僕が玩具になった理由

Me-ya

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たどりついた道程-逃避の章-

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「……………」

和巳はドアを開けて俺の顔を見た瞬間、絶句した。

だが、俺の腕に毛布に包まれ、抱えられている優紀に気付くと、顔色を変えてすぐ俺達を部屋の中に入れてくれる。

「…悪い…ここしか、思い浮かばなくて…」 

「…眞司…」

「…気が付いたら…連れて逃げてた……少しの間でいいから…ここに置いてくれないか?落ち着いたら、出ていくし…迷惑はかけないから…」 

優紀を抱えたままそう言った俺に、和巳は嬉しそうにニッコリと笑う。 

「何、言ってんだ。遠慮すんなって…あ、とりあえず優紀、ここに寝かせろよ。すぐに部屋、用意するからさ」

ソファーを指差した後、いそいそと部屋を用意しようとした和巳を呼び止める。

「…あ、悪い。その前にバスルーム借りていいか?」

優紀の身体を洗ってやりたかった。

あの場所からそのまま連れ出した優紀の身体は、酷い状態になっているはずだ。

「…あ、うん。そうだな。あ、場所、知ってるだろ?後で着替え、持っていくから」

「悪いな」

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