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少年期[626]はじける美味さ
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「ボス戦の圧勝を祝って、乾杯!!!」
「「乾杯!!」」
素材の解体を解体士たちに行ってもらい、素材の査定が終了したゼルートたちは泊っている宿屋で豪勢に料理を頼んでいた。
「……うん、ヤバい。マジで美味過ぎる……語彙力が無くなってしまう美味さだ」
今回の夕食は宿の料理人に頼み、エボルサーペントの肉を使用して貰った。
早速口の中にエボルサーペントの肉を入れて実食。
言葉通り、語彙力が無くなってしまう程の美味さを秘めていた。
(単純に美味過ぎるってのもあるんだけど、この口の中で美味さが弾けるような感覚……堪らないな)
雷属性を秘めている魔物によくある感覚なのだが、ゼルートはそれがとても気に入った。
「こんな味だったわね……最高ね。こんなに高レベルの味を持つモンスターを定期的に狩れるなんて……夢の様な状態だわ」
「激しく同意だ。他の街に移る前に、もう数体程狩っておきたい」
二人共エボルサーペントの味に大満足。他の料理にも勢い良く手が伸び、大量にあった料理はあっという間になくなった。
「……まだいけそうな」
今日はまだまだ食べられそうだと思い、追加で料理を注文する。
ゼルートたちだけではなく、裏で従魔同士で盛り上がっているゲイルたちも追加で注文を頼み、お互いに気分は最高潮に達していた。
「ゼルート、今日は随分と上機嫌ね」
「そうか? エボルサーペントの肉が美味かったからじゃないか?」
特にそれ以外の理由は見当たらない。
今日の衝撃はエボルサーペントの肉の美味さ……今日一日を思い返すが、それ以外の理由は思いつかない。
(本当に美味かった……俺は他の肉料理も美味いって感じるからあれだけど、他の人だとエボルサーペントの肉料理を食べた後に低ランクの肉料理を食べたら、不満がボロボロ出そうだ)
ゼルートが考えている通り、そういった例はかなり多い。
高ランクの魔物の肉は、大抵どれも美味い。
肉に毒が染み込んでいる魔物の肉でも、熱消毒すれば美味い肉へと変化する。
そんな肉に舌が慣れた後に低ランクの魔物の肉を食べれば、多くの人は不満が出てしまう。
「まぁ、上機嫌になるのも解る美味しさよね。料理は料理人の腕によって大きく変わるけど……素材がこれほど高いと、下手に素人が手を加えない方が良いレベルよね」
三人が泊っている宿の料理人たちはそれなりに腕が立つ。
だが、素材のレベルが高ければ、下手に手を加えない方が良いということを理解している。
なので、エボルサーペントの肉を調理する時、Aランクの魔物の肉を調理することなど滅多にないので、過去一で緊張していた。
(アレナの言う通り、単純に焼肉にしても美味いからな……てか、未だに周囲からの視線が多いな)
アレナとルウナが美人だから……という理由では無く、三人の会話から食べている料理の肉がエボルサーペントの物だと解かったからだ。
「料理は美味いのだが、周囲からの視線が鬱陶しいな。飯ぐらい周囲を気にせず食べれば良いものを」
「それは無理って話よ。匂いだけでも食欲をそそるのよ。気になって気になって仕方ないでしょ」
三人が泊っている宿はそれなりにランクが高いが、BやAランクの魔物の肉を扱うことは滅多にない。
そしてエボルサーペントの肉を扱った料理を食べるには、それなりの大金が必要になる。
中に入る客は基本的に正装している。
そんなレストランの料理にしか現れない。
それに、エボルサーペントは高ランクの冒険者が大勢集まったとしても、簡単に倒せる魔物ではない。
クラン内で優秀な冒険者を集めても、進化していればそれだけで勝利できる確率が下がる。
「エボルサーペントは十人以上の冒険者が集まっても、無傷で倒せる魔物じゃない。討伐に成功したとしても、重症者や死者が現れてもおかしくない強敵よ」
「……今回が上手くいき過ぎたからか、あまり自覚がないな」
「俺もだ。でも……才能の壁を感じるであろう魔物ってのは理解出来たかな」
一般人が本気で努力を重ね、辿り着けるランクがC。
それより上のBやAランクに辿り着くには、それ相応の才能が必要になってくる。
エボルサーペントはその差を感じさせる魔物だった。
「「乾杯!!」」
素材の解体を解体士たちに行ってもらい、素材の査定が終了したゼルートたちは泊っている宿屋で豪勢に料理を頼んでいた。
「……うん、ヤバい。マジで美味過ぎる……語彙力が無くなってしまう美味さだ」
今回の夕食は宿の料理人に頼み、エボルサーペントの肉を使用して貰った。
早速口の中にエボルサーペントの肉を入れて実食。
言葉通り、語彙力が無くなってしまう程の美味さを秘めていた。
(単純に美味過ぎるってのもあるんだけど、この口の中で美味さが弾けるような感覚……堪らないな)
雷属性を秘めている魔物によくある感覚なのだが、ゼルートはそれがとても気に入った。
「こんな味だったわね……最高ね。こんなに高レベルの味を持つモンスターを定期的に狩れるなんて……夢の様な状態だわ」
「激しく同意だ。他の街に移る前に、もう数体程狩っておきたい」
二人共エボルサーペントの味に大満足。他の料理にも勢い良く手が伸び、大量にあった料理はあっという間になくなった。
「……まだいけそうな」
今日はまだまだ食べられそうだと思い、追加で料理を注文する。
ゼルートたちだけではなく、裏で従魔同士で盛り上がっているゲイルたちも追加で注文を頼み、お互いに気分は最高潮に達していた。
「ゼルート、今日は随分と上機嫌ね」
「そうか? エボルサーペントの肉が美味かったからじゃないか?」
特にそれ以外の理由は見当たらない。
今日の衝撃はエボルサーペントの肉の美味さ……今日一日を思い返すが、それ以外の理由は思いつかない。
(本当に美味かった……俺は他の肉料理も美味いって感じるからあれだけど、他の人だとエボルサーペントの肉料理を食べた後に低ランクの肉料理を食べたら、不満がボロボロ出そうだ)
ゼルートが考えている通り、そういった例はかなり多い。
高ランクの魔物の肉は、大抵どれも美味い。
肉に毒が染み込んでいる魔物の肉でも、熱消毒すれば美味い肉へと変化する。
そんな肉に舌が慣れた後に低ランクの魔物の肉を食べれば、多くの人は不満が出てしまう。
「まぁ、上機嫌になるのも解る美味しさよね。料理は料理人の腕によって大きく変わるけど……素材がこれほど高いと、下手に素人が手を加えない方が良いレベルよね」
三人が泊っている宿の料理人たちはそれなりに腕が立つ。
だが、素材のレベルが高ければ、下手に手を加えない方が良いということを理解している。
なので、エボルサーペントの肉を調理する時、Aランクの魔物の肉を調理することなど滅多にないので、過去一で緊張していた。
(アレナの言う通り、単純に焼肉にしても美味いからな……てか、未だに周囲からの視線が多いな)
アレナとルウナが美人だから……という理由では無く、三人の会話から食べている料理の肉がエボルサーペントの物だと解かったからだ。
「料理は美味いのだが、周囲からの視線が鬱陶しいな。飯ぐらい周囲を気にせず食べれば良いものを」
「それは無理って話よ。匂いだけでも食欲をそそるのよ。気になって気になって仕方ないでしょ」
三人が泊っている宿はそれなりにランクが高いが、BやAランクの魔物の肉を扱うことは滅多にない。
そしてエボルサーペントの肉を扱った料理を食べるには、それなりの大金が必要になる。
中に入る客は基本的に正装している。
そんなレストランの料理にしか現れない。
それに、エボルサーペントは高ランクの冒険者が大勢集まったとしても、簡単に倒せる魔物ではない。
クラン内で優秀な冒険者を集めても、進化していればそれだけで勝利できる確率が下がる。
「エボルサーペントは十人以上の冒険者が集まっても、無傷で倒せる魔物じゃない。討伐に成功したとしても、重症者や死者が現れてもおかしくない強敵よ」
「……今回が上手くいき過ぎたからか、あまり自覚がないな」
「俺もだ。でも……才能の壁を感じるであろう魔物ってのは理解出来たかな」
一般人が本気で努力を重ね、辿り着けるランクがC。
それより上のBやAランクに辿り着くには、それ相応の才能が必要になってくる。
エボルサーペントはその差を感じさせる魔物だった。
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