えるよりもオズマン家への挨拶の目的の方が強いのかもしれない。
その流れはレオナルドも知っていたが、まさかナタリーが積極的にその手伝いをするとは考えられなかった。てっきり、戻り次第すぐに自分自身で手筈を整えるか、父であるブローディアが行うものだと思っていた。
「当然、母様の息が掛かったものが向かっているのですよね?」
「恐らくはそうだろうね」
「嫌な予感しかしない……」
レオナルドは呟いて、片手で頭を押さえた。
ナタリーの考えは読めないが、何らかの手は打たなければならない。
しばらくそのままで思案を続けていたレオナルドは、顔を上げるとジョルジュを見上げた。
「ジョルジュ、急いでアカネースに向かい、姫の引き渡し場所であるオズマン領に向かってほしい。イヴァンも一度立ち寄ることになっているから、イヴァンには悪いけど至急王都まで戻るように伝えてくれ」
「承知致しました。迎えの馬車に同伴する形で戻ればよろしいでしょうか」
「うん。母様の考えが読めない今は姫の側に誰か信用の出来る人間がいることが大切だ」
「では、俺は急いで引き渡し場所に向かい、イヴァンと合流。仮にイヴァンの到着が遅れた場合にはレオナルド様からの伝言のみを残してアカネースの姫君の護衛として側に控えさせていただきます。もしナタリー様の考えが読めた時には対応は独断で行わせていただきますね。……レオナルド様はあまり露骨に姫君を助けることはしないつもりでいるようですけど、俺はその辺り特に加減をしなくてもよろしいでしょうね」
レオナルドは頷いた。全てを語らなくても、ジョルジュはレオナルドの意図を察し動き出せる。
二人の付き合いの長さから来るものではあったが、目の当たりにしているアレクシスは驚くばかりである。
呆然と二人を眺めるアレクシスに気付き、ジョルジュは苦笑を浮かべて肩を竦めた。
「日頃からお側に仕えていると、考えることはわかるようになりますからね」
そんな簡単な話ではないような気もするが、アレクシスはそれ以上深く言及することはしなかった。自分の弟を自分以上に理解されているというのは、どうにも寂しいような気がする。しかし、そのような些細な嫉妬心を周囲に知られたくはなかった。
「頼むよ、ジョルジュ。イヴァンが戻り次第、こちらでやれることは手を尽くすから」
「はい。未来の奥さまはお任せあれ」
胸に手を当てて恭しく頭を下げるジョルジュの頭を見下ろして、レオナルドは苦笑を浮かべてみせた。
「その辺りは全く疑ってないよ。あ、でも僕の奥さんになるんだから口説いたりはしないでね」
珍しく冗談を口にするレオナルドに対し、ジョルジュの反応は薄い。
「……まぁ、努力はします」
「そこは強く頷いてほしいかな」
暗い返事に対して、答えるレオナルドは明るく笑い飛ばしている。
目の前にいるアレクシスとしては、どこまでが許される冗談でどこまでが許されないのか判断が付かずハラハラしてしまう。
しかし、二人が楽しそうに笑いあっているものだから、不思議に思いながらもつい一緒に笑みを浮かべていた。
アレクシスはナタリーが自分ばかりを可愛がり、同じ子であるレオナルドやシェリーに無関心を通り越して敵意にも似た感情を抱いていることを快く思っていない。いつかその敵意が、実際の刃に変わるのではないかと恐れている。
「ジョルジュたちがいてくれるなら安心かな」
「はい?」
「独り言だよ。気を付けて行ってきてくれ」
仮面の奥の瞳が優しく細められていることを確認し、アレクシスはゆったりと微笑んだ。
心から思ってくれる従者がいるのなら、レオナルドの身は安心だろう。
「では、行って参ります。レオナルド様よりも奥様に気に入られてしまっても許してくださいね」
「はいはい、わかったから。気を付けてね、ジョルジュ」
頭を下げ、ジョルジュは旅支度のために渡り廊下から姿を消した。
アレクシスとレオナルド。二人きりになって、彼らは黙って庭園を眺めていた。
眺めるというには語弊があるかもしれない。彼らは互いに話題が見つからず、動き出すことも出来ないからただ視線だけを逃がしていたにすぎない。
アレクシスは、若い弟へと政略結婚を強いる罪悪感が胸を占め。
レオナルドは、同じ母を持ちながら不安を拭いきれない自分に胸を痛め。
母上が、すまない。そう動きかけた唇を止め、アレクシスは小さく息を吐き出した。
「アカネースの第一王女、楽器が得意だと嬉しいな」
「ふふ。それは兄様のご趣味でしょう?」
苦笑したレオナルドを見下ろし、アレクシスも目を細めた。母の愛は知らず、父親からの愛情も満足には与えられていないレオナルドにとっては、アレクシスのターコイズブルーの瞳が初めて自分だけに与えられた慈しみの色であった。
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その時、レオナルドはあることに気付く。
「ああ、そうか……」
「ん? どうかしたのかい?」
「アカネースの姫のことを、少しだけ考えておりました」
あの従者はアカネースの姫が他人を愛することの出来る人間だと知っていた。
だからきっと、姫は他人に愛された記憶がある。親か、兄弟か、それとも従者か。そこまではわからないが、他人の愛情を知っている者なのだろう。
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その考えを振り払うように、レオナルドは頭を振った。
妙な勘繰りをされて、気分の良い人間はいない。まだ会ってもいない相手に対して、それは失礼に当たる気がした。
不思議そうに首を傾げるアレクシスへ、レオナルドは子供のように無防備な笑顔を向けた。
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レオナルドは深く考えずに、思ったことをそのまま口にしただけであった。しかしこの一言は、アレクシスの心に巣食う罪の痛みを少しだけ軽くしてくれる。
アレクシスは黙って頷くと、一足先に雪に染まったレオナルドの髪を撫でた。ブローディアに良く似た踏み荒らされたことのない新雪の色。
母譲りの青みが強い銀色の髪はレオナルドとは似ても似つかぬ色合いで、もしもこの髪が父に似た色をしていたのなら母は兄弟を平等に扱ってくれたのだろうかと途方もないことを考えてしまった。
アレクシスはレオナルドの髪を撫でながら、空を見上げた。
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