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第102話 次?
「さぁ、どんどん食べてくれ」
シャルプたちの中で、誰の孫が一番強いかが決まった後、彼らはフィーズの中で高級料理店と呼ばれている場所に移動。
既に予約は取っており、個室に案内された一向。
代金は当然祖父ズの奢りであり、シャルプが遠慮せずに食べてくれと伝える。
「「「「…………」」」」
だが、既にテーブルの上に置かれている料理の食欲そそる匂いを感じるも……ネルドたちのテンションはあまり高くなかった。
「美味しいですね」
「はは、そうか。それは良かったよ」
そんな中、勝者であるバトムスはシャルプに言われた通り遠慮することなく、テーブルに並ぶ料理を食べていた。
貴族より、もしくは騎士寄りの浅い思考を持つ者がいれば、もう少しファスラルたちに気を遣わないのかと苦言を呈するかもしれないが……バトムスからすれば、何故自分がと返したい。
確かに、前世のバトムスの年齢は彼らよりも上ではあるが、バトムスからすればルールの中で正々堂々と戦っただけ。
加えて、彼らと親しい関係でもないため、本当に何故そんなことをしなければ? という疑問しかない。
「ところで、バトムス君は普段どういった訓練をしてるんだい」
「……普通に素振りをして、その後に騎士の方々に稽古の相手をしてもらってます」
「ほぅ……同じ執事候補や、騎士候補の子じゃないんだね」
「そうですね。偶に同世代の騎士候補と模擬戦を行ったりしますが、基本的には騎士の方々に相手をしてもらってます」
孫たちがあまり元気がない中、シャルプは敢えてバトムスに話題を振って話し始めた。
(普段から騎士たちと……ゼペルたち家族だけではなく、アブルシオ辺境伯家の者たちから気に入られてるみたいだね)
現役の騎士たちが見どころのある未来の後輩たちに指導を行うことはあるが、日頃から毎日毎日稽古を付けることは殆どない。
(しかし、現役の騎士たちとばかり戦っていれば、負け癖が付いてしまわないのかな?)
参考になるところがあれば、是非ともネルドの訓練に加えたいと考えるシャルプ。
「他には何か……自分で、変わった訓練をしてるなって思うことはあるかい」
「変わった訓練ですか………………特に、ないと思います」
「あら、そうなのかい」
バトムスとしては、本当に自分は特に変わった訓練をしてないと思っている。
(……確か、ロングソード以外の武器も定期的に使っていると聞いているが…………いや、どういう意図にしろ、本人が口にしないんだ。俺が言うのもおかしいという話だろう)
バトムスの中では、それが普通ではないのかもしれないとも思い、ゼペルは余計な事を口にしなかった。
「となると、ネルドたちがバトムス君に追い付くのは難しいかな」
「「「「っ」」」」
孫ズたちに挑発とも取れる言葉が出たことで、ようやく四人が反応を示した。
「追い付かれると思いますよ。限界値は人それぞれですから、その内直ぐに追いつかれるかと」
「ふむ……間違ってはいないな」
バトムスの言葉に、ガリダスが同意を示す。
成長出来る身体能力や魔力量、会得出来るスキルなども人によってバラつきがある。
鍛錬と実戦を重ね続けたとしても、無限に成長し続けられるわけではない。
「っ、んだよそれ……ふ、ふざけんなよ!!」
バトムスはただただ事実を述べているだけだが、それに対して不満を持つ者がいた。
「今から次戦った時の言い訳をするとか、男らしくなさ過ぎんだろ!!!!」
不満を持つ人物、ファスラルは……ただ不満をぶつけ、バトムスに暴言を吐きたい訳ではない。
あっという間に自分を負かし、他三人に対して圧勝した同世代の少年を、ファスラルは本物だと認めていた。
悔しさはあるものの、全ての試合が終わった後で認められないほど、彼のプライドは腐ってはいなかった。
「いや、そう言われてもな」
バトムスとしては、ただただ事実を告げただけ。
自身が天才ではないと、才能という点に関しては非凡な存在ではないと自覚しているからこその発現であった。
加えて……バトムスは、ファスラルの言葉に思うところがあった。
「それと、なんでまた戦るんだ?」
「? いや、そりゃあ」
これに関しては、ファスラルだけではなくネルドたちも同じ事を思っていた。
バトムスとはまたいつか戦いたい、試合を行いたい……今日の狩りを返したいと。
彼らがそう思うのは当然な流れと言えるだろう。
しかし……バトムスからすれば、ちょっと待ってくれと遮りたい。
「今日は爺ちゃんから頼まれたから、あなた達と試合を行った。だから、今回以降あなた達と試合を行うことはないと言うか……会うこともないと思っているんだけど」
本当に、心の底から正直な思いを吐露したバトムス。
そんなバトムスの正直すぎる言葉に、ゼペル以外の祖父たちは……笑いを堪え切ることが出来なかった。
シャルプたちの中で、誰の孫が一番強いかが決まった後、彼らはフィーズの中で高級料理店と呼ばれている場所に移動。
既に予約は取っており、個室に案内された一向。
代金は当然祖父ズの奢りであり、シャルプが遠慮せずに食べてくれと伝える。
「「「「…………」」」」
だが、既にテーブルの上に置かれている料理の食欲そそる匂いを感じるも……ネルドたちのテンションはあまり高くなかった。
「美味しいですね」
「はは、そうか。それは良かったよ」
そんな中、勝者であるバトムスはシャルプに言われた通り遠慮することなく、テーブルに並ぶ料理を食べていた。
貴族より、もしくは騎士寄りの浅い思考を持つ者がいれば、もう少しファスラルたちに気を遣わないのかと苦言を呈するかもしれないが……バトムスからすれば、何故自分がと返したい。
確かに、前世のバトムスの年齢は彼らよりも上ではあるが、バトムスからすればルールの中で正々堂々と戦っただけ。
加えて、彼らと親しい関係でもないため、本当に何故そんなことをしなければ? という疑問しかない。
「ところで、バトムス君は普段どういった訓練をしてるんだい」
「……普通に素振りをして、その後に騎士の方々に稽古の相手をしてもらってます」
「ほぅ……同じ執事候補や、騎士候補の子じゃないんだね」
「そうですね。偶に同世代の騎士候補と模擬戦を行ったりしますが、基本的には騎士の方々に相手をしてもらってます」
孫たちがあまり元気がない中、シャルプは敢えてバトムスに話題を振って話し始めた。
(普段から騎士たちと……ゼペルたち家族だけではなく、アブルシオ辺境伯家の者たちから気に入られてるみたいだね)
現役の騎士たちが見どころのある未来の後輩たちに指導を行うことはあるが、日頃から毎日毎日稽古を付けることは殆どない。
(しかし、現役の騎士たちとばかり戦っていれば、負け癖が付いてしまわないのかな?)
参考になるところがあれば、是非ともネルドの訓練に加えたいと考えるシャルプ。
「他には何か……自分で、変わった訓練をしてるなって思うことはあるかい」
「変わった訓練ですか………………特に、ないと思います」
「あら、そうなのかい」
バトムスとしては、本当に自分は特に変わった訓練をしてないと思っている。
(……確か、ロングソード以外の武器も定期的に使っていると聞いているが…………いや、どういう意図にしろ、本人が口にしないんだ。俺が言うのもおかしいという話だろう)
バトムスの中では、それが普通ではないのかもしれないとも思い、ゼペルは余計な事を口にしなかった。
「となると、ネルドたちがバトムス君に追い付くのは難しいかな」
「「「「っ」」」」
孫ズたちに挑発とも取れる言葉が出たことで、ようやく四人が反応を示した。
「追い付かれると思いますよ。限界値は人それぞれですから、その内直ぐに追いつかれるかと」
「ふむ……間違ってはいないな」
バトムスの言葉に、ガリダスが同意を示す。
成長出来る身体能力や魔力量、会得出来るスキルなども人によってバラつきがある。
鍛錬と実戦を重ね続けたとしても、無限に成長し続けられるわけではない。
「っ、んだよそれ……ふ、ふざけんなよ!!」
バトムスはただただ事実を述べているだけだが、それに対して不満を持つ者がいた。
「今から次戦った時の言い訳をするとか、男らしくなさ過ぎんだろ!!!!」
不満を持つ人物、ファスラルは……ただ不満をぶつけ、バトムスに暴言を吐きたい訳ではない。
あっという間に自分を負かし、他三人に対して圧勝した同世代の少年を、ファスラルは本物だと認めていた。
悔しさはあるものの、全ての試合が終わった後で認められないほど、彼のプライドは腐ってはいなかった。
「いや、そう言われてもな」
バトムスとしては、ただただ事実を告げただけ。
自身が天才ではないと、才能という点に関しては非凡な存在ではないと自覚しているからこその発現であった。
加えて……バトムスは、ファスラルの言葉に思うところがあった。
「それと、なんでまた戦るんだ?」
「? いや、そりゃあ」
これに関しては、ファスラルだけではなくネルドたちも同じ事を思っていた。
バトムスとはまたいつか戦いたい、試合を行いたい……今日の狩りを返したいと。
彼らがそう思うのは当然な流れと言えるだろう。
しかし……バトムスからすれば、ちょっと待ってくれと遮りたい。
「今日は爺ちゃんから頼まれたから、あなた達と試合を行った。だから、今回以降あなた達と試合を行うことはないと言うか……会うこともないと思っているんだけど」
本当に、心の底から正直な思いを吐露したバトムス。
そんなバトムスの正直すぎる言葉に、ゼペル以外の祖父たちは……笑いを堪え切ることが出来なかった。
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