学生時代

Me-ya

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3.雨やどりの教室で消えた初恋

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「……別に、僕に遠慮する事なかったのに……悪かったな、今まで気が付かなくて」

怒鳴りたいのを我慢して、ようやくそれだけを言葉にする。

怒鳴ってもしようがない。

寧音が治夫を選んだのなら………。

僕は諦めるしかない………。

怒鳴って泣いて縋って寧音が戻ってきてくれるのならそうするけど………戻ってくるわけじゃないし……後で後悔をするだけだ。

でも、今は治夫の顔は見たくない。

顔を治夫から背けた僕に、治夫の焦ったような声が聞こえてくる。

「違う…あれは…」

「いいよ。言い訳なんか聞きたくない。でも、しばらく顔、見たくないから」

「待てよ。俺達の友情って、こんな事くらいで壊れるものだったのか?」

こんな事くらい?

友情……………?

その言葉は、僕の気持ちを逆撫でした。

その友情を最初に壊したのは誰だよ!!

そりゃ、治夫にとってみたらこんなことくらいかもしれないけど。

僕にとって寧音は初恋で、僕がどれだけ好きだったか、治夫は知っているくせに。

「モテる治夫にはわからないだろうけどね!!……言っておくけど寧音の事、今まで付き合っていた女性達のように遊びで付き合うつもりなら許さないから…それに………とにかく!!しばらく治夫の顔は見たくない」

「しばらくって、いつまで?」

………………はあ!?

「しばらくって、三日後?」

………何、言ってんだ、コイツ?

「それとも五日後?1週間?」

………お前は小学生か!!

「しばらくは…しばらくだよ!!」

-僕だって頭の中がぐちゃぐちゃなんだから!!

それだけを言うと、僕は治夫をその場に残し学校まで走った。
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