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六百六十五話 客が中々途切れない
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(それなりに忙しくなるとは思ってたが……中々列が途切れないな)
久しぶりにダイアスと出会った日の翌日、ソウスケたちは焦らずに朝食を食べ終えてから商人ギルドに出発。
しっかりと販売の許可を得て、指定された場所へと向かって武器を並べ始めた。
そして十分もしない内に、一人目の客が到着。
「……随分と良い武器が揃ってるんだな」
「どうも、どんな武器をお探しですか」
「いや、メインの武器を変える気はないんだが……それなりに使える投げナイフが欲しいと思ってるんだが、あるか?」
「使い捨ての投げナイフですか。勿論ありますよ」
随分良い武器が揃っている。
男の言葉に嘘は含まれていない。
ソウスケたちが冒険者として活動していることも知っているので、中堅や高ランクの冒険者でも使える武器を造れるその腕に感心していた。
ただ、それでも投げナイフのような使い捨ての武器は造っていないのでは? と思っていたが、ソウスケはキッチリと造っていた。
「こちらが使い捨ての投げナイフになります。効果はそのまま柄に現れてます」
まさか最初に使い捨ての投げナイフを求める客が来るとは思っていなかったため、外に出しておらず、亜空間の中から大量の投げナイフが入った木箱を取り出した。
「凄い数だな」
「休憩の合間などに造ってたりしてたので。それなりに数はあります。使い捨てなんで、勿論接近戦では大して使えませんが」
使い捨てであれば、鍛冶場で作業をせずとも造れる。
ただし、ソウスケが客に説明した通り強度などは本当に投げナイフ用。
接近戦で使おうものなら数回でボロボロになる……もしくは、攻撃する場所によっては無意味に終わる可能性がある。
「……これ、ちなみに一本幾らだ」
「それは一本で銀貨十枚ぐらいですね」
「これが銀貨十枚……嬉しいが、お前らにとっては赤字じゃないのか?」
「俺たちは基本的に冒険者として活動してるんで、これでも全然黒字ですよ」
「そういえばそうだったな……なら、十個買わせてもらおう」
「まいど、金貨一枚になります」
丁度金貨一枚を受け取り、今日初めて訪れた客は上機嫌な様子で帰って行った。
「いきなり金貨一枚分売れるとは……スタートは上々ですね」
「ダイアスさんが知り合いに今日、俺たちが露店で武器を売るってことを広めてくれたから、これからもっとお客さんが来ると思うぞ」
その言葉通り、最初の一人を皮切りにぞろぞろと戦闘職の者たちがやって来た。
ある程度武器を視る目が持つ者が多く、置かれている武器を視てまず一驚き。
そして値段を確認して二驚き。
ここまでが毎度の流れとなった。
お客さんが一気にドバっと来るのではなく、中々途切れない。
これが何気にソウスケたちを苦しめ、昼飯をゆっくり食べように食べれない。
という訳で、せっかく来てくれたお客さんを優先して一人が露店で腹を満たしている間は、二人で接客。
ただ……ザハークだけはソウスケに頼んで手頃な料理を買ってきてもらい、店の直ぐ傍でちゃやっと食べた。
ソウスケとミレアナだけど、色々と勘違いした者が現れた時にサクッと解決しないと思い、ザハークは店から離れずに昼食を食べようと決めていた。
そのお陰で、たくさん訪れたお客さんの中にも少々面倒な客はいたが、それっぽい雰囲気を察知したザハークが直ぐに威嚇モードに入り、馬鹿でも戦力の差を解らせて面倒事を回避した。
武器の中にはミレアナの杖もあり、これまた一般の店で売られている者の値段よりも安い。
更に魔法が得意なエルフ(ハイ・エルフ)が造った一品ということもあり、滞りなく売れ続けた。
そして武器の在庫が減ってきたタイミングでソウスケとミレアナが造ったポーションを品欄に置くと、これまた順調に売れ出す。
万が一まとめ買いしようとする人がいたらと恐れ、一応一人三本までというルールを決めていた。
客の中にはまとめ買いしたかった者もおり、ソウスケの知らないところで事前に決めていたルールが役に立っていた。
こうして夕方までお客さんは途切れることはなく、制作した武器や盾は殆ど売れた。
久しぶりにダイアスと出会った日の翌日、ソウスケたちは焦らずに朝食を食べ終えてから商人ギルドに出発。
しっかりと販売の許可を得て、指定された場所へと向かって武器を並べ始めた。
そして十分もしない内に、一人目の客が到着。
「……随分と良い武器が揃ってるんだな」
「どうも、どんな武器をお探しですか」
「いや、メインの武器を変える気はないんだが……それなりに使える投げナイフが欲しいと思ってるんだが、あるか?」
「使い捨ての投げナイフですか。勿論ありますよ」
随分良い武器が揃っている。
男の言葉に嘘は含まれていない。
ソウスケたちが冒険者として活動していることも知っているので、中堅や高ランクの冒険者でも使える武器を造れるその腕に感心していた。
ただ、それでも投げナイフのような使い捨ての武器は造っていないのでは? と思っていたが、ソウスケはキッチリと造っていた。
「こちらが使い捨ての投げナイフになります。効果はそのまま柄に現れてます」
まさか最初に使い捨ての投げナイフを求める客が来るとは思っていなかったため、外に出しておらず、亜空間の中から大量の投げナイフが入った木箱を取り出した。
「凄い数だな」
「休憩の合間などに造ってたりしてたので。それなりに数はあります。使い捨てなんで、勿論接近戦では大して使えませんが」
使い捨てであれば、鍛冶場で作業をせずとも造れる。
ただし、ソウスケが客に説明した通り強度などは本当に投げナイフ用。
接近戦で使おうものなら数回でボロボロになる……もしくは、攻撃する場所によっては無意味に終わる可能性がある。
「……これ、ちなみに一本幾らだ」
「それは一本で銀貨十枚ぐらいですね」
「これが銀貨十枚……嬉しいが、お前らにとっては赤字じゃないのか?」
「俺たちは基本的に冒険者として活動してるんで、これでも全然黒字ですよ」
「そういえばそうだったな……なら、十個買わせてもらおう」
「まいど、金貨一枚になります」
丁度金貨一枚を受け取り、今日初めて訪れた客は上機嫌な様子で帰って行った。
「いきなり金貨一枚分売れるとは……スタートは上々ですね」
「ダイアスさんが知り合いに今日、俺たちが露店で武器を売るってことを広めてくれたから、これからもっとお客さんが来ると思うぞ」
その言葉通り、最初の一人を皮切りにぞろぞろと戦闘職の者たちがやって来た。
ある程度武器を視る目が持つ者が多く、置かれている武器を視てまず一驚き。
そして値段を確認して二驚き。
ここまでが毎度の流れとなった。
お客さんが一気にドバっと来るのではなく、中々途切れない。
これが何気にソウスケたちを苦しめ、昼飯をゆっくり食べように食べれない。
という訳で、せっかく来てくれたお客さんを優先して一人が露店で腹を満たしている間は、二人で接客。
ただ……ザハークだけはソウスケに頼んで手頃な料理を買ってきてもらい、店の直ぐ傍でちゃやっと食べた。
ソウスケとミレアナだけど、色々と勘違いした者が現れた時にサクッと解決しないと思い、ザハークは店から離れずに昼食を食べようと決めていた。
そのお陰で、たくさん訪れたお客さんの中にも少々面倒な客はいたが、それっぽい雰囲気を察知したザハークが直ぐに威嚇モードに入り、馬鹿でも戦力の差を解らせて面倒事を回避した。
武器の中にはミレアナの杖もあり、これまた一般の店で売られている者の値段よりも安い。
更に魔法が得意なエルフ(ハイ・エルフ)が造った一品ということもあり、滞りなく売れ続けた。
そして武器の在庫が減ってきたタイミングでソウスケとミレアナが造ったポーションを品欄に置くと、これまた順調に売れ出す。
万が一まとめ買いしようとする人がいたらと恐れ、一応一人三本までというルールを決めていた。
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こうして夕方までお客さんは途切れることはなく、制作した武器や盾は殆ど売れた。
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