雨のナイフ

Me-ya

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-オレが自分の性癖に気付いたのはいつだったろう。

物心がついた頃には、もう既にそうだったように思う。

誰にも相談できず、悩んだ。

告白してきた女の子と付き合ってもみたが、駄目だった。

自暴自棄になり、荒れた。

だが、最後には開き直り認めた。

っていうか、認めるしかないだろう…せめて自分で、自分の事を。

そして悩んだ末、家族に打ち明けた。

最初、酷く怒った父親は親子の縁を切ると言ってオレを殴り、母親はオレを病院に連れて行くと大泣きし、妹は口もきいてくれなくなった。

でも、それから色々あり今では理解できないまでも、オレのことを受け入れようとしてくれている。

最近、妹は『跡継ぎは私が産むから、安心して』とまで言ってくれるようになった。

まぁ、和解とまではいかないまでもオレのことを認めてくれようとしている。

さすがに以前みたいには無理だが、それでも自分を偽らないだけ楽に振る舞える。

だが、やはり学校ではそうはいかない。

最近はそういう事に偏見がなくなったようにみえるが、現実はそんなに甘くない。

自分に直接関係がないから、容認できるのだ。

オレは女性になりたいわけではないし、当然、好みもあるから誰でもいいというわけでもない。

だが、同性が好きだと告げると、そういう目で見られるだろうことも知っている。

だから、言わない。

言えない。

だが、なんだろう。

自分を偽ることに嫌気がさしていく。

問題児として皆に敬遠されているオレ。

家族にも、迷惑や心配をかけている。

このままじゃいけない。

だから、オレは心機一転、高校は地元から離れた寮のある場所を選んだ。

だが、そこは進学校。

オレの頭じゃ到底、無理だと言われた。

諦めろと。

だが、オレは必死で勉強した。

塾には行かなかった。

あそこは頭のいいヤツらが行く場所だ。

オレの場合、それ以前の話。

どこがわからないのかもわからない。

だから家では妹に勉強を教えてもらった。

学校では頭のいいヤツを手当たり次第に捕まえて、教えてもらった。

それこそ、一年から同級生まで。

そしてなんとか高校に合格する事ができた。

その時の両親の喜びようといったら…オレが恥ずかしくなる程だった。

しかし、両親には今まで苦労や心配をかけたという自覚があるだけに、オレも嬉しかった。

そして、オレは地元とは離れたこの男子校に入学した。

ここではオレは、自分の性癖を隠すことなく過ごしている。

最初は遠巻きに、腫れ物に触るみたいにしていた皆も段々馴れてきて、今では普通に接している。

男子校だからといって、同性同士の恋愛みたいなものが横行しているかといえば、そんなことはない。

あれは小説や漫画の中での話だ。

そりゃ、憧れから擬似恋愛はあったりするかもしれないが、付き合うとこまではいかない。

だから、オレもここでパートナーを見付けることは諦めていた。

いや、諦めかけていた。
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