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3.雨やどりの教室で消えた初恋
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「よっ!」
朝、治夫はいつもの場所で僕を待っていた
そしていつもと変わらず、僕を見ると笑って挨拶してくる。
僕は唇を噛み締めると、何も言わず治夫の前を通り過ぎた。
「な~に、シカトしてんだよ?」
黙って通り過ぎようとした僕を気にすることなく治夫は、僕の肩に腕を回す。
その腕を思いっきり振り払うと、治夫を睨んだ。
「寧音と笑ってたんだろ、僕の事。馬鹿にして」
「…え…何?」
「もう勉強、教えてくれなくていいから。僕の前から消えて」
「ちょ…待てよ!」
普段あまり怒りを表に出さない僕の剣幕に驚いたのか最初、呆気にとられたように目を丸くして僕を見ていた治夫はその場から立ち去ろうとしていた僕の手首を掴み、引き止める。
「どうしたんだよ。何言ってんのか分かんないんだけど。言いたい事があるのなら、はっきり言えよ」
「…その言葉、そっくりそのまま返してやるよ。寧音と付き合っているなら、僕に遠慮せずにそう言ったらよかっただろ!!」
僕は掴まれた手を振り払い、叫ぶ。
「………何の事?」
白々しい。
「昨日…教室で……見たんだ。寧音と治夫…いたよな、教室に。2人で」
僕がそこまで言うと、治夫は流石に顔色を変えた。
朝、治夫はいつもの場所で僕を待っていた
そしていつもと変わらず、僕を見ると笑って挨拶してくる。
僕は唇を噛み締めると、何も言わず治夫の前を通り過ぎた。
「な~に、シカトしてんだよ?」
黙って通り過ぎようとした僕を気にすることなく治夫は、僕の肩に腕を回す。
その腕を思いっきり振り払うと、治夫を睨んだ。
「寧音と笑ってたんだろ、僕の事。馬鹿にして」
「…え…何?」
「もう勉強、教えてくれなくていいから。僕の前から消えて」
「ちょ…待てよ!」
普段あまり怒りを表に出さない僕の剣幕に驚いたのか最初、呆気にとられたように目を丸くして僕を見ていた治夫はその場から立ち去ろうとしていた僕の手首を掴み、引き止める。
「どうしたんだよ。何言ってんのか分かんないんだけど。言いたい事があるのなら、はっきり言えよ」
「…その言葉、そっくりそのまま返してやるよ。寧音と付き合っているなら、僕に遠慮せずにそう言ったらよかっただろ!!」
僕は掴まれた手を振り払い、叫ぶ。
「………何の事?」
白々しい。
「昨日…教室で……見たんだ。寧音と治夫…いたよな、教室に。2人で」
僕がそこまで言うと、治夫は流石に顔色を変えた。
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