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『ケーン様、よろしいでしょうか?』
キキョウが念話を送ってきた。
「いいよ。キキョウも温泉に入れば?」
ケーンが答える。
「失礼します」
そう声をかけて、キキョウとジャンヌが姿を見せた。
「盗賊団、全員拘束しましたが、処置に困っています。
盗賊団というより、村全体が強盗団だったということです」
「小さな子供もいるし。どうしましょう?」
キキョウとジャンヌは困惑顔で報告。
強盗村では、同じ手口で、たびたび旅人や商人を襲っていたようだ。
本来ならその筋に連絡し、引き渡すべきだが、きっと村人全員死刑にされてしまう。子どもも含めて。
「それは参ったな……。
キキョウ、禁呪の魔法も習った?」
「闇魔法も一通り。
なるほど、隷属の魔法ですか。
名案だとは思いますが、夜の女王様の許可と、監視者が必要になります。
あれは禁呪ですから」
「俺の名前で許可する。
監視者は…父ちゃんのオートマタ借りよう。
母ちゃん、見てるんだろ?
そうだな……、あの子でいいや。
例の魔法が使えない魔法少女、キキョウが帰ったら、ボンビー村に送って」
ケーンは、父親でさえ若干持て余しているオートマタを指名した。父親は「ほのか」という名前を付けたのだが、勝手に別の名前を名乗っていることでお察し。
自律型のアンドロイドは、個性と自我を持っている。その個性と自我が災いし、正式名「ほのか」に、普通の仕事は任せられない。
魔法が使えない魔法少女? あの子、か……。キキョウは、ちっちゃくてかわいい、オートマタの姿を思い浮かべる。
本来死刑相当の村人たちだ。まあ、いいか……。
「了解しました。
ジャンヌちゃん、転位魔法おねがい」
「ラジャー! 目的地、ボンビー村!」
ジャンヌはキキョウの手を取り転移した。
「あれが聖神女の転移魔法か……。スゲー便利」
メイサは感動の目でつぶやいた。目的地を唱えただけで、魔法陣が発動し、あっと言う間に転移していった。
「元聖神女だけどね。
行ったことない場所でも転移できる。
あれだけはまねできない」
ケーンは胸を張って言う。
エミリーは思っていた。能力をわざわざ下げていることといい、意識的に貧弱な防具をつけていたことといい、そして超便利な嫁の魔法を、旅に使わないことといい。
全く不合理だ。だけど、だからこそ、メイサ様とあっという間に意気投合できたのかもしれない。
まさに超ロマンチストの「似た者夫婦」だ。
「強盗村か……。
きっとそうしなれば仕方なかった理由がある。
放ってはおけないかな」
ケーンはそうつぶやいた。
エミリーは思った。前言訂正。ケーン様は決して脳筋男ではない。
多分この評価が当たっているだろう。
英知とロマンチシズムが、混沌と同居する男。
「エミリー、これでメイサを洗ってよ!」
ケーンがどこからか、謎の白い容器を取り出した。
「どこから出したんですか!
それに、それってなんですか!」
エミリーは、びっくりして聞く。ケーンはもちろん素っ裸だ。ケーンが取りだした細いくちばしが付いたような白い容器は、ずんぐりしたティーポットほどの大きさだ。
素っ裸であれを隠し持つことなど、できるはずがない。
「ミレーユ謹製のアイテムボックス。
ボックスというより、亜空への入り口という方が妥当かな。
不可視のアイテムボックスは、ミレーユにしか作れない。
ヒカリちゃんでも無理だって。
俺が作った近い機能のバッグ、風呂から上がったら二人にやるよ」
「はあ……。その白いティーポットみたいなのは?」
「ボディーソープ!
体を洗うセッケンだね。
美肌効果も乗せてるから!」」
「はあ……。どう使えば?」
「頭をキュッキュッて押して。
くちばしみたいな先から、せっけんが出てくる」
エミリーは、ケーンの指示通り、きゅっ、きゅっ。ぴゅっ、ぴゅっ。白い粘性の液体が出てきた。
「両手をこすり合わせて泡立てる!」
「はい」
こすこす……。本当だ……。
「メイサ様、背中から」
エミリーは、メイサの背後に立つ。ゆっくり背中を洗う。たちまちメイサの白い肌が、泡まみれに。
エミリーは、クリーンの魔法が合理的だと思う。だけど、なんだかメイサ様が……。
「ふ~ん……、くすぐったいような…、だけど、気持ち…いい」
なまめかしく身もだえるメイサだった。
計算ドーリ!
メイサが、エミリーのしなやかな手で、泡だらけになっていく過程!
フィギャーのようなエミリーの裸体に、泡がちょっぴりつく風情。
俺も洗ってもらおう!
いや、体が本調子になってからだよね?
楽しいやら、まだるっこしいやら。
ケーンは決心した。この露天風呂に、常設転移魔法陣を作ってもらう!
ジャンヌに頼んだら、ほいほいと引き受けてくれるだろう。あの子は純真だから、疑うことを知らない。
キキョウが念話を送ってきた。
「いいよ。キキョウも温泉に入れば?」
ケーンが答える。
「失礼します」
そう声をかけて、キキョウとジャンヌが姿を見せた。
「盗賊団、全員拘束しましたが、処置に困っています。
盗賊団というより、村全体が強盗団だったということです」
「小さな子供もいるし。どうしましょう?」
キキョウとジャンヌは困惑顔で報告。
強盗村では、同じ手口で、たびたび旅人や商人を襲っていたようだ。
本来ならその筋に連絡し、引き渡すべきだが、きっと村人全員死刑にされてしまう。子どもも含めて。
「それは参ったな……。
キキョウ、禁呪の魔法も習った?」
「闇魔法も一通り。
なるほど、隷属の魔法ですか。
名案だとは思いますが、夜の女王様の許可と、監視者が必要になります。
あれは禁呪ですから」
「俺の名前で許可する。
監視者は…父ちゃんのオートマタ借りよう。
母ちゃん、見てるんだろ?
そうだな……、あの子でいいや。
例の魔法が使えない魔法少女、キキョウが帰ったら、ボンビー村に送って」
ケーンは、父親でさえ若干持て余しているオートマタを指名した。父親は「ほのか」という名前を付けたのだが、勝手に別の名前を名乗っていることでお察し。
自律型のアンドロイドは、個性と自我を持っている。その個性と自我が災いし、正式名「ほのか」に、普通の仕事は任せられない。
魔法が使えない魔法少女? あの子、か……。キキョウは、ちっちゃくてかわいい、オートマタの姿を思い浮かべる。
本来死刑相当の村人たちだ。まあ、いいか……。
「了解しました。
ジャンヌちゃん、転位魔法おねがい」
「ラジャー! 目的地、ボンビー村!」
ジャンヌはキキョウの手を取り転移した。
「あれが聖神女の転移魔法か……。スゲー便利」
メイサは感動の目でつぶやいた。目的地を唱えただけで、魔法陣が発動し、あっと言う間に転移していった。
「元聖神女だけどね。
行ったことない場所でも転移できる。
あれだけはまねできない」
ケーンは胸を張って言う。
エミリーは思っていた。能力をわざわざ下げていることといい、意識的に貧弱な防具をつけていたことといい、そして超便利な嫁の魔法を、旅に使わないことといい。
全く不合理だ。だけど、だからこそ、メイサ様とあっという間に意気投合できたのかもしれない。
まさに超ロマンチストの「似た者夫婦」だ。
「強盗村か……。
きっとそうしなれば仕方なかった理由がある。
放ってはおけないかな」
ケーンはそうつぶやいた。
エミリーは思った。前言訂正。ケーン様は決して脳筋男ではない。
多分この評価が当たっているだろう。
英知とロマンチシズムが、混沌と同居する男。
「エミリー、これでメイサを洗ってよ!」
ケーンがどこからか、謎の白い容器を取り出した。
「どこから出したんですか!
それに、それってなんですか!」
エミリーは、びっくりして聞く。ケーンはもちろん素っ裸だ。ケーンが取りだした細いくちばしが付いたような白い容器は、ずんぐりしたティーポットほどの大きさだ。
素っ裸であれを隠し持つことなど、できるはずがない。
「ミレーユ謹製のアイテムボックス。
ボックスというより、亜空への入り口という方が妥当かな。
不可視のアイテムボックスは、ミレーユにしか作れない。
ヒカリちゃんでも無理だって。
俺が作った近い機能のバッグ、風呂から上がったら二人にやるよ」
「はあ……。その白いティーポットみたいなのは?」
「ボディーソープ!
体を洗うセッケンだね。
美肌効果も乗せてるから!」」
「はあ……。どう使えば?」
「頭をキュッキュッて押して。
くちばしみたいな先から、せっけんが出てくる」
エミリーは、ケーンの指示通り、きゅっ、きゅっ。ぴゅっ、ぴゅっ。白い粘性の液体が出てきた。
「両手をこすり合わせて泡立てる!」
「はい」
こすこす……。本当だ……。
「メイサ様、背中から」
エミリーは、メイサの背後に立つ。ゆっくり背中を洗う。たちまちメイサの白い肌が、泡まみれに。
エミリーは、クリーンの魔法が合理的だと思う。だけど、なんだかメイサ様が……。
「ふ~ん……、くすぐったいような…、だけど、気持ち…いい」
なまめかしく身もだえるメイサだった。
計算ドーリ!
メイサが、エミリーのしなやかな手で、泡だらけになっていく過程!
フィギャーのようなエミリーの裸体に、泡がちょっぴりつく風情。
俺も洗ってもらおう!
いや、体が本調子になってからだよね?
楽しいやら、まだるっこしいやら。
ケーンは決心した。この露天風呂に、常設転移魔法陣を作ってもらう!
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