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四十五話 傭兵や暗殺者になれた?
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「カバディ!!!」
「ッ!!!!」
リーゼたちがジェネラルと戦っている中、クランドは非常に楽しそうな表情で戦場を駆けまわっていた。
グレートウルフは体が大きいが、狼の様な敏捷性は失っていない。
だからこそ人にとって強大で厄介な存在なのだが、グレートウルフからすれば……自分以上の速さを持っているかもしれない。
加えて、その攻撃力は侮れない。
更に……体が小さい。
それらの理由から、グレートウルフは戦い始めてから一分弱で、クランドが嫌な敵だと思い始めた。
体が小さいということは、中々攻撃が当て辛い。
クランドは並の軽剣士や武道家よりも足が速いので、グレートウルフの爪撃は今のところ、全て空ぶりに終わっている。
「カバディ」
だが、クランドの攻撃はグレートウルフを捉え、確実にダメージを与えていた。
グレートウルフの毛皮は並の剣や槍では刃が通らず、コボルトジェネラルと同じく、魔法にも多少耐性がある。
しかし、全身に魔力を纏えるのはクランドも同じ。
クランドの場合、更に両手両足に土の魔力を変換し、岩の手甲と脚甲を纏うことで、更に攻撃力を増加。
槍の才能だけではなく、魔法の才能が殆どないと解った日から……槍と同じく、魔法に関しての鍛錬を怠ったことはない。
そのため、纏う岩の強度も徐々に上がっている。
先程特大ホームランをかましたコボルトリーダーの様にぶっ飛ばすことは出来ないが、確実に体内へ衝撃を与えている。
骨に罅が入るまではいかないが、同じ個所を狙って攻撃していけば、骨を砕くまでそう時間は掛からない。
(良いな、ゾクゾクするな!!!!)
クランドには鬼心開放という強い手札があるが、そう簡単には切らない。
あまり長い間発動出来ないなど、多少でメリットがあるというのが主な理由だが、今回は……それを使ってしまうと、死合いを楽しめない。
そういった理由から、鬼心開放を使わずにグレートウルフと命懸けのバトルを行っている。
傍から見ればアホだと思われるだろう。
従者のリーゼも、他人が主人のことを死にたがりだと断言するのを、訂正しようとは思わない。
クランドのその考えは、そう思われても仕方ない。
「カバディ!!」
「っ!? グルゥァアアアッ!!!!」
それは仕方ないと、本人も解っている。
否定はするが、そう思われることは仕方ないと思っているが……今更変えるつもりはない。
現在のクランドの身体能力、技術などを考えると、Dランクモンスターではあまり戦闘欲が満たされない。
クランドが素の状態で戦い、相手がよっぽど自分を強化する術に優れているのであれば話は変わるが、基本的には満たされない。
だが、Cランクモンスターやそれ以上になってくると、話は変わってくる。
強化系のスキルを使用し、キャントを行い、場合によっては属性魔力を使用する。
相手によっては、武器を使うこともあるだろう。
(はは、良い殺気だ……心が震えるな!!!)
現状としては一対一のタイマン勝負。
クランドは鍛えた肉体と膨大な魔力が盾となり、グレートウルフの一撃を受けても、致命傷にはならない。
だが、不味い状況で食らえば、重傷になるのは間違いない。
それだけの攻撃力と速さを持っている相手だからこそ……戦い甲斐がある。
闘争欲が満たされ、無意識の内に口端が吊り上がる。
相手の首筋に刃を伸ばしながらも、自分の首近くに刃が向かってくる。
「カバディっ!!!!」
そんな状況に、クランドは大変満足していた。
殺し殺されの覚悟で挑む……ではない。
実際に殺し殺される状況なのだ。
一般的なスポーツと比べて、明らかに一閃を超えたバトルに……クランドは完全に適応し、楽しんでいた。
今のクランドは前世の友人知人、チームメイトが観れば、リアルで傭兵や殺し屋になれるのでは? と思うかもしれない。
ただ……スポーツも命を懸けた戦いも、いずれ終わりがくる。
グレートウルフはクランドの左ストレートを躱し、サイドから思いっ切り咬みつこうとした。
あまり人間が使わない……獣が得意とする強力な一撃。
モンスターの咬合力を考えれば、クランドの腹にブスっと犬歯が突き刺さるのも無理はないだろう。
そうなってしまえば、もう逃げ出す術はない。
「カバディ」
「バっ!!??」
当れば、それはそれで死合いを終わらせていたかもしれない。
しかし、その左ストレートはフェイント。
サイドに避け、カウンターを食らわせようとしたグレートウルフに、蹴りでカウンター返しを食らわせた。
単語攻撃手であれば、次の自分のアクションを相手チームの選手に悟られてはならない。
逆にそのアクションを逆手に取ることもあるが、クランドは闘争心があるようでないように見せるのが上手かった。
そして、それは命懸けのバトルに舞台が移っても変わらない。
グレートウルフはまんまとフェイクに惑わされ、顎に強烈な一撃を貰った。
そこが機転となり、戦況は一変。
正気を逃すまいと、クランドは重撃を連続で浴びせ、最後は脳天に肘を打ち下ろした。
勿論、肘には岩を纏っている。
まだグレートウルフの魔力は底をついていなかったが、その肘打ちの衝撃は頭蓋骨を割り、脳まで粉砕した。
「ッ!!!!」
リーゼたちがジェネラルと戦っている中、クランドは非常に楽しそうな表情で戦場を駆けまわっていた。
グレートウルフは体が大きいが、狼の様な敏捷性は失っていない。
だからこそ人にとって強大で厄介な存在なのだが、グレートウルフからすれば……自分以上の速さを持っているかもしれない。
加えて、その攻撃力は侮れない。
更に……体が小さい。
それらの理由から、グレートウルフは戦い始めてから一分弱で、クランドが嫌な敵だと思い始めた。
体が小さいということは、中々攻撃が当て辛い。
クランドは並の軽剣士や武道家よりも足が速いので、グレートウルフの爪撃は今のところ、全て空ぶりに終わっている。
「カバディ」
だが、クランドの攻撃はグレートウルフを捉え、確実にダメージを与えていた。
グレートウルフの毛皮は並の剣や槍では刃が通らず、コボルトジェネラルと同じく、魔法にも多少耐性がある。
しかし、全身に魔力を纏えるのはクランドも同じ。
クランドの場合、更に両手両足に土の魔力を変換し、岩の手甲と脚甲を纏うことで、更に攻撃力を増加。
槍の才能だけではなく、魔法の才能が殆どないと解った日から……槍と同じく、魔法に関しての鍛錬を怠ったことはない。
そのため、纏う岩の強度も徐々に上がっている。
先程特大ホームランをかましたコボルトリーダーの様にぶっ飛ばすことは出来ないが、確実に体内へ衝撃を与えている。
骨に罅が入るまではいかないが、同じ個所を狙って攻撃していけば、骨を砕くまでそう時間は掛からない。
(良いな、ゾクゾクするな!!!!)
クランドには鬼心開放という強い手札があるが、そう簡単には切らない。
あまり長い間発動出来ないなど、多少でメリットがあるというのが主な理由だが、今回は……それを使ってしまうと、死合いを楽しめない。
そういった理由から、鬼心開放を使わずにグレートウルフと命懸けのバトルを行っている。
傍から見ればアホだと思われるだろう。
従者のリーゼも、他人が主人のことを死にたがりだと断言するのを、訂正しようとは思わない。
クランドのその考えは、そう思われても仕方ない。
「カバディ!!」
「っ!? グルゥァアアアッ!!!!」
それは仕方ないと、本人も解っている。
否定はするが、そう思われることは仕方ないと思っているが……今更変えるつもりはない。
現在のクランドの身体能力、技術などを考えると、Dランクモンスターではあまり戦闘欲が満たされない。
クランドが素の状態で戦い、相手がよっぽど自分を強化する術に優れているのであれば話は変わるが、基本的には満たされない。
だが、Cランクモンスターやそれ以上になってくると、話は変わってくる。
強化系のスキルを使用し、キャントを行い、場合によっては属性魔力を使用する。
相手によっては、武器を使うこともあるだろう。
(はは、良い殺気だ……心が震えるな!!!)
現状としては一対一のタイマン勝負。
クランドは鍛えた肉体と膨大な魔力が盾となり、グレートウルフの一撃を受けても、致命傷にはならない。
だが、不味い状況で食らえば、重傷になるのは間違いない。
それだけの攻撃力と速さを持っている相手だからこそ……戦い甲斐がある。
闘争欲が満たされ、無意識の内に口端が吊り上がる。
相手の首筋に刃を伸ばしながらも、自分の首近くに刃が向かってくる。
「カバディっ!!!!」
そんな状況に、クランドは大変満足していた。
殺し殺されの覚悟で挑む……ではない。
実際に殺し殺される状況なのだ。
一般的なスポーツと比べて、明らかに一閃を超えたバトルに……クランドは完全に適応し、楽しんでいた。
今のクランドは前世の友人知人、チームメイトが観れば、リアルで傭兵や殺し屋になれるのでは? と思うかもしれない。
ただ……スポーツも命を懸けた戦いも、いずれ終わりがくる。
グレートウルフはクランドの左ストレートを躱し、サイドから思いっ切り咬みつこうとした。
あまり人間が使わない……獣が得意とする強力な一撃。
モンスターの咬合力を考えれば、クランドの腹にブスっと犬歯が突き刺さるのも無理はないだろう。
そうなってしまえば、もう逃げ出す術はない。
「カバディ」
「バっ!!??」
当れば、それはそれで死合いを終わらせていたかもしれない。
しかし、その左ストレートはフェイント。
サイドに避け、カウンターを食らわせようとしたグレートウルフに、蹴りでカウンター返しを食らわせた。
単語攻撃手であれば、次の自分のアクションを相手チームの選手に悟られてはならない。
逆にそのアクションを逆手に取ることもあるが、クランドは闘争心があるようでないように見せるのが上手かった。
そして、それは命懸けのバトルに舞台が移っても変わらない。
グレートウルフはまんまとフェイクに惑わされ、顎に強烈な一撃を貰った。
そこが機転となり、戦況は一変。
正気を逃すまいと、クランドは重撃を連続で浴びせ、最後は脳天に肘を打ち下ろした。
勿論、肘には岩を纏っている。
まだグレートウルフの魔力は底をついていなかったが、その肘打ちの衝撃は頭蓋骨を割り、脳まで粉砕した。
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