134 / 170
134 ケーン単身出張
しおりを挟む
キキョウの家での作戦会議。議題は残る不良ドラゴンをどうするか。
シャドーから得られたドラゴンの情報は、まさに雲をつかむようなものだった。
オスマック高原とガーランド峡谷。最終的な目撃情報は古く、近郷に被害は出ていない。
五十年以上休眠状態でいると推定できる。
問題は、その休眠が明けた時。一番危険な状態だ。
「まずオスマック高原に行こうと思ってる。
直近の目撃情報が五十三年前。
休眠しているとしたら、開けは近いと推定できる」
ケーンは集合した嫁たちに言う。
今回の討伐隊は、ジャンヌに代わってテレサが加わる。他は前の通りのメンバーだ。
「ケーン、ちょっと頼みたいことがあるんだけど、いいかな?」
ヒカリちゃんのテレサが、遠慮がちに言う。
ケーンや嫁たちは思う。珍しい……。なんでもずけずけ言うのが、ヒカリちゃんのカラーなんだけど。
最高神だし……。
「いいよ。何?」
ケーンが聞く。
「総子のお代わりで召喚した勇者なんだけど、なんていうかさ、人望がないの。
もちろん、悪い男じゃないのよ。
基礎能力は、ばっちりなんだけど、正義感がありすぎ?
融通が利かないというか、細かすぎるというか……。
ケーンと正反対の男だとイメージして」
「つまり、教会や諸国首脳と、そりが合わへん?」
ユリが代表して聞く。
「そうなの。付けた女神官と喧嘩別れ。
彼女がパーティに選ぼうとした、トリプルSの冒険者が、女好き属性。
やり逃げ上等?
もちろん、その冒険者は、女を切る時、金銭的な手当てを十分施してるし、お金がもらえたらOKタイプを選んでる。
それでも、その勇者は我慢できないの。
女に夢を持ちたいタイプ?
逆に言えば、女を見下してるところがあるの」
「あ~……。それでパーティが定まらん?
軽い男はあかん。
危ないこと、女にはさせらへん。
つまるところ、いわゆるボッチ勇者か……」
ユリの言葉に、嫁たちはうなずく。
ケーンは、懐が広すぎる憾(うら)みはあるが、女が嫌えないタイプだ。
その勇者は、男女を問わず、窮屈で超付き合いにくいタイプだろう。
「で、俺にどうしろと?」
ケーンが聞く。
「パーティが組めないから、経験値が伸びない。
性格もそんなだから、ケーンに指導してもらいたいの。
ケーンと付き合ったら、少しは融通が利くようになれるでしょ?
それに、私たちのパーティと出会ったら、女でも超強い者がいること、身に染みてわかるはず。
……ダメ?」
「どう?」
ケーンは嫁たちに振る。
「お世話になっている、光の女神様の依頼です。
断れませんね?」
そう言って、キキョウが嫁たちを見る。
正妻のキキョウがOKなら、異論は挟めない。気は進まないが誰も反対できなかった。
超生真面目タイプの男が、ケーンとうまく付き合えるとは、思えないのだが……。
どんな男に対しても言えることだが、新勇者とケーンは、水と油と形容するしかないだろう。
それに、今回のミッションに、嫁は表立って参加できない。ボッチに、リア充を見せつけるわけにいかないでしょ?
夜のお相手は、転移でどうとでもなる。それに、ケーンは案外身持ちが固い。
嫁と認められる女しか抱かないという、一点だけは信用できる。
嫁たちは、ケーンの単身出張を認めるしかなかった。
シャドーから得られたドラゴンの情報は、まさに雲をつかむようなものだった。
オスマック高原とガーランド峡谷。最終的な目撃情報は古く、近郷に被害は出ていない。
五十年以上休眠状態でいると推定できる。
問題は、その休眠が明けた時。一番危険な状態だ。
「まずオスマック高原に行こうと思ってる。
直近の目撃情報が五十三年前。
休眠しているとしたら、開けは近いと推定できる」
ケーンは集合した嫁たちに言う。
今回の討伐隊は、ジャンヌに代わってテレサが加わる。他は前の通りのメンバーだ。
「ケーン、ちょっと頼みたいことがあるんだけど、いいかな?」
ヒカリちゃんのテレサが、遠慮がちに言う。
ケーンや嫁たちは思う。珍しい……。なんでもずけずけ言うのが、ヒカリちゃんのカラーなんだけど。
最高神だし……。
「いいよ。何?」
ケーンが聞く。
「総子のお代わりで召喚した勇者なんだけど、なんていうかさ、人望がないの。
もちろん、悪い男じゃないのよ。
基礎能力は、ばっちりなんだけど、正義感がありすぎ?
融通が利かないというか、細かすぎるというか……。
ケーンと正反対の男だとイメージして」
「つまり、教会や諸国首脳と、そりが合わへん?」
ユリが代表して聞く。
「そうなの。付けた女神官と喧嘩別れ。
彼女がパーティに選ぼうとした、トリプルSの冒険者が、女好き属性。
やり逃げ上等?
もちろん、その冒険者は、女を切る時、金銭的な手当てを十分施してるし、お金がもらえたらOKタイプを選んでる。
それでも、その勇者は我慢できないの。
女に夢を持ちたいタイプ?
逆に言えば、女を見下してるところがあるの」
「あ~……。それでパーティが定まらん?
軽い男はあかん。
危ないこと、女にはさせらへん。
つまるところ、いわゆるボッチ勇者か……」
ユリの言葉に、嫁たちはうなずく。
ケーンは、懐が広すぎる憾(うら)みはあるが、女が嫌えないタイプだ。
その勇者は、男女を問わず、窮屈で超付き合いにくいタイプだろう。
「で、俺にどうしろと?」
ケーンが聞く。
「パーティが組めないから、経験値が伸びない。
性格もそんなだから、ケーンに指導してもらいたいの。
ケーンと付き合ったら、少しは融通が利くようになれるでしょ?
それに、私たちのパーティと出会ったら、女でも超強い者がいること、身に染みてわかるはず。
……ダメ?」
「どう?」
ケーンは嫁たちに振る。
「お世話になっている、光の女神様の依頼です。
断れませんね?」
そう言って、キキョウが嫁たちを見る。
正妻のキキョウがOKなら、異論は挟めない。気は進まないが誰も反対できなかった。
超生真面目タイプの男が、ケーンとうまく付き合えるとは、思えないのだが……。
どんな男に対しても言えることだが、新勇者とケーンは、水と油と形容するしかないだろう。
それに、今回のミッションに、嫁は表立って参加できない。ボッチに、リア充を見せつけるわけにいかないでしょ?
夜のお相手は、転移でどうとでもなる。それに、ケーンは案外身持ちが固い。
嫁と認められる女しか抱かないという、一点だけは信用できる。
嫁たちは、ケーンの単身出張を認めるしかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる