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六百六十八話 是非存分に振るってください
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「これがダイアスさんの魔剣です」
「これが、俺の……」
ダイアスから渡された素材で一つの魔剣を造り上げた翌日、ソウスケは学園に訪れてダイアスに完成した魔剣を渡した。
勿論、剣だけではなく鞘も付いている。
ソウスケから魔剣を受け取ったダイアスはまるで子供の様に目を輝かせていた。
「……抜いても良いか?」
「ふふ、俺に聞く必要はないですよ。その魔剣は既にダイアスさんの物なんですから」
「そ、そうか……いや、その前に依頼料を渡しておくぜ」
素材に関しては必死で集めたが、それと職人に頼む依頼料はまた別。
「袋の中には金貨五十枚が入ってる筈だ」
「それはどうも。でも、結構な大金ですけど……大丈夫なんですか?」
ダイアスの懐事情が少し心配になったが、それは要らぬ心配だった。
「大丈夫だ。素材集めに行った時、依頼料金分の金も稼いでたからな」
「そうですか。なら、この依頼料は有難く頂きます」
「おう、貰ってくれ。ふぅ……よし、抜くぜ」
周囲には他の教師たちも興味深そうに見ているが、今のダイアスにはそんな視線を気にする余裕はなかった。
「……ッ。これが、ソウスケ君が造ってくれた魔剣か」
「はい、その魔剣はダイアスさんの物です。名前はストラングル……一応風の魔剣ですね」
「風の魔剣か……俺にピッタリだな」
「ダイアス先生、少し失礼しても良いですか?」
「ん? あぁ、構わない。寧ろ視てくれ」
鑑定のスキルを持っている教師がじっくりストラングルを観察し……一つため息を吐いた。
「ふぅーーーー……正直、ダイアス先生が物凄く羨ましいですね。この風の魔剣、ストラングルはランク五です」
「「「「「「ッ!!??」」」」」」
鑑定持ち教師の言葉を聞き、周囲の教師たちは目玉が飛び出そうなほど驚く。
「ら、ランク五って……ま、マジかよ。それは本当なのか!!!」
「えぇ、本当です。この魔剣は、ソウスケさんがお造りになれたのですよね」
「はい。素材はダイアスさんに集めてもらって、その素材で風の魔剣を造りました」
「その歳で見事な腕前ですね。私は魔剣などを使わないのであれですが……同じような武器を使う人たちからすれば、涎を垂らしてしまうほどの一品でしょう」
鑑定持ち教師はストラングルのランクだけではなく、効果や専用技まで視た。
(腕力強化の付与効果に、風結界が使える。加えて、武器を扱う者にとってはこの上なく嬉しい再生の効果まで……エルダートレントの魔石を渡したと言っていましたし、その力が武器に現れたのかもしれませんね)
更に専用技である風雷切が。
通常の風の斬撃や雷の斬撃よりも数段上の斬撃刃を放つことが出来る。
中身を鑑定持ち教師から聞いたダイアスは感極まり、ソウスケの両手を握って頭を勢い良く下げた。
「ッ!!??」
「ソウスケ君、本当に有難う!!! 大事に使わせてもらう!!!」
「え、えっと……武器なんで、そこは気にしなくても良いですよ。戦場で存分に振るってあげてください」
戦場で扱ってなんぼの武器なので、丁寧に大事に扱われても困る。
そして無事にダイアスにストラングルを渡し終えると、ダイアスと同じ教師たちから一斉に自分も素材を集めるから是非とも武器を造って欲しいと頼まれた。
だが、ソウスケは今頼まれている分の武器を造り終えたら、元々目標だったダンジョンの攻略を進めたいと思っているので、丁寧に断った。
教師たちの顔は一気に落胆したが、そろそろ上級者向けダンジョンを攻略して三つのダンジョンをコンプリートとしたら別の街に向かおうと考えていた。
なので「ご縁があったらその時には造らせてもらいます」と伝え、学園から去った。
そして、その日の夕食後…………ソウスケは久しぶりにとある場所へと向かっていた。
「これが、俺の……」
ダイアスから渡された素材で一つの魔剣を造り上げた翌日、ソウスケは学園に訪れてダイアスに完成した魔剣を渡した。
勿論、剣だけではなく鞘も付いている。
ソウスケから魔剣を受け取ったダイアスはまるで子供の様に目を輝かせていた。
「……抜いても良いか?」
「ふふ、俺に聞く必要はないですよ。その魔剣は既にダイアスさんの物なんですから」
「そ、そうか……いや、その前に依頼料を渡しておくぜ」
素材に関しては必死で集めたが、それと職人に頼む依頼料はまた別。
「袋の中には金貨五十枚が入ってる筈だ」
「それはどうも。でも、結構な大金ですけど……大丈夫なんですか?」
ダイアスの懐事情が少し心配になったが、それは要らぬ心配だった。
「大丈夫だ。素材集めに行った時、依頼料金分の金も稼いでたからな」
「そうですか。なら、この依頼料は有難く頂きます」
「おう、貰ってくれ。ふぅ……よし、抜くぜ」
周囲には他の教師たちも興味深そうに見ているが、今のダイアスにはそんな視線を気にする余裕はなかった。
「……ッ。これが、ソウスケ君が造ってくれた魔剣か」
「はい、その魔剣はダイアスさんの物です。名前はストラングル……一応風の魔剣ですね」
「風の魔剣か……俺にピッタリだな」
「ダイアス先生、少し失礼しても良いですか?」
「ん? あぁ、構わない。寧ろ視てくれ」
鑑定のスキルを持っている教師がじっくりストラングルを観察し……一つため息を吐いた。
「ふぅーーーー……正直、ダイアス先生が物凄く羨ましいですね。この風の魔剣、ストラングルはランク五です」
「「「「「「ッ!!??」」」」」」
鑑定持ち教師の言葉を聞き、周囲の教師たちは目玉が飛び出そうなほど驚く。
「ら、ランク五って……ま、マジかよ。それは本当なのか!!!」
「えぇ、本当です。この魔剣は、ソウスケさんがお造りになれたのですよね」
「はい。素材はダイアスさんに集めてもらって、その素材で風の魔剣を造りました」
「その歳で見事な腕前ですね。私は魔剣などを使わないのであれですが……同じような武器を使う人たちからすれば、涎を垂らしてしまうほどの一品でしょう」
鑑定持ち教師はストラングルのランクだけではなく、効果や専用技まで視た。
(腕力強化の付与効果に、風結界が使える。加えて、武器を扱う者にとってはこの上なく嬉しい再生の効果まで……エルダートレントの魔石を渡したと言っていましたし、その力が武器に現れたのかもしれませんね)
更に専用技である風雷切が。
通常の風の斬撃や雷の斬撃よりも数段上の斬撃刃を放つことが出来る。
中身を鑑定持ち教師から聞いたダイアスは感極まり、ソウスケの両手を握って頭を勢い良く下げた。
「ッ!!??」
「ソウスケ君、本当に有難う!!! 大事に使わせてもらう!!!」
「え、えっと……武器なんで、そこは気にしなくても良いですよ。戦場で存分に振るってあげてください」
戦場で扱ってなんぼの武器なので、丁寧に大事に扱われても困る。
そして無事にダイアスにストラングルを渡し終えると、ダイアスと同じ教師たちから一斉に自分も素材を集めるから是非とも武器を造って欲しいと頼まれた。
だが、ソウスケは今頼まれている分の武器を造り終えたら、元々目標だったダンジョンの攻略を進めたいと思っているので、丁寧に断った。
教師たちの顔は一気に落胆したが、そろそろ上級者向けダンジョンを攻略して三つのダンジョンをコンプリートとしたら別の街に向かおうと考えていた。
なので「ご縁があったらその時には造らせてもらいます」と伝え、学園から去った。
そして、その日の夕食後…………ソウスケは久しぶりにとある場所へと向かっていた。
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