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第137話 総意
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「「「「「「「「「「どうぞ!!!!」」」」」」」」」」
「ど、どうも……えっと、それじゃあ……乾杯」
アストは目の前の光景に驚きながらも、再度行われる乾杯の音頭を取った。
「「「「「「「「「「乾杯!!!!!!!」」」」」」」」」」
そして改めて杯に注がれたエールを用意していた女性騎士たちは、まだまだ宴会はこれからだと言わんばかりの声でアストの音頭に続いた。
(…………一緒に討伐に参加した人たちなら解るけど、なんで一緒に行動してなかった人たちまで、こんな乗り気? なんだろうな)
まだ体の節々が痛むのを無視し、アストはぐいっとエールを喉に流し込み、仕事終わりの快感を味わった後……勢い良く肉に食らいついた。
「やぁ、アスト。一応元気にはなったみたいだね」
「ウェディーさん、どうも。まだ病み上がりと言えば病み上がりなんですけど、食欲には敵わなくて」
「ふっふっふ、その気持ちは良く解るよ…………アスト、本当に助かったよ」
共に土竜亜種、リブルアーランドドラゴンと戦っていたウェディーは、アストが起きたらまずそれを伝えたかった。
お前のお陰で、私たちはあの土竜に勝てたのだと。
「俺だけの力ではありませんよ。あの時、詠唱を始めた俺を信じてくれたウェディーさんのお陰で、詠唱を最後まで唱えることが出来ました」
「そうか……まっ、あんたはそう言うだろうね。でもね、私たちはちゃんと見てた。アストが、文字通り命を懸けてあの土竜をぶった斬るところを」
討伐戦に参加していた女性騎士、魔術師たちは勿論のこと、討伐戦に参加していなかった騎士たちも頷いていた。
(なるほど。それでこんなに好意的な視線が多いのか)
ある程度、女性騎士たちの反応に納得は出来た。
ただ、アストとしては……やはり、当然の事をしたという思いの方が強かった。
「褒めてくれるのは嬉しいです。ただ……既に伝えたかもしれませんが、あの時俺がジェネラルを追いかけていれば、少なくともアリステアさんが戦っていたオーガ現れなかったかもしれませんでした」
「……そこは、アストの譲れない思いだって言うのは解ってる。でも、あんた……自分があぁなるって解ってて、あの技を使ったんだろ」
「そうですね。俺も、さすがにどういった効果なのか解っていない技をぶっつけ本番で使う様な真似はしません」
「それじゃあ、過去にあの技を使った事があるって訳だ」
「はい」
「ったく……本当に、あんたをスカウト出来ないのが悔しいよ」
本音だった。
元々冒険者ギルドという組織に属しはているが、どこかの組織に属することを好まない青年だと知っている。
だからこそ、下手に熱烈な勧誘をしようとはならない。
「……とりあえず、体は動くんだよね」
「はい。数日間ぐらいは筋肉痛が残りますけど、後遺症とかは特にないです」
魔力も体力もごっそり持っていく。
ただ、向上するのが身体能力の強化に全振りされているため、反動がアレキサンダーの使用時とは比べ物にならない。
(……正確に調べてもらったことはないけど、寿命に関しては特に問題無い筈だ)
もしかしたら、寿命を削ってるのかもしれない。
しかし、改めて周囲を見渡すと、討伐戦に参加したメンバーが全員いる。
それを確認し、改めて使った意味があったと感じた。
「そうか……本当に良かったよ。でも、あれだ……助けられた身の私が言うことじゃないのは解ってるけど、もう少し自分を大切にしてやってくれ」
「……そうですね。まだまだ、バーテンダーとして多くのお客さん達にカクテルを
提供したいと思ってます。ただ、やっぱり目の前で良い人だと解ってる人が死ぬのは……嫌じゃないですか」
「…………だな」
ウェディーだけではなく、その場にいる者たち全員がアストの言葉に同意した。
「一応、あの技を使っても死なないって言うのは解っていたんで」
「全く……そういえば、あの土竜……どう進化すればあんな強過ぎる存在になるんだろうね」
それでも、死なないでくれよとは言えず、ウェディーは無理矢理話題を変えた。
騎士に近い心を持っているアストに対し、そういった言葉を伝えるのは……違う事ぐらいは解っていた。
今回、リブルアーランドドラゴンの討伐に参加したウェディーたち……全員が同じことを思っていた。
私たちがもっと強ければ、アストにあのような技を使わせずに済んだ。
それが、討伐戦に参加した者たちの総意。
アストは共に行動を始めてから標的と遭遇するまで、そして標的と遭遇してからサポート面で完璧とも言える働きをしてくれた。
何故直ぐに切り札とも言える技を使わなかたのか、何故直ぐに最後に使ったあの武器を使わなかったのか…………そんな少し考えれば解るバカ過ぎる質問をする者は、一人もいなかった。
「モンスターは時折訳の解らない方向に進化しますからね」
「へぇ~~。実際に戦った事のある口ぶりだね」
その後、他の女性騎士たちも会話に参加しながらアストは食欲が満たされるまで呑んで食い続け……そんな中、ふと気付いた。
宴会の場に、功労者であるアリステアがいないことに。
「ど、どうも……えっと、それじゃあ……乾杯」
アストは目の前の光景に驚きながらも、再度行われる乾杯の音頭を取った。
「「「「「「「「「「乾杯!!!!!!!」」」」」」」」」」
そして改めて杯に注がれたエールを用意していた女性騎士たちは、まだまだ宴会はこれからだと言わんばかりの声でアストの音頭に続いた。
(…………一緒に討伐に参加した人たちなら解るけど、なんで一緒に行動してなかった人たちまで、こんな乗り気? なんだろうな)
まだ体の節々が痛むのを無視し、アストはぐいっとエールを喉に流し込み、仕事終わりの快感を味わった後……勢い良く肉に食らいついた。
「やぁ、アスト。一応元気にはなったみたいだね」
「ウェディーさん、どうも。まだ病み上がりと言えば病み上がりなんですけど、食欲には敵わなくて」
「ふっふっふ、その気持ちは良く解るよ…………アスト、本当に助かったよ」
共に土竜亜種、リブルアーランドドラゴンと戦っていたウェディーは、アストが起きたらまずそれを伝えたかった。
お前のお陰で、私たちはあの土竜に勝てたのだと。
「俺だけの力ではありませんよ。あの時、詠唱を始めた俺を信じてくれたウェディーさんのお陰で、詠唱を最後まで唱えることが出来ました」
「そうか……まっ、あんたはそう言うだろうね。でもね、私たちはちゃんと見てた。アストが、文字通り命を懸けてあの土竜をぶった斬るところを」
討伐戦に参加していた女性騎士、魔術師たちは勿論のこと、討伐戦に参加していなかった騎士たちも頷いていた。
(なるほど。それでこんなに好意的な視線が多いのか)
ある程度、女性騎士たちの反応に納得は出来た。
ただ、アストとしては……やはり、当然の事をしたという思いの方が強かった。
「褒めてくれるのは嬉しいです。ただ……既に伝えたかもしれませんが、あの時俺がジェネラルを追いかけていれば、少なくともアリステアさんが戦っていたオーガ現れなかったかもしれませんでした」
「……そこは、アストの譲れない思いだって言うのは解ってる。でも、あんた……自分があぁなるって解ってて、あの技を使ったんだろ」
「そうですね。俺も、さすがにどういった効果なのか解っていない技をぶっつけ本番で使う様な真似はしません」
「それじゃあ、過去にあの技を使った事があるって訳だ」
「はい」
「ったく……本当に、あんたをスカウト出来ないのが悔しいよ」
本音だった。
元々冒険者ギルドという組織に属しはているが、どこかの組織に属することを好まない青年だと知っている。
だからこそ、下手に熱烈な勧誘をしようとはならない。
「……とりあえず、体は動くんだよね」
「はい。数日間ぐらいは筋肉痛が残りますけど、後遺症とかは特にないです」
魔力も体力もごっそり持っていく。
ただ、向上するのが身体能力の強化に全振りされているため、反動がアレキサンダーの使用時とは比べ物にならない。
(……正確に調べてもらったことはないけど、寿命に関しては特に問題無い筈だ)
もしかしたら、寿命を削ってるのかもしれない。
しかし、改めて周囲を見渡すと、討伐戦に参加したメンバーが全員いる。
それを確認し、改めて使った意味があったと感じた。
「そうか……本当に良かったよ。でも、あれだ……助けられた身の私が言うことじゃないのは解ってるけど、もう少し自分を大切にしてやってくれ」
「……そうですね。まだまだ、バーテンダーとして多くのお客さん達にカクテルを
提供したいと思ってます。ただ、やっぱり目の前で良い人だと解ってる人が死ぬのは……嫌じゃないですか」
「…………だな」
ウェディーだけではなく、その場にいる者たち全員がアストの言葉に同意した。
「一応、あの技を使っても死なないって言うのは解っていたんで」
「全く……そういえば、あの土竜……どう進化すればあんな強過ぎる存在になるんだろうね」
それでも、死なないでくれよとは言えず、ウェディーは無理矢理話題を変えた。
騎士に近い心を持っているアストに対し、そういった言葉を伝えるのは……違う事ぐらいは解っていた。
今回、リブルアーランドドラゴンの討伐に参加したウェディーたち……全員が同じことを思っていた。
私たちがもっと強ければ、アストにあのような技を使わせずに済んだ。
それが、討伐戦に参加した者たちの総意。
アストは共に行動を始めてから標的と遭遇するまで、そして標的と遭遇してからサポート面で完璧とも言える働きをしてくれた。
何故直ぐに切り札とも言える技を使わなかたのか、何故直ぐに最後に使ったあの武器を使わなかったのか…………そんな少し考えれば解るバカ過ぎる質問をする者は、一人もいなかった。
「モンスターは時折訳の解らない方向に進化しますからね」
「へぇ~~。実際に戦った事のある口ぶりだね」
その後、他の女性騎士たちも会話に参加しながらアストは食欲が満たされるまで呑んで食い続け……そんな中、ふと気付いた。
宴会の場に、功労者であるアリステアがいないことに。
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