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136 事前工作
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翌朝、ケーンはいち早くギルドへ。正義は混雑を嫌って、ギルド出勤は遅いと聞いている。
クオークのギルドで、ケーンは有名人だ。ムサシパーティと共に、対魔王軍戦で無双した。
主に嫁たちが。
「よう! クオークギルドの皆さん、久しぶり!」
ケーンは、まず声を大きくして挨拶。
「俺、わけあって、陰キャ戦士とパーティ組んじゃった。
そいつ、人間嫌いな男だから、俺たちのことそっとしておいて。
その代わり、といったらなんだけど、今日はポーションをみんなに差し入れる。
受付に預けとくから、クエストが決まったら受け取って」
ケーンは、先制抱きこみ作戦に打って出た。
「ケーン、久しぶり!
要するに、話しかけなければいいの?」
以前ケーンが助けた、女冒険者がそう言った。
「その通り!
特に女だらけのパーティ組んでるなんて、そいつに知られたら、いじけられちゃう。
あ、ポーションは中級だから」
ケーンは深く腰を折って頼む。
「なんか物好きだね。
いいよ。
ケーンのことなんか知らない。
ポーションごち!」
中級ポーションは値が張る。高ランク冒険者でも、ただでもらえたらありがたい。
ケーンの抱き込み作戦は、大成功の模様。
「そういうことで。
ポーション、どれぐらいあったら足りる?」
ケーンは列に割り込んで、巨乳受付嬢のもとへ。もちろん、誰も文句は言わない。
「いいんですか?
三百本は必要だと思いますが」
受付嬢は恐縮した顔で言う。
「大丈夫!
一流薬師の嫁もいるんだ。
余ったら君が売店に売って」
そう言って、ケーンはアイテムボックスから、段ボール詰めのポーションを次々と取り出す。
「一箱百本入ってる」
ケーンは四箱、カウンターに置いた。
「本当に残り、もらっていいの?」
ギルド嬢の目は、ポーションに釘付け。
「もちろん!」
ケーンはギルド嬢にウインク。
「ありがとうございます!」
ギルド嬢は、カウンターから身を乗り出し、ケーンの頭をぎゅっと胸にハグ。
「どういたしまして。
巨乳ハグ、ごちになりました!」
ケーンは鼻の下を伸ばす。
ギルド内は大爆笑。
「キキョウさんやユリさん?
今度会ったら言いつけちゃう!」
女冒険者がいじってくる。
「大丈夫!
俺の嫁は、みんな寛大だから。
くどいようだけど、話しかけないで」
「お~け~! みんな、ケーンにお礼の拍手!」
和やかな空気の中で、拍手が起こった。
ヒカリちゃんのためだもんね。惜しくないよ。
『ケーン、愛してる!』
ヒカリちゃんの声が、ケーンの頭に響いた。
さて、まだ時間はあるだろう。旧交を温めちゃう!
ケーンは単身出張の役得を、ちょっぴり味わうことにした。
「おねえさんたち、今日はどんなクエスト?」
ケーンは、なじみの女冒険者パーティに話しかけた。
「見ない顔だな。
気安く話しかけるんじゃねえよ!
行こうか?」
女冒険者たちは、笑いをかみ殺してギルドから出て行った。
もう入っているのね?
ケーンは、ちょっぴりだが気落ちした。
「見かけない顔の冒険者さん、今晩お食事でもどうですか?」
巨乳受付嬢がそう言った。
「ごめん!
夜は嫁たちに義理があるんだ。
できれば、もう一度ハグを……」
「はい!
いくらでも!」
ぎゅっ、ふにゅ……。
中級ポーション約百本の威力は絶大だった。
クオークのギルドで、ケーンは有名人だ。ムサシパーティと共に、対魔王軍戦で無双した。
主に嫁たちが。
「よう! クオークギルドの皆さん、久しぶり!」
ケーンは、まず声を大きくして挨拶。
「俺、わけあって、陰キャ戦士とパーティ組んじゃった。
そいつ、人間嫌いな男だから、俺たちのことそっとしておいて。
その代わり、といったらなんだけど、今日はポーションをみんなに差し入れる。
受付に預けとくから、クエストが決まったら受け取って」
ケーンは、先制抱きこみ作戦に打って出た。
「ケーン、久しぶり!
要するに、話しかけなければいいの?」
以前ケーンが助けた、女冒険者がそう言った。
「その通り!
特に女だらけのパーティ組んでるなんて、そいつに知られたら、いじけられちゃう。
あ、ポーションは中級だから」
ケーンは深く腰を折って頼む。
「なんか物好きだね。
いいよ。
ケーンのことなんか知らない。
ポーションごち!」
中級ポーションは値が張る。高ランク冒険者でも、ただでもらえたらありがたい。
ケーンの抱き込み作戦は、大成功の模様。
「そういうことで。
ポーション、どれぐらいあったら足りる?」
ケーンは列に割り込んで、巨乳受付嬢のもとへ。もちろん、誰も文句は言わない。
「いいんですか?
三百本は必要だと思いますが」
受付嬢は恐縮した顔で言う。
「大丈夫!
一流薬師の嫁もいるんだ。
余ったら君が売店に売って」
そう言って、ケーンはアイテムボックスから、段ボール詰めのポーションを次々と取り出す。
「一箱百本入ってる」
ケーンは四箱、カウンターに置いた。
「本当に残り、もらっていいの?」
ギルド嬢の目は、ポーションに釘付け。
「もちろん!」
ケーンはギルド嬢にウインク。
「ありがとうございます!」
ギルド嬢は、カウンターから身を乗り出し、ケーンの頭をぎゅっと胸にハグ。
「どういたしまして。
巨乳ハグ、ごちになりました!」
ケーンは鼻の下を伸ばす。
ギルド内は大爆笑。
「キキョウさんやユリさん?
今度会ったら言いつけちゃう!」
女冒険者がいじってくる。
「大丈夫!
俺の嫁は、みんな寛大だから。
くどいようだけど、話しかけないで」
「お~け~! みんな、ケーンにお礼の拍手!」
和やかな空気の中で、拍手が起こった。
ヒカリちゃんのためだもんね。惜しくないよ。
『ケーン、愛してる!』
ヒカリちゃんの声が、ケーンの頭に響いた。
さて、まだ時間はあるだろう。旧交を温めちゃう!
ケーンは単身出張の役得を、ちょっぴり味わうことにした。
「おねえさんたち、今日はどんなクエスト?」
ケーンは、なじみの女冒険者パーティに話しかけた。
「見ない顔だな。
気安く話しかけるんじゃねえよ!
行こうか?」
女冒険者たちは、笑いをかみ殺してギルドから出て行った。
もう入っているのね?
ケーンは、ちょっぴりだが気落ちした。
「見かけない顔の冒険者さん、今晩お食事でもどうですか?」
巨乳受付嬢がそう言った。
「ごめん!
夜は嫁たちに義理があるんだ。
できれば、もう一度ハグを……」
「はい!
いくらでも!」
ぎゅっ、ふにゅ……。
中級ポーション約百本の威力は絶大だった。
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