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70 「お願い」するんか~い!
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翌日、ケーンはベッドを抜け出して、雑貨店ケーンの店へ。冒険者活動は、まだ絶対禁止をユリから命じられているが、バトル抜きならそんなに怒られないだろう。VS嫁バトルも含め。
総子は、キキョウとユリ、それにブラック&ホワイト夫婦が後見につき、黄色の森で剣の修行を行っている。
「ケーン様!
大けがをなさったと聞きましたけど、大丈夫なんですか?」
メイド服姿のオートマタが、小走りでやってきた。
「今日の当番はサクラか。
もう大丈夫なんだけどさ、ユリがうるさいの。
売れ行きはどんな感じ?」
サクラは和風の趣が濃いオートマタだ。彼女のAI設定は完全に内勤向きだったとケーンは記憶している。
もちろん、戦闘もバリバリにできるが、ケンイチは、サクラに接客や事務仕事に適性を振っている。
前に少し触れたが、夜空城では様々な生産品を下界へ卸し、莫大な現金収入を得ている。
その関係で、バトル以外にも、商人や領地持ちの貴族と交渉できるオートマタも必要なのだ。
「ケーンさん、いらっしゃい。
買い物客が、かなり増えてますよ。サクラちゃんたちのおかげで、見物客はかなり減ってきてます」
メグがニコニコと歩み寄ってきた。あの表情から推したら、まずまずの繁盛と考えていいだろう。
「帳簿、見ますか?」
サクラが聞く。ケーンは一応この店のオーナーだから。
「みんな任せる。
なんか他に売りたいものない?」
お気楽オーナが、唯一不満なのは、少し程度のよい日用品しか、ユリが販売を許してくれないことだった。
「今のままでも十分以上です。
包丁類はよく切れるし、お鍋やフライパンも、使い込んだら違いが分かってくるはずです。
さびない、焦げない。あれ、どうしてなんですか?」
「それは企業秘密。あのさ、ユリに内緒で、これ売ってもらえない?」
ケーンはアイテムボックスから、三十センチほどの大きさのフィギャーを取り出した。
「人形、ですか?」
「そうなんですよ、お嬢さん!
球体関節で、手足が動かせる!
服もばっちり着せ替え可能!
脱がせて見せようか?」
「あの~、実に興味深いと思いますよ?
だけど、せっかく見物客は減ってきたんです。
また激増すると思うのですが」
メグはやはり商売人だった。やんわりと断った。
「だよね~~~!」
ケーンは出しかけたコスプレ衣装を、慌てて引っ込めた。
確かに雑貨店で、フィギャーやコスプレ衣装販売は、違和感ありまくり。
布教の道は険しい……。
「じゃあ、このボードゲーム、置いてもらえる?
遊び方は超簡単だから」
ケーンはリバーシーのセットを出した。駒も盤も木製だ。彼の父ちゃんは、将棋を広めたくせに、リバーシーには手を出さなかった。異世界転生ものの、大本命ゲームなのに。
これで巨万の富を築けると思えないが、そこそこは売れるはず。
「へ~……。個人的には盤を見たら吐き気がしますけど、どんなふうに遊ぶんですか?」
メグが眉をひそめながらも乗ってきた。確かに将棋盤と似てるね! トラウマが残ってるんだ?
「サクラ、やってみようか?」
「はい! 久しぶりですね。私が勝ったら、お願いできます?」
「いいだろう。
俺が勝ったら、お願いしていい?」
「はい!」
どっちが勝っても「お願い」するんか~い!
長く「お願い」から遠ざかっているメグは、心の中だけでつっこんだ。
それにしても、オートマタさんたち、「お願い」可能なんだ?
男性のオートマタ、いないのかな?
生身の男には懲りているが、生身じゃなければ……。長年眠り込んでいた「女」が、ちょっぴり頭をもたげるメグだった。
結果、勝利したケーンは、さくらにお願いできた。
浮気じゃないよね?
総子は、キキョウとユリ、それにブラック&ホワイト夫婦が後見につき、黄色の森で剣の修行を行っている。
「ケーン様!
大けがをなさったと聞きましたけど、大丈夫なんですか?」
メイド服姿のオートマタが、小走りでやってきた。
「今日の当番はサクラか。
もう大丈夫なんだけどさ、ユリがうるさいの。
売れ行きはどんな感じ?」
サクラは和風の趣が濃いオートマタだ。彼女のAI設定は完全に内勤向きだったとケーンは記憶している。
もちろん、戦闘もバリバリにできるが、ケンイチは、サクラに接客や事務仕事に適性を振っている。
前に少し触れたが、夜空城では様々な生産品を下界へ卸し、莫大な現金収入を得ている。
その関係で、バトル以外にも、商人や領地持ちの貴族と交渉できるオートマタも必要なのだ。
「ケーンさん、いらっしゃい。
買い物客が、かなり増えてますよ。サクラちゃんたちのおかげで、見物客はかなり減ってきてます」
メグがニコニコと歩み寄ってきた。あの表情から推したら、まずまずの繁盛と考えていいだろう。
「帳簿、見ますか?」
サクラが聞く。ケーンは一応この店のオーナーだから。
「みんな任せる。
なんか他に売りたいものない?」
お気楽オーナが、唯一不満なのは、少し程度のよい日用品しか、ユリが販売を許してくれないことだった。
「今のままでも十分以上です。
包丁類はよく切れるし、お鍋やフライパンも、使い込んだら違いが分かってくるはずです。
さびない、焦げない。あれ、どうしてなんですか?」
「それは企業秘密。あのさ、ユリに内緒で、これ売ってもらえない?」
ケーンはアイテムボックスから、三十センチほどの大きさのフィギャーを取り出した。
「人形、ですか?」
「そうなんですよ、お嬢さん!
球体関節で、手足が動かせる!
服もばっちり着せ替え可能!
脱がせて見せようか?」
「あの~、実に興味深いと思いますよ?
だけど、せっかく見物客は減ってきたんです。
また激増すると思うのですが」
メグはやはり商売人だった。やんわりと断った。
「だよね~~~!」
ケーンは出しかけたコスプレ衣装を、慌てて引っ込めた。
確かに雑貨店で、フィギャーやコスプレ衣装販売は、違和感ありまくり。
布教の道は険しい……。
「じゃあ、このボードゲーム、置いてもらえる?
遊び方は超簡単だから」
ケーンはリバーシーのセットを出した。駒も盤も木製だ。彼の父ちゃんは、将棋を広めたくせに、リバーシーには手を出さなかった。異世界転生ものの、大本命ゲームなのに。
これで巨万の富を築けると思えないが、そこそこは売れるはず。
「へ~……。個人的には盤を見たら吐き気がしますけど、どんなふうに遊ぶんですか?」
メグが眉をひそめながらも乗ってきた。確かに将棋盤と似てるね! トラウマが残ってるんだ?
「サクラ、やってみようか?」
「はい! 久しぶりですね。私が勝ったら、お願いできます?」
「いいだろう。
俺が勝ったら、お願いしていい?」
「はい!」
どっちが勝っても「お願い」するんか~い!
長く「お願い」から遠ざかっているメグは、心の中だけでつっこんだ。
それにしても、オートマタさんたち、「お願い」可能なんだ?
男性のオートマタ、いないのかな?
生身の男には懲りているが、生身じゃなければ……。長年眠り込んでいた「女」が、ちょっぴり頭をもたげるメグだった。
結果、勝利したケーンは、さくらにお願いできた。
浮気じゃないよね?
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