悪役令嬢から『薬屋』に転職しました!

こうじ

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調合とこれからの事

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「さて、やりますか」

 私は店の奥にある調合室で取ってきた薬草の調合をする事にした、と言ってもいきなり使える訳ではない。

 まずは日干しして乾燥させなければならない。

 取ってきた薬草を網に於いて裏口にある干場へ向かう。

 そこに置いてある棚の一番上に薬草を置く。

 因みに他の段には勿論乾燥済の薬草が置いてある。

「さて、今日はコレを使いますか」

 棚から薬草を取り出し調合室に戻りすり鉢に入れて丁寧にすり潰していく。

「うん、これぐらいで良いかな」

 すり潰して粉末状になった薬草は種類事に小瓶に入れていく。

「そういえば塗り薬が足りなかったわね……」

 私は何個かの小瓶を取り出し小さな鍋に入れた。

 そこに水を入れて煮詰めていきドロドロになったら完成だ。

 配分は私の頭の中に刻まれている。

 何度も挑戦して失敗を繰り返してベストな配分を見つけ出す。

 薬の調合は地味だけど大変な作業なのだ。

 調合を終えた後は2階の自室に。

「だいぶ薬屋も軌道に乗ってきたしそろそろ拡大しても良いかもしれないわね」

 机の上にあるノートを見ながら私は呟いた。

 うちの薬屋は買う人もいるけど井戸端会議をしに来る人も多い。

 近所のたまり場になりつつあるのは別に構わないんだけど前からおもてなしをしたい、と思っていた。

「薬草は体には良いんだけど苦手な人もいるのは事実なんだよね……」

 目下の課題は薬草をもっと広める事。

 そこで私は喫茶スペースを設けよう、と思っていた。

 薬草を使ったお菓子やお茶を販売しようと思っている。

「ただ今の店舗でやるのは手狭なのよね……」

 今の店舗は本当に薬を売る為の広さしかないので喫茶スペースを作るのは無理だ。

「空き店舗を探してみるかな、アウール様に相談してみよう」  

 
    
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