学生時代

Me-ya

文字の大きさ
上 下
146 / 151
8.泣かないで、マイ・ラブ

16

しおりを挟む
-遠くの彼女より近くの知り合い。

-偽りの彼女でも、付き合っていればもしかして…。

-もしかして……

-もしかしたら………

そんな甘い考えに釘を刺すように線を引かれた。

夢の中から一気に現実に引き戻された。

そんな感じ。

いくら似てても、結局は偽物………。

(………駄目だなぁ)

最初は姿を見れるだけでいいと思った。

その次は声が聞けるだけでいいと。

そして次は側にいるだけでいいと思って。

私に笑いかけてくれて。

そしたら。

彼の好きな人が私に似ていると知って。

-もしかしたら。

-彼の近くにいれば。

-いつか私を。

-好きな人の代わりじゃなく。

-私自身を。

-見てくれるかも。

そうして。

どんどん欲が深くなる。

(………駄目だなぁ)

そして。

何度目かの溜息を吐いた時。

「………何?今更、後悔しているの?」

目の前に鬼女………いや、美女がいた。

(………げ………出た!!)
しおりを挟む

処理中です...