僕が玩具になった理由

Me-ya

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心の行き場-最終章-

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「………そ、ソイツがいけないんだっ!!」

ヒステリックな金切り声が聞こえる。

「眞司を狙ったのに…邪魔をして…っ!!」

そこには血の付いたナイフを握り締めた雅樹が血走った目をして叫んでいた。

「…眞司はボクのモノだ…ボクから逃げるなんて許さない…逃げられるくらいなら…うわあああああ…っ!!」

喚きながらナイフを振り上げ、俺に向かって突進してくる雅樹。

そこには、俺が初めて出会った時の可愛らしかった雅樹はもう、どこにもいなかった。

俺は優紀を抱き締めたまま右足を振り上げ、ナイフを握り締めている雅樹の両手を蹴り上げた。

雅樹の手から床に落ちたナイフを右足で踏みしめ、後ろに滑らせる。

「…うおおおぉぉぉぉぉぉ…っ!!」

落ちたナイフの行方を目で追っていた雅樹は、諦めたのか唇を噛み締めると…驚いた事に…右手を握り締め、獣のような咆哮を上げながら俺に向かって来る。

その目は血走り、いつもセットされているクルクルに巻かれていた髪はボサボサで、見る影もなくなっている。

雅樹本人はいつも言っていた。

暴力なんて野蛮な事だから、自分には似合わないと。

だから、暴力的な事などは全て親衛隊や取り巻きにやらせていた雅樹が素手で俺に向かって来た事は驚いた。

だが、驚いたのは一瞬だけ。

ナイフの代わりに、握り締めた拳を振り上げて向かってくる雅樹に手加減なしの蹴りを一発。

見事に雅樹の右頬にクリニカルヒット。

雅樹は吹き飛び、エントランスホールの真ん中に花を飾っている大きな花瓶を置いている台に勢いよくぶつかり。

必然的に花瓶は台の上でグラグラ揺れた後、生けていた花ごと雅紀の頭に落ちて。

割れた。
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