68 / 170
68 偏った青春
しおりを挟む
翌日。お花畑を久しぶりに見たケーンは、ユリに自宅静養を強制された。
昼前まで爆睡できた。
午後から何しようか、と昼食後切り出したら、問答無用で、後二日間の休養を命じられたわけ。
それに、なんということでしょう!
休養には、禁欲も含まれていた。二日間もエッチ抜き? そんなのムリ! と主張しても、ユリは受け付けない。
ケーンを刺激しないため、嫁たちは接触を避けるとのこと。
「なんか、つまんね~~~!」
夕方まで我慢し、ベッドの中で、ケーンはそう叫んだ。
ケーンが最も苦手にしていること。それは何もしないことだった。
久しぶりにラノベでも読んでみるか……。ケーンはアイテムボックスをあさってみる。
ふ~ん……。最近のトレンドは、ダンジョンからのネット配信なんだ?
ケーンは、驚異的な速読能力を持っている。一時間も経たないうちに、十タイトルほど読み終えた。夜の女王の遺伝子も、なかなか活躍しているのだ。
おもしろそうだけど、こっちにはパソコンもスマホもないから無理。ザマー系もなんだかな~、だし。ザマーする相手がいない。
もう少し前のトレンド「悪役令嬢系」には心ひかれる。
俺の嫁の中には、いないタイプだ。強いて言えばユリが最も近いが、令嬢タイプには程遠い。
魔王の娘が食べごろなら、最高の「悪役令嬢」なんだけど、幼女じゃね……。ジャンヌはいただいているが。
ラノベを読み漁り、そんなばかばかしいことを考えているうちに、夕食時となった。
「ケーンさん、お食事です!」
総子がノックの後、夕食を運んできた。
「ここで食べるの。俺一人で?」
ケーンは少しびっくりして聞いた。
「ユリさんが、そろそろ爆発するんじゃないかって。
切羽詰まってます?」
総子は苦笑して聞いた。ユリの知る限り、ケーンは丸一日禁欲したことがない。
少しでも刺激したら、無理でも襲ってくる、とのことだった。
よって総子は、光の女神が支給してくれた、若衆剣士スタイルで、ばっちり視線防御をしている。
「俺ってどこまで信用ないんだよ……」
ケーンは愕然とする。たしかに明日あたりには、爆発するかもだけど。
「まあ、ある意味信用があるってことじゃないでしょうか?
じゃ、ごゆっくり」
総子は盆を置いて、部屋から出ようとした。
「話し相手になってよ。襲わないから。(……多分。)
一人で飯食ってもつまんない」
「ほんとに襲わないですよね?」
「襲わない!
あのさ、総子は召喚されるまで、高校生だったんだよな?」
総子はテーブルのイスを引いて、一応腰かける。
「そうですね。ほとんど部活一辺倒の高校生活でしたけど」
「いろんなイベントがあったんだろ?
文化祭とか、体育祭、球技大会、修学旅行!」
「よく知ってますね。たしかにありました」
「一番印象に残っているのは?」
「え~っと、文化祭かな。
巻き藁をばっさばっさと真剣で。
剣道部はマイナーだけど、ヒーローになれました」
「ヒーロー?」
「くっ……。つい本音が。
男子には怖がられたっていうか……。
言わせないでください!
付いたファンは、みんな女の子でした」
「そっか~~~。うらやましい」
ケーンは、寂しそうに笑った。
そういえば、と総子は思う。ケーンさんは、学校と名がつくものに通ったことがないのだ。
周りはみんな大人の女性か、アンドロイド。アンドロイドの中にはロリ気味の子も見かけたが、おっぱいとお尻は発達していた。
幼いころは、同年輩の仲間がいなかったのだ。
「学校へ行ってみたいですか?」
「うん! 青春したい!」
総子は微笑んで、ケーンのベッドへ。
ちゅっ!
軽くほっぺに。
「青春のキスはこんなものでしょ?
ごゆっくり召し上がってください」
そう言い残し、総子は部屋から出た。
悪くない! 総子を押し倒したいという邪念が、洗われるようだった。
ケーンは、明日まで我慢することを固く決意した。
「おや?
襲われんかったんや?」
ユリは少し驚く。八割程度の確率で、なにがしかのけしからん振る舞いが、起こるだろうと予測していた。
自分かキキョウが食事を運んだら、その確率は九割以上と踏んでいた。
やはり新人には遠慮があったのかと思う。
「ケーンさん、学校生活のこと聞いてきました。
私も剣道の修行に、明け暮れてたけど、仲のいい女友達は何人もいたし」
「まあ、ケーンは、ある意味異常な環境で、生まれ育ったんや。
周りは大人の女ばっかり。
そのせいか、女の扱いは慣れとるけど、男に関しては完全にコミュ障や。
世間話も見たことない」
「男友達が、ほしいのかな?」
キキョウがぽつりと言う。
「それはないやろ!」
「それはないでしょ?」
ユリと総子は、即座に否定するのであった。
昼前まで爆睡できた。
午後から何しようか、と昼食後切り出したら、問答無用で、後二日間の休養を命じられたわけ。
それに、なんということでしょう!
休養には、禁欲も含まれていた。二日間もエッチ抜き? そんなのムリ! と主張しても、ユリは受け付けない。
ケーンを刺激しないため、嫁たちは接触を避けるとのこと。
「なんか、つまんね~~~!」
夕方まで我慢し、ベッドの中で、ケーンはそう叫んだ。
ケーンが最も苦手にしていること。それは何もしないことだった。
久しぶりにラノベでも読んでみるか……。ケーンはアイテムボックスをあさってみる。
ふ~ん……。最近のトレンドは、ダンジョンからのネット配信なんだ?
ケーンは、驚異的な速読能力を持っている。一時間も経たないうちに、十タイトルほど読み終えた。夜の女王の遺伝子も、なかなか活躍しているのだ。
おもしろそうだけど、こっちにはパソコンもスマホもないから無理。ザマー系もなんだかな~、だし。ザマーする相手がいない。
もう少し前のトレンド「悪役令嬢系」には心ひかれる。
俺の嫁の中には、いないタイプだ。強いて言えばユリが最も近いが、令嬢タイプには程遠い。
魔王の娘が食べごろなら、最高の「悪役令嬢」なんだけど、幼女じゃね……。ジャンヌはいただいているが。
ラノベを読み漁り、そんなばかばかしいことを考えているうちに、夕食時となった。
「ケーンさん、お食事です!」
総子がノックの後、夕食を運んできた。
「ここで食べるの。俺一人で?」
ケーンは少しびっくりして聞いた。
「ユリさんが、そろそろ爆発するんじゃないかって。
切羽詰まってます?」
総子は苦笑して聞いた。ユリの知る限り、ケーンは丸一日禁欲したことがない。
少しでも刺激したら、無理でも襲ってくる、とのことだった。
よって総子は、光の女神が支給してくれた、若衆剣士スタイルで、ばっちり視線防御をしている。
「俺ってどこまで信用ないんだよ……」
ケーンは愕然とする。たしかに明日あたりには、爆発するかもだけど。
「まあ、ある意味信用があるってことじゃないでしょうか?
じゃ、ごゆっくり」
総子は盆を置いて、部屋から出ようとした。
「話し相手になってよ。襲わないから。(……多分。)
一人で飯食ってもつまんない」
「ほんとに襲わないですよね?」
「襲わない!
あのさ、総子は召喚されるまで、高校生だったんだよな?」
総子はテーブルのイスを引いて、一応腰かける。
「そうですね。ほとんど部活一辺倒の高校生活でしたけど」
「いろんなイベントがあったんだろ?
文化祭とか、体育祭、球技大会、修学旅行!」
「よく知ってますね。たしかにありました」
「一番印象に残っているのは?」
「え~っと、文化祭かな。
巻き藁をばっさばっさと真剣で。
剣道部はマイナーだけど、ヒーローになれました」
「ヒーロー?」
「くっ……。つい本音が。
男子には怖がられたっていうか……。
言わせないでください!
付いたファンは、みんな女の子でした」
「そっか~~~。うらやましい」
ケーンは、寂しそうに笑った。
そういえば、と総子は思う。ケーンさんは、学校と名がつくものに通ったことがないのだ。
周りはみんな大人の女性か、アンドロイド。アンドロイドの中にはロリ気味の子も見かけたが、おっぱいとお尻は発達していた。
幼いころは、同年輩の仲間がいなかったのだ。
「学校へ行ってみたいですか?」
「うん! 青春したい!」
総子は微笑んで、ケーンのベッドへ。
ちゅっ!
軽くほっぺに。
「青春のキスはこんなものでしょ?
ごゆっくり召し上がってください」
そう言い残し、総子は部屋から出た。
悪くない! 総子を押し倒したいという邪念が、洗われるようだった。
ケーンは、明日まで我慢することを固く決意した。
「おや?
襲われんかったんや?」
ユリは少し驚く。八割程度の確率で、なにがしかのけしからん振る舞いが、起こるだろうと予測していた。
自分かキキョウが食事を運んだら、その確率は九割以上と踏んでいた。
やはり新人には遠慮があったのかと思う。
「ケーンさん、学校生活のこと聞いてきました。
私も剣道の修行に、明け暮れてたけど、仲のいい女友達は何人もいたし」
「まあ、ケーンは、ある意味異常な環境で、生まれ育ったんや。
周りは大人の女ばっかり。
そのせいか、女の扱いは慣れとるけど、男に関しては完全にコミュ障や。
世間話も見たことない」
「男友達が、ほしいのかな?」
キキョウがぽつりと言う。
「それはないやろ!」
「それはないでしょ?」
ユリと総子は、即座に否定するのであった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる