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二百七十五話驚いてちょっとホラーでまた驚く

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他のモンスターを従えてソウスケ達を襲撃して来たグラップラーフォレストコングを圧倒し、解体を終える。
その後、ソウスケ達は二十五階層まで探索を続けた。

奇襲に合う事も多々あったが、どの戦いもソウスケ達が苦戦する事はない。

(大きな怪我を負うことなく探索は順調。けど、フォレストモンキーの亜種にはちょっと驚いたな)

手足が長い・・・・・・では無く、腕が四つある全ての手に武器を持っていたフォレストモンキー。
体は通常のフォレストモンキーと比べて二回り程大きい。

(腕がしっかりとした太さだったから四つの腕から操る武器も虚仮威しって訳じゃ無かった)

普通のフォレストモンキーしか知らない冒険者にとっては初見殺しになる相手だろう。
もちろんそんなフォレストモンキーの亜種を知らないソウスケ。持っていた長剣に短槍と手斧に棍棒をそこそこの錬度で操る事に驚くも、肝心の腕が無ければ意味が無いだろうと判断してグラディウスから放った斬撃により肘から先を斬り飛ばした。

そんな状態になってしまったフォレストモンキーの亜種に強みは無く、ミレアナが放った矢が喉を貫通してあっけなく殺られてしまう。

(ソードラビットの大群にもちょっと驚いた。額に刃が生えているとはいえ見た目はか可愛らしいからな。それがあんなに戦意剥き出しで襲い掛かってきたらちょっとしたホラーだよな)

そんなちょっとホラーなソードラビットの大群の中にいた一体をソウスケは思い出す。

(そういえば一体だけ体の色が緑・・・・・・薄緑の個体がいたな。グラップラーフォレストコングが造りだした木の大剣に風を纏わせていたって言っていたけど、それと同じ事をやっていたような気がする。あれは亜種認定でいいのか?)

まだそこまでモンスターの生態に詳しくないソウスケはいまいちそこら辺の境界線が分らなかった。

(倒す前に鑑定をしとけば良かったか? でも殆どが普通のソードラビットだからそんな事する意味ないと思っていたしな)

刃に風を纏わせる。その行為自体は対峙する相手にとって十分な脅威だが、それでも実力が離れすぎていては全く話にならない。

(けどまぁーーー、あの狐のモンスター・・・・・・フォクション? には普通に驚かされた。フォレストモンキーの亜種よりあいつの方がよっぽど初見殺しかもしれないな)

魔力を消費する事により自身の幻影を生み出す事が出来る狐タイプのモンスター。
狩ると決めた相手には出会い頭に幻影を生み出し、捨て身の突進で相手に攻撃を防がせる。
そして相手が防御、迎撃に集中した瞬間を狙って喉元を食い千切るか、爪で喉を斬り裂く。

ソウスケも自分達の進行方向にモンスターがいる事は分っていた。
だが自身に突っ込んできたモンスターを斬り裂いた時に全く感触が無かったのには驚かされた。

一瞬に全力を出していたフォクションはソウスケの後ろを取る事に成功したが、地を駆ける音を聞き逃さなかったソウスケはその動きに対応し、喉元を食い千切ろうと跳びかかって来たフォクションの喉を逆に突き刺した。

ミレアナはフォクションを知っていたため冷静に対処していたが、ザハークはソウスケと同様に殴った感触が全く感じなかったフォクションの幻影に驚くが、自身の後ろから何かが襲い掛かって来る予感がして裏拳を放った。
すると裏拳はフォクションの頬にジャストミートして吹き飛んだ。

(つっても結局はDランクのモンスターだからそれ以外は怖くなかったな。けどこの階層では状態異常の攻撃に意識がいってたから本当に隙を突かれたって感じだ)

まだまだ自分は甘いなと思いながらソウスケは野営に適した場所は無いかと探す。
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