冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai

文字の大きさ
1,012 / 1,083
連載

少年期[1034]無視は出来ない

しおりを挟む
「何を「何をおかしなこと言うんですか、なんてくだらない事を言うなよ」ッ……」

ゼルートが自分のストーキングに気付いていた事に、ほんの少し動揺が零れる赤髪マッシュ魔法使い。

「魔法使いのくせに隠密行動の自信があるのか、それとも隠密効果が付与されたマジックアイテムを信用してるのか否かは知らんけど、世の中お前より優れた隠密能力を持つ奴は珍しくないんだよ」

顔……ゼルートは裏の世界でも、トップクラスの実力を持つ暗殺者に狙われたことがあった。
その実力はゼルートが枷を外さなければ危ないと感じるほどの猛者であり、隠密力もずば抜けていた。

そんな過去ゼルートが出会った猛者の中でも隠密力だけならトップの人物に比べれば、本当に赤髪マッシュのストーキング力な児戯に等しい。

「なんで、どんな理由でわざわざ俺をストーキングしてきたのかは知らん。ただ、俺はストーキングしてくる様な奴のお勧めなんて聞きたくないし、今すぐお前にはここから出て行ってほしい気分だ」

「ッ、それは……いくらなんでも横暴な考えではないでしょうか」

「そんな事を解ってるから、実力行使をせず口で伝えただけだろ」

「そうね。ゼルートは、ただ願望を口にしただけよ」

「うむ。ストーキング野郎がいる場で、自分たちがどういった仕事を選ぼうとしているのか、知られたくないと思うのは当然だろう」

ゼルート……その単語が聞こえた瞬間、ギルド職員たちの表情が僅かに変化。

(今、ゼルート……と言ったよな?)

(人族の美しい女性に、獣人族の美女。そして、金髪の……まだ青年になり切れていない少年)

(ゼルート……本当に、あのゼルートであるならば)

職員の一人が、早歩きでギルドの外へと向かう。

別の国で起きた一件ではあるが、中堅レベルの都市の冒険者ギルドに在籍している職員であれば、ある程度の内容は把握している。

ゼルートという冒険者は人族と獣人族の美女と共に行動しており、紅いリザードマンに加えて雷竜の子供にスライムといった三体の従魔とも共に行動している。

故に、本当に今自分たちのギルドにいるゼルートという名の冒険者があのゼルートであるならば、外にはその三体の従魔がいる筈。
職員の一人がそれを確認しに行き……戻ってくると、他の従業員にジェスチャーで「あれは本物のゼルートだ」と伝えた。

「「「「「…………」」」」」

ギルド職員たちは表情を見合わせ、こくりと頷き、行動に移す。

「っ!? な、なんなんだお前たち!!」

「魔塔の人間であろうと、冒険者に迷惑を掛ける行為は止めて頂きたい」

二人の比較的ガタイの良いギルド職員が赤髪マッシュの腕を掴み、外へ連行。

「私が用があるのはお前たちではない!!!」

「その人物が嫌がっているでしょう。まぁ、冒険者ギルドと対立したいのであれば、魔法を発動しても良いのではないですか」

「ぐっ!!!」

パルブン王国内では、魔塔の存在感、影響力はすさまじい。

だが、だからといって、冒険者ギルドの力が他国と比べて圧倒的に弱いという訳ではない。
魔塔に所属する魔法使いたちも実戦に出ることは多く、冒険者ギルドの様に依頼を申し込まれることもある。

とはいえ、実戦を経験する頻度は断然冒険者の方が多く、その戦力は決して無視出来ない。

加えて…………ゼルートは、他国の冒険者である。
有名で立場もある冒険者であるため、自国に戻った際……パルブン王国の国外に行った際に、パルブン王国の冒険者ギルドは……バディスタの冒険者ギルドはあれこれと、あまりよろしくない話を流されてはたまったものではない。

そして……やや傲慢な様子が見える赤髪マッシュも、冒険者ギルドの訓練場以外で緊急時でもない時に魔法を発動すればどうなるか解らない程バカではなく、結果的に大人しく外に追い出され……中に戻ってくることはなかった。
しおりを挟む
感想 685

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜

日々埋没。
ファンタジー
​「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」  ​かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。  その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。  ​レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。 ​ 地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。 ​「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」  ​新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。  一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。  ​やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。  レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。