メンヘラ彼氏の手料理は切り取られた自分のいちもつだった。一方的な愛から逃れられない主人公に涙が止まらない。

新井

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腐れ縁

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見知らぬ天井、ここはどこだろう。なぜだか起きた時から頭痛が激しく、ぼーっとした頭で考える。最後の記憶は....そうだ、そうだった。


俺は17歳、県立高校に通う高校生だ。クールというか、物静かというかそんなに口数は多くないほうだが友人関係には恵まれそれなりの生活を送っていた。人並みに遊び、勉強、テニス部の活動もして、恋愛の方はさっぱりだったが、いつかは恋人もできるだろうと思っていた。

 そんなある日、憧れの先輩からお茶会の誘いを受けた、2人きりなので実質、放課後デートである。先輩はテニス部の部長で細やかな気遣いが光る高身長イケメンである。ラケットを振るフォームを指導してもらったり、部活動以外でも「眉にかかる前髪が素敵ですね」、「私服だと華奢な印象になって少年っぽくていいですね」など結構気に入ってくれていたようだがまさか本当にこんな関係になるなんて。
 
 放課後、「来てくれたんですね。結構待たせちゃいました?」イケボが店内に響く。俺の胸にも響く。「いえ今来たぐらいです。」できるだけ平静を装って返す。この会話のラリー絶対に途切れさせない!ところがそれぞれ頼んだコーヒーを飲みながら30分くらい話していたところ、・・・・・あれまぶたが重い。

 体がふわふわして力が入りにくい、ぽかぽかしてきて先輩が2重に。「眠くなってきちゃいました?目がとろんとしてますよ」先輩が笑みを浮かべながらいう。「ごめんなさいちょっと昨日寝不足だったかも」ぼんやりとした意識で答える。「大丈夫です。起きるまでここにいますよ」、「普段から練習もまじめにこなしてますしそういうときもありますよ。幸いまだ読み終わってない本ももってきtt.......」

 そうだここまでだ。ここまでで途切れていて、先輩は無事だろうか。現状を見返してみる。なぜか制服ではなく病院できるような淡い水色の甚平のような服だしベットとトイレだけがある刑務所のような部屋にいる。おまけに首には趣味の悪いチョーカーがある。「窓が見つけられれば..」ベットから立ち上がろうとした瞬間前につんのめりそうになる。鉄球のようなものが付いた足かせ。毛布があって気づかなかかった。しかし、これではっきりした。僕と先輩は何者かに拉致されたらしい。

 
  ☆☆☆


  こうなってはできることは限られるだろう。ドアの方に向かって叫ぶ

「ここから出せ!先輩は無事なんだろうな」

 数秒の静寂の後にキンキンとした声が返ってきた。

「あー起きたんだね。僕の大事な大事なプリンセス!」

 狂気を帯びたその波長に身震いを感じる。会話をしないほうがいいかもしれない。でも、先輩だけは。

「先輩は何もされてないんだろうな!」

 声を張り上げる。

「先輩、先輩って嫉妬しちゃうなぁ。きちんとしゃべってる僕のことを思ってくれてないなんて」

 ねっとりとしたイントネーションが続く。いや、まて甲高い声が近づいてきている。

「君は僕以外何も知らなくていいのに」「僕の愛で全部忘れさせてあげるからね」

カツーンカツーンと足音が響く。気持ち悪い。

「こ、来ないでくれ。いまトイレだから」

「それは失敬」

足音が遠ざかっていく。引き返してくれたみたいだ。

「というとでも思った?」

 カッカッカ全速力で近づいてくる。♢ガチャッ♢ドアが開いた。部屋の隅から垣間見る。不健康そうな色白の肌水平のキリっとした眉、特徴的な釣り目。

「・・・しゅう・・・じ?」

 思わずかつての友人の名前を挙げた。

「ふふふそうだよ」

 上機嫌そうに修二は答える。

「どうして・・こんなこと・・すんの」

 嫌な予感が止まらない。

「君のその顔たまらないね」

「答えになってなi..」

言いかけて途中で修二が部屋の隅まで来ていることに気づき息を吞む。目が合ってしまった。逃げられない。今は修二の方が力も強いだろうし、足枷もある。乱暴されるだろうか。無意識に自分の体が震えているのを感じる。修二は一瞬困ったような顔をして微笑みながら言った。

「ごはんにしようか。話はそれからにしよう。」

 ☆☆☆

修二は台車のようなものに2人ぶんの食料を載せて持ってきた。簡素なトーストやスープのようだったが緊張からか味があまりわからない。修二の出す物音に敏感になっていて修二がスプーンを落とした時には自分でも驚くぐらい体がビクっとした。修二の話は小学校を卒業してからの修二に関するものだった。正直本当に知らない話ばかりだったが要約すると居心地の悪い進学校で俺の存在だけが支えだったという話らしい。だからってこんな手段を使うべきではないだろう。よりによって先輩まで巻き込んで。事態はその趣旨をそれとなく伝えようとしたときに起こった。

「先輩、先輩って本当に僕のことを見てくれてないんだね!」

 やってしまった。目を見開いた修二は続ける。

「わがままな君にはおしおきが必要だよね..」

 見上げるだけで体が動かない。お姫様抱っこをされベットにたたきつけられる。3秒後、穢れを知らない唇は蹂躙されていた。手で払いよけようとしても力の差がありすぎる。両手とも恋人つなぎのような状態であおむけに押し倒されている。ぺちゃぺちゃと修二のベロで乱暴に口の中を犯されて快楽を感じる自分が何より情けない。ひっくひっくと吐息と泣きじゃくる音が混じる。

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