冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

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少年期[889]本当は?

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「ねぇ、ゼルート」

「なんだ、ラーム」

「なんでこの人が、最後何かやるまで待たなかったの?」

ラームの言葉に、少し言葉が詰まる。

詰まったが、特に隠すことでもないので、正直に話した。

「……理由は分からないけど、ヤバいって思ったんだ」

「ヤバいって、ゼルートが?」

「そうだな。本当に理由は分からないんだが、強い危機感を感じた。この爺さんがさっき使った、召喚魔法とは別の……本能に警報が呼び掛けてくるような脅威を感じた」

上手く言葉に出来ない危機感を感じ、即座に殺した。

その判断が間違いだったとは思わない。
ただ、ラームの質問通り、自分でも何故本能的に悪足搔きをする前に殺したのか疑問に思った。

(なんで、最後の悪足搔きを待たずに殺したんだろうな……あの爺さんは最後、何をしようとしたんだ?)

自分の頭でその疑問について考えながらも、一先ず老人の脳内を読み取り始めた。

(…………この集団だけで、行ってたのか。いや、元は辿れば爵位や権力を持つ者たちの恨みによって集まった集団、か……っ!!! そういう事だったのか)

怪しい集団のトップである老人の記憶を読み取る中で、最後に悪足搔きをしようとした内容が、どんなものだったのか解かり、ゼルートはゾッとした。

まさかの内容に、冷や汗が湧き出た。

「ふぅ~~~……恐ろしい事しようとしたもんだ」

「何が分かったの?」

「この爺さん、最後の最後に自分の命を代償にして、もともと召喚しようとしてた悪神か邪神かを召喚しようとしてたんだ」

「えっ!!?? で、でもそれをするには、何かしらの儀式が必要なんでしょ?」

「あぁ、そうだな。普通はな……でも、この爺さんは自分の全てを代償に、ほんの数分……もしくは数十秒だけ、その化け物を一時的に召喚しようとした」

「あっ、なんだ。数分から数十秒だけか」

「だけって……もうちょい焦るだろ」

老人の記憶を読み取ったからこそ、ゼルートは先程感じた強烈な危機感を理解し、納得した。

「だって、ゼルートとならそういった敵が相手でも、勝てるでしょ?」

「邪神か悪神……とりあえず神と名の付く化け物だぞ。まだまだ成長中だが、勝てる保証なんてない」

怪しい集団が召喚しようと目論んでいた化け物が、いったいどれ程の強さを有しているのかなど、解るわけがない。

だが、仮にも神である化け物に勝てる自信はさすがになく、全ての切り札を使えば、時間切れになるまでの時間は稼げる……かもしれない。

「ふ~~~ん。けどさ、本当にこいつらは、その邪神か悪神かを召喚できたのかな?」

「……なんでそう思うんだ」

自分の本能、直感を信じたいところだが、ラームの疑問は聞いておきたかった。

「えっと、その……あれだよ。単純に人を何人も犠牲にするだけで、神を召喚出来るのかと思って」

「…………最もな理由だな」

ゼルートの頭の中には、ホルーエンでどういった人たちが消えたのか、という情報が集められる限り入っていた。

そしてアジトに突入してから感じた気配の数は、五十すら越えていない。
到底……それらを代償、生贄にしたところで、神を召喚できると思えない。

「……怪しい集団、全員の命を含めても、召喚するのは……無理か」

「それこそ、数分から数十秒? ぐらいは一時的に召喚出来たかもね」

「完全に召喚するには、少なくとも高位貴族や高ランク冒険者を何十人……もしくは、何百人と犠牲にしてようやくか」

「それでも、一日とか数日とかの間じゃないかな?」

「全然ありえそうだな」

チート要素満載なゼルートでも、神を召喚することは不可能。
元よりそんなことするつもりはないが、絶対に無理としか思えない。

(でも、それじゃこいつらが召喚しようとしてたのはいったい……神の成りそこない? それとも過去に暴れ回った悪獣以上の災害その物と呼べる魔物?)

幾ら考えても「これだ!!」と思う内容が浮かばない為、ひとまず儀式に使う予定だったであろう台座や魔法陣を全て破壊し始めた。
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