改訂 勇者二世嫁探しの旅

nekomata-nyan

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137 勇者様とクエスト

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 日が昇り切ったころ、正義がギルドのドアを開けた。すでにギルドは閑散としている。

 正義は、ケーンの後姿に気づいた。

 巨乳受付嬢と、楽しそうに話してるし……。あいつ、コミュ能力は抜群のようだ。

 悔しくなんか…ないんだから!

 硬派正義は、じんわりにじむ涙を腕でぬぐった。

「おい。待たせたな」
 正義は、ケーンの背中に向かって言う。

「ああ、ミランダさん(のおっぱいの谷間)と、お話しできたから全然いいよ」
 ケーンは、ぐっと顔を引き締め、振り返った。

「眠れなかったの?
なんか目が赤いぞ」
 
「眠りすぎたんだ!」

「そうなんだ?」

「そうなんだよ!」

「オーク討伐、選んでおいたから。
行こうか?」
 ケーンは、正義の肩をポンとたたいた。

「そういえば、名前も聞いてなかった」
 正義は気づいてそう言った。

「宿で聞いた。正義だろ?
カッコいい名前だな。
俺はケーン」

「名前負けだよ……って、お前、セイギの意味知ってるのか?」
 正義は少し驚く。

「ああ、光の女神が召喚した前の勇者、ちょっとした知り合いなんだ。
ニッポンのサイタマ出身なんだってさ。
セイギシッコウが口癖だった。
いわゆる飲み友?」

「もしかして、前の勇者、ハゲ?」
 正義は遠慮がちに聞く。

「あれは当分はげないと思うけど……。
どうして?」

「いや、なんとなく。
行こうか」
 正義はきびすを返した。

「ちょ、待てよ!」
 ケーンは、キ〇タク風に言ってみた。

「お前、日本詳しいの?」
 正義は不審の目でケーンをにらむ。

「どうして?」
 ケーンは、とぼけてはぐらかす。
 
 なんか得体のしれないやつだ……。まあ、いいか。

 正義は黙ってギルドを出て行った。

 ケーンは思う。ヒーロー系で、悪ふざけし過ぎた?

 付き合うのは難しい相手だろうけど、からかうのは結構楽しい。
 
 ケーンは男にとって、友人にしたくないやつ、NO1かもしれない。


 ケーンと正義は、徒歩でクオークの町を出た。馬があれば効率はアップするが、正義は馬を持っていなかった。売ったのかもしれない。

 ケーンは、ブラックを呼ばなかった。ヤローと二人乗りなんて、死んでもヤダ!

 ケーンは、「索敵」の能力全開で歩みを進める。正義の実力以上の魔物や、大きな群れにぶち当たったら具合が悪い。必然的に無口になる。
正義はギルドを出て以来、一言も口を開かなかった。

ケーンは、なんだか精神修養を積んでいる気分。このような気づまり感は生まれて初めて。
勇者のボディガード? なぜなんだろう?

その勇者様の体格は長身でいかつい。なんでも、半グレグループに絡まれた女性を助けようとして、ナイフで刺され、殉職したらしい。

日本も結構物騒だ。

あの後ろ姿、誰かを連想するな……。

そうだ! ゼニガ〇のトッツアン! がに股の具合といい、四角い顔といい。
勇者召喚時には、十五、六歳時に調整される。トッツアンの少年時代は、きっとあんな感じ。

ケーンは、自分の性格が、ルパ〇Ⅲに近いことに気づかなかった。

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