転生者、有名な辺境貴族の元に転生。筋肉こそ、力こそ正義な一家に生まれた良い意味な異端児……三世代ぶりに学園に放り込まれる。

Gai

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第187話 酔い過ぎ厳禁

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クリスティールたちへの報告会が終わった後、フィリップがしっかりと拳骨を食らいながら……五人は祝勝会を上げに向かった。

「過保護っすね~~、バイロン先生」

個室がある高級店へ向かう途中で、バイロンとシドウと遭遇し、二人も祝勝会に付いてくることになった。

「お前は抜けている様でしっかりしているところもあるが、依頼を受け、達成した祝勝会で酔い過ぎて店に迷惑を掛けるバカもいるのだ」

「酔っ払い過ぎて喧嘩になって、店内で暴れ始めたりとかっすか?」

「……頭の痛いことに、本当にそういった事があった」

バイロンはやらかした生徒の担任ではなかったたが、もし自分の生徒がその様な盛大なやらかしをしてしまったらと思うと……全力でその問題達に拳を振り下ろしたくなる。

「それと、あの依頼を受けたお前たちの感想を聞いておきたい」

「後でバイロン先生たちも確認するんじゃないんすか?」

「生の声でしか得られない情報というのもあるだろう」

適当な個室がある良い店を発見した後、ある程度注文を頼み終わると……早速バイロンとシドウは例の個体に関して尋ね始めた。

「噂ではBランクのモンスターではないかという内容だったが、実際のところはどうだったのだ」

「ん~~~~……途中までは、Aランクに化けるポテンシャルがあるBランクモンスターって感じだったっすね。ガルフたち四人が本気で攻めてもある程度対応出来てたんで」

「つまり、途中まではガルフたちでも対応出来る強さ、だったということだな」

「そっすね。つっても、スキルじゃない再生の力を持ってたんで、根性がある奴らじゃないと途中で心が折れてたかもしれないっすね」

「スキルじゃない、再生力だと?」

前情報の段階では人型であり、複数のモンスターの特徴を併せ持っているという……一般的なモンスターの情報を照らし合わせれば、特性として再生力を持っている様な
個体ではなかった。

そこからイシュドは注文した料理が届く前に、再生力から鬼竜・尖の対応力、学習能力や心臓が二つあること……鼓動をコントロールし、身体能力を爆上げした技術までを軽く説明した。

「失礼します……?」

料理を持ってきた従業員が中へ入ると、約一名以外は思い詰めている……もしくは暗い雰囲気になっていたりと、どんな会話をしていたのか気になる空気感が漂っていた。

そして従業員が全ての料理をテーブルに置き、退室した後……バイロンはゆっくりと口を開いた。

「……まずは、食事をしよう」

「そうだぜお前ら。祝勝会なんだから、食って食って食いまくろうぜ!!」

先日、酒場でも腹八分目など気にせず大食いしたイシュドだが、祝勝会は何度やっても楽しく……その時に得たカロリーなど、既に消化済みだった。

「だな。ほら、ガルフも冷めちまう前に食おうぜ」

「うん、そうだね」

先日の結果に思うところがある面々たちも、目の前の料理を冷ましてしまうのは勿体ないと思い、豪華な夕食を食べ始めた。

「しかし……結果として、鬼竜・尖という個体はAランククラスまで成長したという訳だな」

「最大火力はAランクの中でもトップクラスだったんじゃないっすか? 最後にお互い正拳突きを放ったんすけど、多分ミスリルゴーレムとかがあれを食らったら、余裕で貫通してたと思うっすよ」

「っ、ミスリルゴーレムの防御力を余裕で貫通する攻撃力、か……相手が土竜などであっても仕留めそうな一撃だな」

「Bランクの土竜とかなら、マジでワンパンだったんじゃないっすか。実際、撃ち合った俺の右腕の骨、超バキバキに折れたっすからね」

イシュドの骨がバキバキに折れた。
その内容にほんの少しだけ驚きが零れるバイロンとシドウ。

だが、二人とも先にミスリルゴーレムを余裕で貫通する一撃と聞いていたため、その結果にある程度納得は出来た。

「……結果、仕留めることは出来たんだな」

「勿論すよ。いやぁ~~~~、マジで最高だったっすね~~~~」

(相変わらず常人と違って壊れているところがあるな……それがイシュドの強味であるのかもしれないが)

鬼竜・尖との超打撃戦を思い出し、愉悦が含まれている笑みを浮かべるイシュド。

そんな笑みを浮かべる教え子を見て、若干呆れ顔になるバイロン。
教師としては、もっと自分の身を大切にしてほしいというのが本音。

ただ、イシュドにとってそんな教師の生徒思いな考えは……馬の耳に念仏である。

「はぁ~~~~~~~~……お前たちがその依頼を受けて正解だったと思うべきか、学園側が正確にその個体に関して予測出来てなかったことを悔やむべきか……」

「まぁまぁバイロン先生。一応生徒たちの祝勝会なんですから、あまり辛気臭い顔をしてはダメですよ」

「……それもそうだな、シドウ先生」

「それと、一意見ですが自分はイシュド君たちが遭遇しておいて良かったと思いますよ」

あるタイミングまでならガルフたちに討伐出来るチャンスがあり、いざとなればイシュドという最強の切り札がいるから……といった単純な理由ではない。

「だって、その鬼竜・尖という個体……もし、イシュド君たちと遭遇するのがもっと後だったら、Aランクの並みの強さ、というのが平均値になっていた筈です」

シドウの考えに、最後の最後に鬼竜・尖と戦ったイシュドが同意した。

「シドウ先生の言う通りっすね。最後、鬼竜・尖が持ってたロングソードが折れてたんで、向こうのやり方に沿って俺も素手で戦りあったっすけど、あれだけセンスがあって学習能力がある個体がAランクまで成長したら……メイン武器の戦斧を使っても、勝てないんじゃないっすかね」

「「「「っ!!!!????」」」」

勝てないかもしれない。
その言葉をイシュドが口にしたということもあり、ガルフたち四人は無意識に食事の手を止めてしまった。

「ん? おいおい、な~に固まってんだよお前ら」

「え、あ……いや、なんつ~か。ちょっと意外だったからよ」

「俺が勝てないって宣言するのがか?」

「お、おう」

「だって考えてみろよ。あの時点で、行動をコントロールして身体能力を爆上げして、バーサーカーソウルを使った俺の動きに全然付いてきてたんだぜ」

素の身体能力が向上すれば、そこに強化した幅がプラスされる。

子供でも分かる単純な内容。
だが、その単純な内容を改めて認識した四人の脳裏に……Sランクという単語が思い浮かび、思わずフォークやスプーンを落しそうになった。
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