1,022 / 1,083
連載
少年期[1044]再認識と理解
しおりを挟む
「てめぇ!!! まだ言うかッ!!!!」
「何度でも言うに決まっているでしょう。あなた達があれだけ自信満々に大丈夫だというから付いて行ったものを……結果、全滅しかけたじゃありませんか」
(自信満々に、ね……)
ゼルートは一応冒険者同士のマナーとして、鑑定眼は使用せずにガルモと共に行動していた冒険者たちを視た。
(……………………どう、なんだろうな。糸の採集だけなら問題無さそうだし、武器の質と実力が不釣り合いっていう事もなさそうだけど……でも、ブラッドタラテクトと戦うってなったら……このガルモって魔法使いの実力を加味しても、勝率は五割を越えなさそうだな)
勝率は五割は越えなさそうというゼルートの考えは、ガルモと冒険者たちがブラッドタラテクト一体と戦うと仮定した場合の話。
そこにブラッドタラテクトが生んだ多数の子蜘蛛が加わった場合、勝率は間違いなくゼロである。
「うるせえ!!!! そもそも……てめぇらの対応が悪ぃんだろうが!! 忘れたとは言わせねぇぞ。逃げた方が良いって進言した冒険者を無視したてめぇら魔塔のバカが暴走した事件をな!!!!」
「むっ」
(暴走した事件? 冒険者たちが、自分たちの実力や探索力を多少盛ってたのかと思ってたけど……なんか、ちょっと事情がありそうだな)
ぶっちゃけた話、ゼルートたちにとっては本当にどうでも良い話である。
ゼルートからすれば、捕まっていたガルモたちを救出出来て、、ブラッドタラテクトの糸も手に入れられることが出来てめでたしめでたしである。
ただ……なんとなく、知っておいた方が良い話のように感じた。
「魔塔の魔法使いが、暴走…………昔、チラッと聞いたことがあるような」
「知ってるのか、アレナ」
「本当に昔、ちょっと聞いたことがあるだけよ。冒険者の忠告を無視して目的のために進んだ魔塔の魔法使いのせいで、結果的に魔物たちの暴走で一歩対応が遅れていれば、街が壊滅していてもおかしくなかった」
「ふ~~~ん。確かにバカだとは思うけど……それだけなのか?」
「これも噂程度に聞いた話だけど、その後に魔塔の魔法使いが冒険者ギルドや魔塔に嘘の情報を流して、生き残った冒険者たちに罪を擦り付けようとしたって」
魔塔に所属している人間からすれば、怒鳴り散らしてでも否定したい内容。
だが……ガルモは思い出しながら口にするアレナの話に対して、特に否定しようとはせず……ただ沈黙を貫く。
(その人は、割と性格が終わってた人なのかもな)
ガルモが沈黙を貫く様子から、やらかしてしまった魔法使いの性格がよろしくないのは割と知れ渡っていた。それを知っていたからこそ、ガルモとしてもアレナが口にした話を否定出来ない……というゼルートの予想は、ドンピシャで当たっていた。
「そうなんだよ! だから、もしここで断ったらって思っても仕方ないだろ!!!」
ゼルートに近づき、案に自分たちの味方になってくれと伝えてくる冒険者たち。
「………………まっ、平民から見た貴族に対するイメージに近いものなのかもな」
ここで、とりあえず「あなたも貴族なのよ?」とツッコむのは控えたアレナ。
「ん~~~~~~…………俺は、一応あんた達にとっては第三者だ。だから、あんまりあれこれ言えない。ただ、何か伝えるとしたら……まず、ガルモさんは冒険者たちから魔塔に所属してる人間がどう思われてるから、再認識した
方が良い」
「…………あぁ、承知した」
「んで、あんた達の考えも解らなくもないけど、魔塔に所属してる人間の中にも、ガルモさんみたいに冷静に退くという判断が出来る人がいるんだと……そこも解ってあげてほしいかな」
「……チッ! 解ったよ………………今回は、俺らが悪かった」
パーティーのリーダーも、ゼルートという名の冒険者の噂は聞いたことがあり、そんな有名人がここまで自分に優しく諭そうとしてるということもあり……今回は素直に怒りの矛先を収めることにした。
「何度でも言うに決まっているでしょう。あなた達があれだけ自信満々に大丈夫だというから付いて行ったものを……結果、全滅しかけたじゃありませんか」
(自信満々に、ね……)
ゼルートは一応冒険者同士のマナーとして、鑑定眼は使用せずにガルモと共に行動していた冒険者たちを視た。
(……………………どう、なんだろうな。糸の採集だけなら問題無さそうだし、武器の質と実力が不釣り合いっていう事もなさそうだけど……でも、ブラッドタラテクトと戦うってなったら……このガルモって魔法使いの実力を加味しても、勝率は五割を越えなさそうだな)
勝率は五割は越えなさそうというゼルートの考えは、ガルモと冒険者たちがブラッドタラテクト一体と戦うと仮定した場合の話。
そこにブラッドタラテクトが生んだ多数の子蜘蛛が加わった場合、勝率は間違いなくゼロである。
「うるせえ!!!! そもそも……てめぇらの対応が悪ぃんだろうが!! 忘れたとは言わせねぇぞ。逃げた方が良いって進言した冒険者を無視したてめぇら魔塔のバカが暴走した事件をな!!!!」
「むっ」
(暴走した事件? 冒険者たちが、自分たちの実力や探索力を多少盛ってたのかと思ってたけど……なんか、ちょっと事情がありそうだな)
ぶっちゃけた話、ゼルートたちにとっては本当にどうでも良い話である。
ゼルートからすれば、捕まっていたガルモたちを救出出来て、、ブラッドタラテクトの糸も手に入れられることが出来てめでたしめでたしである。
ただ……なんとなく、知っておいた方が良い話のように感じた。
「魔塔の魔法使いが、暴走…………昔、チラッと聞いたことがあるような」
「知ってるのか、アレナ」
「本当に昔、ちょっと聞いたことがあるだけよ。冒険者の忠告を無視して目的のために進んだ魔塔の魔法使いのせいで、結果的に魔物たちの暴走で一歩対応が遅れていれば、街が壊滅していてもおかしくなかった」
「ふ~~~ん。確かにバカだとは思うけど……それだけなのか?」
「これも噂程度に聞いた話だけど、その後に魔塔の魔法使いが冒険者ギルドや魔塔に嘘の情報を流して、生き残った冒険者たちに罪を擦り付けようとしたって」
魔塔に所属している人間からすれば、怒鳴り散らしてでも否定したい内容。
だが……ガルモは思い出しながら口にするアレナの話に対して、特に否定しようとはせず……ただ沈黙を貫く。
(その人は、割と性格が終わってた人なのかもな)
ガルモが沈黙を貫く様子から、やらかしてしまった魔法使いの性格がよろしくないのは割と知れ渡っていた。それを知っていたからこそ、ガルモとしてもアレナが口にした話を否定出来ない……というゼルートの予想は、ドンピシャで当たっていた。
「そうなんだよ! だから、もしここで断ったらって思っても仕方ないだろ!!!」
ゼルートに近づき、案に自分たちの味方になってくれと伝えてくる冒険者たち。
「………………まっ、平民から見た貴族に対するイメージに近いものなのかもな」
ここで、とりあえず「あなたも貴族なのよ?」とツッコむのは控えたアレナ。
「ん~~~~~~…………俺は、一応あんた達にとっては第三者だ。だから、あんまりあれこれ言えない。ただ、何か伝えるとしたら……まず、ガルモさんは冒険者たちから魔塔に所属してる人間がどう思われてるから、再認識した
方が良い」
「…………あぁ、承知した」
「んで、あんた達の考えも解らなくもないけど、魔塔に所属してる人間の中にも、ガルモさんみたいに冷静に退くという判断が出来る人がいるんだと……そこも解ってあげてほしいかな」
「……チッ! 解ったよ………………今回は、俺らが悪かった」
パーティーのリーダーも、ゼルートという名の冒険者の噂は聞いたことがあり、そんな有名人がここまで自分に優しく諭そうとしてるということもあり……今回は素直に怒りの矛先を収めることにした。
462
あなたにおすすめの小説
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。