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兄の物語[133]昔から変わらない目標
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「お疲れ様、二人とも」
「お疲れ~~い。いやぁ~~、良い戦いだったんじゃねぇの? なぁ、後で俺とも戦ろうぜ、ダン」
「バルガス、まずは休ませてあげなさい」
姉から労いの言葉を貰い、クライレットのパーティーメンバーからは、次は自分と戦わないかと提案される。
よく周りを見れば……自分とクライレットの戦いを観戦していた冒険者たちの見る眼が、以前と違うことに気付いた。
(……少しは、変われたのかもしれないな)
目的に近づけたのかもしれないと思うと、自然と笑みが零れた。
「良い戦いだったのかもしれねぇけど、なんか聞いてたよりちょっと覇気? みたいなのが足りない感じだったな、カルディア」
「ジェリス……どうしてお前はいつもいつも余計な事を…………とはいえ、少し俺も同じ事を思った。聞いていた話と比べて、荒々しい牙がないなと感じた」
やらかしてしまうまでのダンの方が良かった、という話ではない。
ただ、上を目指す冒険者が醸し出す鋭い牙を感じなかった。
そこに関してはジェリスとカルディアだけではなく、バルガスやペトラも言葉には出さなかったが、同じ事を思っていた。
「そうか……確かに、そう思われるかもしれないな……俺に足りなかったのは、冷静に物事を判断する力だった。パーティーのメンバーにそれぞれ役割があるにしても、何も考えなくて良い訳ではない。冒険者としての活動を自粛してから、何度も何度も教えられ、当たり前の事だが、ようやくその判断力の大切さを感じられるようになった気がする」
「なるほどな。確かに、それは間違いない。ほんの少しでもそういった判断力があれば、後衛の気苦労も少なくなるというものだ」
「「うぐっ!!」
カルディアの言葉に、約二名がうめき声を上げた。
「だから、他の奴から見たら、そう思うのかもしれないな」
「その口ぶりから察するに、牙が消えたという訳ではないのね」
「当然だろ。もう……変なこだわりを持つのは止めた。ただ、両親に追い付きたい、負けたくないという思いは、昔も今も変わらない、俺の目標だ」
ダンの両親とは、現在も現役Aランク冒険者として活動しているグレイスとコーネリア。
そんな自慢の両親のランクまで登りたい、本当の意味で隣に立ちたい。
それは純粋なダンの変わらない目標だった。
「……どうやら、俺たちが勘違いしていただけだったみたいだな」
「みたいね」
昔も今も変わらない目標を語るダンの眼は非常にギラついており、餓狼の如く求めていた。
(ん~~~…………少し前衛過多かもしれないが、割とほしいな)
この後、本当にバルガスはダンと模擬戦を行い、ペトラたちも昼間で訓練を行い……昼食時は全員で飯を食べた。
その間も、カルディアはダンの勧誘、どうやってジェリスを説得しようか考えていた。
(やはり、普通に提案すべきか? ジェリスもダンの実力は認めている筈。それに、Aランク冒険者を目指すという目標は一致している……問題は、そこまで俺がグレイスさんたちと交流がないことぐらいか)
クライレットは親友、元パーティーメンバーの息子ということもあり、最初から一定以上の信頼感を持たれていた。
だが、カルディアたちは殆ど面識がない。
(…………そうだな。まず、話を伝えるだけ伝えておこう。勿論、ダンがこちらの提案を受けてくれるかというのもあるが、先にその気があるのが前提条件になるがな)
冒険者には冷静さも必要だが、時に必要以上に怯えず勇気を持って行動することも必要。
ダンはその日の夜にはパーティーメンバーであるジェリスに相談。
「前衛があたしだけじゃ不満なわけ?」
そういった面倒な反応をされるも、あれよこれよとジェリスの頭では上手く返せる言葉が出てこない現実的な問題を
突き付けて説得に成功し、見事第一関門を突破した。
「お疲れ~~い。いやぁ~~、良い戦いだったんじゃねぇの? なぁ、後で俺とも戦ろうぜ、ダン」
「バルガス、まずは休ませてあげなさい」
姉から労いの言葉を貰い、クライレットのパーティーメンバーからは、次は自分と戦わないかと提案される。
よく周りを見れば……自分とクライレットの戦いを観戦していた冒険者たちの見る眼が、以前と違うことに気付いた。
(……少しは、変われたのかもしれないな)
目的に近づけたのかもしれないと思うと、自然と笑みが零れた。
「良い戦いだったのかもしれねぇけど、なんか聞いてたよりちょっと覇気? みたいなのが足りない感じだったな、カルディア」
「ジェリス……どうしてお前はいつもいつも余計な事を…………とはいえ、少し俺も同じ事を思った。聞いていた話と比べて、荒々しい牙がないなと感じた」
やらかしてしまうまでのダンの方が良かった、という話ではない。
ただ、上を目指す冒険者が醸し出す鋭い牙を感じなかった。
そこに関してはジェリスとカルディアだけではなく、バルガスやペトラも言葉には出さなかったが、同じ事を思っていた。
「そうか……確かに、そう思われるかもしれないな……俺に足りなかったのは、冷静に物事を判断する力だった。パーティーのメンバーにそれぞれ役割があるにしても、何も考えなくて良い訳ではない。冒険者としての活動を自粛してから、何度も何度も教えられ、当たり前の事だが、ようやくその判断力の大切さを感じられるようになった気がする」
「なるほどな。確かに、それは間違いない。ほんの少しでもそういった判断力があれば、後衛の気苦労も少なくなるというものだ」
「「うぐっ!!」
カルディアの言葉に、約二名がうめき声を上げた。
「だから、他の奴から見たら、そう思うのかもしれないな」
「その口ぶりから察するに、牙が消えたという訳ではないのね」
「当然だろ。もう……変なこだわりを持つのは止めた。ただ、両親に追い付きたい、負けたくないという思いは、昔も今も変わらない、俺の目標だ」
ダンの両親とは、現在も現役Aランク冒険者として活動しているグレイスとコーネリア。
そんな自慢の両親のランクまで登りたい、本当の意味で隣に立ちたい。
それは純粋なダンの変わらない目標だった。
「……どうやら、俺たちが勘違いしていただけだったみたいだな」
「みたいね」
昔も今も変わらない目標を語るダンの眼は非常にギラついており、餓狼の如く求めていた。
(ん~~~…………少し前衛過多かもしれないが、割とほしいな)
この後、本当にバルガスはダンと模擬戦を行い、ペトラたちも昼間で訓練を行い……昼食時は全員で飯を食べた。
その間も、カルディアはダンの勧誘、どうやってジェリスを説得しようか考えていた。
(やはり、普通に提案すべきか? ジェリスもダンの実力は認めている筈。それに、Aランク冒険者を目指すという目標は一致している……問題は、そこまで俺がグレイスさんたちと交流がないことぐらいか)
クライレットは親友、元パーティーメンバーの息子ということもあり、最初から一定以上の信頼感を持たれていた。
だが、カルディアたちは殆ど面識がない。
(…………そうだな。まず、話を伝えるだけ伝えておこう。勿論、ダンがこちらの提案を受けてくれるかというのもあるが、先にその気があるのが前提条件になるがな)
冒険者には冷静さも必要だが、時に必要以上に怯えず勇気を持って行動することも必要。
ダンはその日の夜にはパーティーメンバーであるジェリスに相談。
「前衛があたしだけじゃ不満なわけ?」
そういった面倒な反応をされるも、あれよこれよとジェリスの頭では上手く返せる言葉が出てこない現実的な問題を
突き付けて説得に成功し、見事第一関門を突破した。
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