改訂 勇者二世嫁探しの旅

nekomata-nyan

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67 わ~い、Sランクだ!

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 光の女神からの思いがけないプレゼント。テレサとジャンヌは、その正体と女神の意図を知るため、夜の王宮へ帰った。

女神のメッセージ通り、テレサもジャンヌも、その指輪をはずせなかった。

まさかではあるが、一種の呪い? 

メッセージにあった『ヒ・ミ・ツ』の隠れ特殊効果がなんだか不気味。

「なるほど。さすが光の女神様です。
私にはさっぱりわかりません」
 超一流の錬金術師、ミレーユの鑑定結果はそれだった。

一同カクっとくる。

「効果としては、能力全体のアップ。
特に著しい魔力上昇、魔法効果増大、魔法防御アップ。
それは想像がつきます。
とんでもない代物。
そう形容するしかありません」
 そのミレーユの言葉は、テレサもジャンヌも実感していることだった。

「問題は、どうして私とジャンヌちゃんに、授けられたのか、だと思うんですが。
それに、『隠れ特殊効果』ってなんでしょう?」
 テレサが聞く。

「だから、全然見当もつきません。ごめんなさい」
 ミレーユは珍しく困惑顔。

「あの気まじめ女神、絶対呪いをかけることなんてできない。
その点安心していいよ。
それを授けた理由と、『特殊効果』も大体見当がつく」
 夜の女王は、にやにやして言う。

「その理由と特殊効果とは、なんでしょうか?」
 ジャンヌが聞く。

「理由は、謝罪と前払いの謝礼、ってところかな。
特殊効果は、近々わかるんじゃない? 
絶対悪い物じゃないから、ありがたく受け取っておきなさい。
フフ、あの女神、案外かわいい。
友達になってやっても、いいかな」
 そう言い残し、女王はご機嫌で謁見の間を去った。


残されたメンバーは、いっそうわからなくなってしまった。なんの「謝罪?」、なんの「謝礼?」、どういった形で「特殊効果」がわかるのだろう?


「テレサ、ジャンヌ、急に能力が上がってとまどっていることでしょう。
とりあえず夜の王宮に残って、力にふさわしい技を磨きなさい。
今のあなたたちでは、力を持て余して危険です」

「はい」
 ミレーユ様のアドバイスに、従うしかない。テレサとジャンヌは、はっきりうなずいた。


 キキョウが自宅に転移し、王宮でのやりとりをユリに説明する。

「そっか……。
しばらくはあの二人、別行動になってまうな。
まあ、通うてきたら、特に問題はないやろし」
 ユリがそうつぶやく。

「私、どうしましょ?」
 レミが誰にともなく聞く。

「私とケーンは、総子ちゃんのレベルアップにお付き合いや。
レミさんはキツイと思うで。
なんと言うても、総子ちゃん、マジモンの勇者やし」

「ですよね~……。
私が少々レベルアップしても、誤差の範囲だし。
最近伯母が老けこんじゃって。
生活にゆとりあり過ぎるのも考えものですね。
やっぱり心配だし、伯母の家から通ってきます」
 レミが憂い顔で言う。

レミの援助で、伯母はすっかり楽隠居。薬を作る必要もなくなり、店番程度しか用がなくなってしまった。
生活を支えながらレミをしっかり仕込む。その張り合いを失い、店を閉じようかと言いだす始末。

店を閉じたら、一層老けこむ気がする。伯母の薬屋は、レミが作った薬を並べることで、顧客は増えている。店番だけでも大儀そうだし。

最近のレミの悩みは、伯母の老後をどうするかに尽きる。

「田舎のおばあちゃん、どうしてるかな? 
八十歳で一人暮らしなんです」
 総子も憂い顔でもらす。

「ウチも家飛び出して、ずっと帰ってないし。
お父はんやお母はん、どうしとるやろ? 
…なんや湿っぽうなったな。
今晩はSランク昇格祝いや。
ぱ~っといこか…って、ケーンはくたびれて寝とるし。
とりあえず、ウチらだけでも。
わ~い! 
やったね、Sランク! 
バンザーイ!」

「わ~い。バンザーイ!」
 仕方なく万歳に付き合うレミと総子だった。
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