学生時代

Me-ya

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8.泣かないで、マイ・ラブ

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「………ごめんね……彼女を諦めさせる為とはいえ…彼女なんて嘘、言っちゃって……」

(………え、嘘!?…あれ、嘘だったの!?)

………少しガッカリしてしまう。

治夫に彼女と言われて、私、自分でも知らない内にいつの間に彼女になったんだろうと期待……いや、ドキドキしてしまった自分に溜息を吐く。

(……そうよね………そんな夢みたいな事、あるわけない………)

「彼女、少し思い込みが激しくて………諦めさせる為につい……君を利用させてもらった」

(………………利用……………)

「………君………似ているから………」

(………似ている……)

………誰に………とは聞かなくても、なんとなく分かった。

-手紙を愛しそうに見詰めていた治夫が思い出される。

(………私に似ているんだ………)

「………でも、君にとっては迷惑だよね………ごめん……」

(………迷惑………なんかじゃない)

「……彼女にはあれは嘘だって連絡入れておくよ、だから安心して……でも、もし、彼女から君に何か言ってきたら……」

「いいです!!」

自分でも、思わず大きな声が出た。

「……………え?」

ほら、彼も吃驚した顔をして私を見ている。

「………訂正しなくて……………嘘のままで……彼女………彼女の振り、どんとこいです!!」

………何を言っているんだ、私は~!?

「………いや、でも………」

ほら、彼も戸惑っているじゃん!!

「………いや~、私も今、男性につきまとわれて困ってたんですよ~」

………どこにいるんだよ、そんな男性!!

「だから、私も偽の彼氏が欲しかったところなんです」

………確かに、嘘でも偽でも彼と付き合えたら嬉しいけれども!!

「お互い嘘の彼、彼女が欲しい者同士、いいと思いません?」

何がいいと思いません?だ!!

そんなすぐバレるような嘘。

「付き合っちゃいましょうよ………もちろん、偽の彼、彼女として………」

………オー、マイガッ!!

誰か私を止めて~!!

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