転移したらダンジョンの下層だった

Gai

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二百六十一話神のみぞ・・・・・・では無く

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「さて・・・・・・準備は出来てるかフォルス」

「はい!! 準備万端です!!!」

(うん、なんか少しキャラが変わってる気がするけどまぁ良いか)

最終日の訓練を終え、夕食も食べ終えて日が落ち、一定の場所以外は静かになって来た時間帯にソウスケはフォルスをある場所に連れ出す。

フォルスは貴族の息子であるので、ソウスケはフォルスの父親にその事を伝えると親指を立てながら「息子を立派な男にしてやってください」と言われた。

(随分とノリの良い親父さんだよな。普通はそういった場所に行く時は少し息子の事を心配に思うものだと思うんだが・・・・・・俺の気のし過ぎか? てか、こんな物を渡してくれるって事は親父さんもちょいちょい足を運んでるのかもな)

ソウスケは手に持つ小さめの瓶に入った液体をチラッと見る。
液体の正体は・・・・・・精力剤だった。
しかも中々に品質の良い精力剤。鑑定のスキルを使ったソウスケにこれが決して安くない者だと分る。

これはフォルスが男になる時に買っておいた物なのか、それともフォルスの父親が息抜きする時に使うために常備されている物なのか・・・・・・それは父親のみぞ知る事実。

「フォルス、これを飲んどけ」

「? なんですかこれは」

「お前が女を抱くときに助けてくれるアイテムだ」

「そ、そうなんですか・・・・・・い、頂きます」

ソウスケから精力剤を受け取ったフォルスはそれをぐびっと一気に飲んだ。

「ちょ、ちょっと苦いですね」

「だろうな。別に美味いものじゃないし」

「そうですか。ソウスケさんは飲まないんですか?」

「俺は・・・・・・まぁ、一応自分なりのとっておきがあるから大丈夫だ」

チラッと自身の左手に付けている指輪に目を向け、苦笑いになる。
オークが持つスキル、勢力増大を使えば宗家の息子は疲れを知らない状態へと元気もりもりになる。
男性が・・・・・・特に早漏の男性が欲するスキルであろうものを、ソウスケは少し魔力を消費するだけで扱える。
なんとも羨ましいスキルだ! と思う人は少なくないだろう。

「ソウスケさんのとっておき・・・・・・なんだか凄そうですね!」

「あぁ、超凄いぞ。だからこいつはお前が持っとけ」

ソウスケは子爵から君の分もと渡された精力剤をフォルスへと譲った。

「もうこれ以上元気にならないって時に飲め。もしかしたら時間中にワンチャンある筈だ」

「有難うございます!」

テンションが最高潮に達したところで、二人は歓楽街への入口へたどり着いた。
そして街中で気分良く騒いでいるお兄さんにソウスケはチップを渡して一番の快感が味わえる場所を尋ねた。

貰ったチップが予想以上だった男は更に気分を良くし、ソウスケとフォルスへ数件の娼館とお勧めの娼婦の名前と特徴を教えてどこかへ消えてしまった。

「そ、ソウスケさん。情報料金ってそんなに高いんですか?」

「いや、多分通常より多かったと思うぞ。無駄遣いに思えるかもしれないけど、多ければ向こうも気分を良くして訊いていない良い情報まで教えてくれるかもしれない。現にさっきのお兄さんは俺達がお勧めの娼館を教えてくれって言っただけなのに、その中の娼婦の情報まで教えてくれただろ」

「た、確かにそうですね。冒険者活動で情報収集をする時もそのようにした方が良いんですか?」

「・・・・・・いや、特に余裕がある時以外は真似しない方が良いぞ毎回高額な情報料を払ってるとそれが当たり前て思われるからな。そこら辺は俺よりもっと冒険者歴が長い先輩に訊いてくれ」

ソウスケはモンスターや人と戦う時にアドバイス等は自分でも出来ると多少は思っているが、それ以外には全く自身が無いので参考にして欲しくなかった。
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