僕が玩具になった理由

Me-ya

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ずれてゆくこわれてゆく-優紀の章-

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「今夜、外で食事するから出かける用意しろ」

「………え」

今日は暫くぶりに眞司が部屋に来てくれた。

学校では眞司の姿を見ているし、休み時間も相変わらず呼びだされているけど…部屋に眞司がいるのは眞司が出て行って以来だから…随分久しぶり。

(…こんな間近で眞司を見るのも、久しぶり…)

だから嬉しくて、用もないのに眞司の周りをちょろちょろと動き回る僕。

いつもなら怒る眞司も、今日は何も言わない。

(…機嫌がいいのかな…?)

そう思うとますます嬉しくなって、顔がニヤニヤとニヤけてしまうのを止められない。

そんな僕に眞司から言われた言葉。

『今夜、外で食事するから出かける用意しろ』

…一瞬…僕の希望が幻聴となって聞こえたのかと思った…。

「…早く用意しろ」

「………うん!!」

初めて見た眞司の笑顔。

僕に…僕だけに見せてくれた…。

それが嬉しくて………。

忘れていたんだ。

…僕は眞司にとってただのペットだという事を…。
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