390 / 1,259
三百八十九話 サブも充実させたい
しおりを挟む
「ミレアナさん、さっきオークの顔面に風の刃を飛ばした時って魔力操作で飛ばしたんですか? それともその短剣の効果なんですか?」
「先程の攻撃はこの短剣による効果で飛ばしました。普通に刃に纏った風の魔力を飛ばす事も出来ますが、この短剣を使えば物凄く簡単に飛ばせます。魔力操作に慣れている必要はありませんからね」
ミレアナは何もない壁に向かって実演し、その能力を三人に見せつける。
「それはその短剣に元々風の魔力を纏わせる効果が付いてるんですか?」
「いいえ、そういう訳ではありません。自身の属性魔力を短剣に流し込むことで自動的に刃の部分に魔力が纏い、意識一つで飛ばすことが出来ます。勿論属性の無いただの魔力でも可能です」
「それは結構使い勝手が良い短剣ですね!! どこのお店に売ってたんですか?」
「これは……お店というより露店ですね。店主の方がしっかりとこの短剣の能力を把握していなかったのか、結構安かったんです。私も正確に能力を解っていませんでしたが、他の武器とは何かが違うと思ったので誰かに買われる前に買ってしまいました」
不自然ではない間を造り、どのようにしてこの短剣を入手したのかを話すべきかミレアナは考え、自身のパーティーのリーダーであるソウスケが造ったとは言わない方が良いと判断。
そしてそれらしいエピソードを三人に話す。
少しありふれた内容かとミレアナは思ったが、ミレアナの事を信用しきっている三人は特にその話を疑うことは無かった。
「地味に良い能力ですね。ミレアナさんのお陰で結構お金が貯まって来たけど、サブの武器にお金を使うのはちょっとなぁ」
「お財布にダメージちょっと大きいですね。でもやっぱりそういうのがあると無いとじゃまた色々と変わってきそうですけど……」
「もっと財布に余裕が出来たら買ってみよう」
贅沢をしなければ十分に彼女達の財布の中身は貯まり続ける。
メインの武器以外を装備しておくのも大事だと解っているが、ミレアナがソウスケから渡された短剣並みの武器だと買ってしまった後に不安が残る。
「その方が良いですね。いつ大きな出費があるか分かりませんし」
「ミレアナさんのパーティーの収入源は何が一番大きいんですか?」
ここで女性冒険者が少し踏み込んだ質問をした。
ソウスケ達は一週間に一度か二度のペース、もしくは十日に一度ぐらいのペースでギルドの依頼を受けているが、それは新人の冒険者にしては依頼を受ける回数がかなり少ない。
速くランクを上げるため、日々の生活費の為に依頼を受けた次の日は体を休め、次の日はまた依頼を受ける。
二日に一回のペースで依頼を受けるのが一般的。
しかし最近こそ三人の女性冒険者と一緒に依頼を受けていることが多いが、以前聞いた話ではあまりハイペースに依頼を受けていない。
ベテランの域に達している冒険者なら報酬も高くなるので依頼を受けるペースを落とせるが、ミレアナのランクでそのペースはあり得ない。
ミレアナとその仲間であるザハークとソウスケの実力がランクと同じであることは解っている。
それでも依頼で貰えるお金と依頼を受けている回数を考えるとお金に余裕があるようには思えない。
「……少し前まで、ダンジョンのある街で活動していたんですよ。そこで結構貯まったので当分の間は心配する必要は無いんです。ダンジョンの宝箱は魅力的ですよ。当たり外れはありますが」
合っているけどそれが全てでは無い回答に対し、これまた三人は直ぐに納得してしまった。
「や、やっぱり当たれば凄いんですか」
ダンジョンに潜ったことが無い三人は興味津々な様子でミレアナに尋ねる。
「……はい、凄いですよ」
親指を立てて笑顔で答えるミレアナを見て三人はいつか自分達もダンジョンに潜ろうと心に決めた。
「先程の攻撃はこの短剣による効果で飛ばしました。普通に刃に纏った風の魔力を飛ばす事も出来ますが、この短剣を使えば物凄く簡単に飛ばせます。魔力操作に慣れている必要はありませんからね」
ミレアナは何もない壁に向かって実演し、その能力を三人に見せつける。
「それはその短剣に元々風の魔力を纏わせる効果が付いてるんですか?」
「いいえ、そういう訳ではありません。自身の属性魔力を短剣に流し込むことで自動的に刃の部分に魔力が纏い、意識一つで飛ばすことが出来ます。勿論属性の無いただの魔力でも可能です」
「それは結構使い勝手が良い短剣ですね!! どこのお店に売ってたんですか?」
「これは……お店というより露店ですね。店主の方がしっかりとこの短剣の能力を把握していなかったのか、結構安かったんです。私も正確に能力を解っていませんでしたが、他の武器とは何かが違うと思ったので誰かに買われる前に買ってしまいました」
不自然ではない間を造り、どのようにしてこの短剣を入手したのかを話すべきかミレアナは考え、自身のパーティーのリーダーであるソウスケが造ったとは言わない方が良いと判断。
そしてそれらしいエピソードを三人に話す。
少しありふれた内容かとミレアナは思ったが、ミレアナの事を信用しきっている三人は特にその話を疑うことは無かった。
「地味に良い能力ですね。ミレアナさんのお陰で結構お金が貯まって来たけど、サブの武器にお金を使うのはちょっとなぁ」
「お財布にダメージちょっと大きいですね。でもやっぱりそういうのがあると無いとじゃまた色々と変わってきそうですけど……」
「もっと財布に余裕が出来たら買ってみよう」
贅沢をしなければ十分に彼女達の財布の中身は貯まり続ける。
メインの武器以外を装備しておくのも大事だと解っているが、ミレアナがソウスケから渡された短剣並みの武器だと買ってしまった後に不安が残る。
「その方が良いですね。いつ大きな出費があるか分かりませんし」
「ミレアナさんのパーティーの収入源は何が一番大きいんですか?」
ここで女性冒険者が少し踏み込んだ質問をした。
ソウスケ達は一週間に一度か二度のペース、もしくは十日に一度ぐらいのペースでギルドの依頼を受けているが、それは新人の冒険者にしては依頼を受ける回数がかなり少ない。
速くランクを上げるため、日々の生活費の為に依頼を受けた次の日は体を休め、次の日はまた依頼を受ける。
二日に一回のペースで依頼を受けるのが一般的。
しかし最近こそ三人の女性冒険者と一緒に依頼を受けていることが多いが、以前聞いた話ではあまりハイペースに依頼を受けていない。
ベテランの域に達している冒険者なら報酬も高くなるので依頼を受けるペースを落とせるが、ミレアナのランクでそのペースはあり得ない。
ミレアナとその仲間であるザハークとソウスケの実力がランクと同じであることは解っている。
それでも依頼で貰えるお金と依頼を受けている回数を考えるとお金に余裕があるようには思えない。
「……少し前まで、ダンジョンのある街で活動していたんですよ。そこで結構貯まったので当分の間は心配する必要は無いんです。ダンジョンの宝箱は魅力的ですよ。当たり外れはありますが」
合っているけどそれが全てでは無い回答に対し、これまた三人は直ぐに納得してしまった。
「や、やっぱり当たれば凄いんですか」
ダンジョンに潜ったことが無い三人は興味津々な様子でミレアナに尋ねる。
「……はい、凄いですよ」
親指を立てて笑顔で答えるミレアナを見て三人はいつか自分達もダンジョンに潜ろうと心に決めた。
125
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
虹色のプレゼントボックス
紀道侑
ファンタジー
安田君26歳が自宅でカップ麺を食ってたら部屋ごと異世界に飛ばされるお話です。
安田君はおかしな思考回路の持ち主でわけのわからないことばっかりやります。
わけのわからない彼は異世界に転移してからわけのわからないチート能力を獲得します。
余計わけのわからない人物に進化します。
作中で起きた事件の真相に迫るのが早いです。
本当に尋常じゃないほど早いです。
残念ながらハーレムは無いです。
全年齢対象で男女問わず気軽に読めるゆるいゆる~いストーリーになっていると思いますので、お気軽にお読みください。
未公開含めて30話分くらいあったのですが、全部行間がおかしくなっていたので、再アップしています。
行間おかしくなっていることに朝の4時に気づいて右往左往して泣く泣く作品を削除しました。
なかなかに最悪な気分になりました。
お気に入りしてくださった方、申し訳ありません。
というかしょっちゅう二行も三行も行間が空いてる小説をよくお気に入りしてくださいましたね。
お気に入りしてくださった方々には幸せになってほしいです。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
追放されたお荷物記録係、地味スキル《記録》を極めて最強へ――気づけば勇者より強くなってました
KABU.
ファンタジー
「お前の《記録》なんて役に立たない。もうついてくるな」
勇者パーティの“お荷物”扱いに耐えてきたライトは、
ついにダンジョン最深部で置き去りにされる。
追放すらできない規約のせいで、
“事故死”に見せかけて排除しようとしたのだ。
だがその死地で、ライトのスキル《記録》が進化した。
《超記録》――
敵のスキルや魔法、動きまですべてを記録し、即座に使えるようになる最強格の能力。
生き延びたライトはレグナの街で冒険者として再出発。
努力で《成長》スキルを獲得し、
記録したスキルや魔法は使うほど強化されていく。
やがて《超記録》は最終進化《アカシックレコード》へ。
対象を見ただけでステータスや行動パターンが分かり、
記録した力を即座に上位化し、さらに合成して新たな力まで生み出す究極スキル。
一方、勇者パーティはライトを失った途端に依頼成功率が大幅に低下。
さらに魔王軍四天王の暗躍によって状況は悪化し、ついには洗脳されてライトに牙をむく。
街を襲うドラゴン、仲間それぞれの過去、四天王との連戦。
優しく努力家のライトは、出会った仲間と共に確実に強くなっていく。
捨てられた記録係が、世界最強へと進化する。
爽快無双×成長ドラマの大長編ファンタジー開幕。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる