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筑波大学ミステリー研究会

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批評会報告『死と砂時計』 

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批評会報告『死と砂時計』

 二学期初の批評会だったはず。読みやすくて入手しやすいものを選択した結果この作品を選ぶこととなった。死刑囚を集めた監獄での事件を集めた連作短編集。殺伐とした雰囲気が自分好みだった。過去のこのミスのランキング投票でも当サークルが投票したことがあるらしい。批評会で使用したのは『魔王シャヴォ・ドルヤマンの密室』と『墓守ラクパ・ギャルポの誉れ』。受けはまあまあ良かったんじゃないだろうか。
 今回の批評会で議題にしたのは短篇と長篇のそれぞれの良さや特徴について。短篇は解決における二転三転よりも一発で読後の感動を要するもので。オチでひっくり返すものなのではないか。短篇でも心理描写があると良い。短篇であっても心理描写が欲しい。ページ以上の満足感が欲しい。長篇を削って短篇にするのはありだが短篇を無理やり引き延ばして長篇にするな。大体こんな感じに結論付けられた気がする。
 意外と『墓守ラクパ・ギャルポの誉れ』の方が評判良かった。『魔王シャヴォ・ドルヤマンの誉れ』の方が伏線の回収が綺麗で、物語が綺麗に完結していたように思ったが、敢えて分からないまま終わる部分があった方が世界観の広がりを感じられて良いとされるものらしい。驚き。
 ミステリーの定義についても話し合ったが一番感銘を受けた意見は『謎が明かされる前の偽の世界から謎が明かされた後の真の世界へ反転する過程があるもの』。感動。
(A・S)
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