雨のナイフ

Me-ya

文字の大きさ
11 / 60

1ー10

しおりを挟む
鍵を開けて家の中に入る。

そのままバスルームへ入り、鏡を見た。

思ったよりも、頬は腫れていない。

ただ、唇と鼻の辺りに血が付いて乾いていた。

顔を洗い、シャワーを浴びる為に服を脱ぐ。

熱いお湯が身体の傷に染みたが、気にしない。

お湯に混じり、赤と白の液体が排水口に流れていく。

『…痛い…許して…助けて…痛い…抜いて…』

あの時、俺が泣いて許しを請うても、速水が行為を止めることはなかった。

タオルにボディシャンプーをたっぷりつけて、身体をゴシゴシ擦る。

特に速水に触れられた場所は、何度も何度も擦った。

汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い……。

肌が赤くなっても、構わず擦り続けた。

そして、最も忌まわしい場所。

速水が欲望を吐き出した場所。

俺はボディシャンプーを手に付けて洗った。

何度も、何度も。

泡が傷に染みるのも気にならなかった。

綺麗に洗わないと…。

汚いから…。

穢い。

『明日もここに来い』

去り際に、速水が言った言葉が耳に蘇る。

『来たくなければ来なくてもいいが…その代わり晃を呼ぶんだな』

汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い穢い穢い穢い穢い穢いキタナイキタナイキタナイ…。

……………………………………………………。

…………………………。

……………。






…その夜、夢を見た…。

真っ暗闇の中、晃が走っている。

誰かに追われ、逃げているのだ。

俺は晃を助けに行きたいが、足が地面から離れず動けない。

俺の叫びは晃には届かない。

黒い陰が晃を呑み込もうとしている。

「………晃……っ!!」

自分の叫び声で目が覚めた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悠と榎本

暁エネル
BL
中学校の入学式で 衝撃を受けた このドキドキは何なのか そいつの事を 無意識に探してしまう 見ているだけで 良かったものの 2年生になり まさかの同じクラスに 俺は どうしたら・・・

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

ファントムペイン

粒豆
BL
事故で手足を失ってから、恋人・夜鷹は人が変わってしまった。 理不尽に怒鳴り、暴言を吐くようになった。 主人公の燕は、そんな夜鷹と共に暮らし、世話を焼く。 手足を失い、攻撃的になった夜鷹の世話をするのは決して楽ではなかった…… 手足を失った恋人との生活。鬱系BL。 ※四肢欠損などの特殊な表現を含みます。

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

処理中です...