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166 コスモタートルはゴキブリンのごとく
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ケーンは戦闘機コスモタートル、コックピットに乗り込む。
エルファード星人は、艦船や艦載機に通称を付けることさえ、めんどくさいらしい。
また、電脳たちも勝手に名前を付けることはしない。区別する必要があれば、型式で呼ぶ。
ちなみに、ケーンとミゾレが乗った機種はF75改だ。今のケーンのノリは、コスモタイガーなのだが、どう見てもタイガーには見えない。いわゆる円盤型だから。
精一杯の妥協点が、コスモタートルだったわけ。『ガメラ』という、映画もあったことだし。
コスモタートル一番機と二番機は、トマト格納庫口から落とされる。次の瞬間、一気に加速。母艦から急速に離脱。
もともと戦闘機に、エルファード星人が乗り込むことはありえない。したがって、操縦席もF75にはついていなかった。
ケンイチの趣味で、自立的な操縦機能を施された十機が、F75改である。ケーンやアンドロイドたちが、戦闘機で絶対遊びたがることを見抜いていたから。
もちろんケンイチも、たまにコダイススム君気分を満喫している。
そんなわけで……。
二機のF75改は、ゴキブリンが這う如くもつれあう。宇宙空間で、慣性を無視した急加速、急減速、鋭角ターン。
ちなみに、ゴキブリンとは、C級に属する魔物だ。体長五十センチほどの昆虫魔物。森林で住み、下草を音もなく駆け回る。雑食性で、非常にたくましい生命力を持っている。
厄介なのは、その隠密スキルと敏捷性。重力や慣性を無視した動きで、討伐は大変厄介だ。しかも、素材は全く売り物にならない。
冒険者にとって、最高レベルの嫌われ者なのだ。特に、女冒険者が遭遇した場合……、はい。省略します。
油断したら、家にも忍び込みますよ。
F75改は、もちろんゴキブリンの敏捷性と比較にならない。
搭載した電脳の力を借りなければ、いくら超人的な動体視力を持つ、ケーンやミゾレでも、仮想敵機を追うことはできない。
F75改の一番機と二番機の性能は同等。
搭載した火器は、訓練用の人機無害の安全仕様。それでも、ケンイチが全力を傾注した仕事だ。レーザーパルス砲やレールガンは、「撃ったった!」「やられた!」感を、リアルに演出している。
つまり、アンジェラではできない、ドッグファイトがやり放題。
それなら、ケーンが三日間夢中になって遊んだ、シュミュレーションで十分なのでは?
答えはノーです!
宇宙空間で、実機を使うことが重要なのです!
VARの恋愛シュミュレーションより、現実の彼女の部屋で、生身の女の子をくどく方が、絶対楽しいでしょ!
そうでもない? 言われてみたら、そうかも……。
たしかに現実はキビシー! だがしかし、それを乗り越えてこそ、リアル試行錯誤の結果、達成感が味わえるのです。
あるいは、絶望感が……。
「やられちゃったよ……。ミゾレ、降参」
ケーンはがっくり。アラームが鳴ったと思ったら、ケーン機に衝撃。「あんたの完敗」という、文字がモニターに映った。
「ケーン様、よく約二分も耐えましたね!
相手は私だから、誇っていいですよ」
二番機から、勝ち誇った通信が届いた。
カチン!
「もう一丁!」
気合一発、再戦を挑むケーンだった。
ケーンとミゾレは、母艦に帰還。コックピットから降りる。
ケーンは人間の非力さを痛切に味わっていた。ミゾレに十連敗。ミゾレ機のシールドに当てることさえ、一度もなかった。
「ケーン様、たった三日の訓練で、相当習熟できてます。
私はコスモタートル専用に、プログラムされてますから」
ミゾレが気の毒そうな顔で、ケーンの肩を抱く。
「どうやって、当ててるの?」
ケーンは力なく聞く。
「データ分析と勘ですよ。データからケーン様の動きを分析し、この辺にくるかな、というところを狙ってます。
人間の反射神経で、とらえることは無理です」
なるほど、とケーンは思う。さすが父ちゃんとエルファード電脳が組んだプログラム。たった二分足らずで、俺の動き方を分析したのか。
二度目以降は、十秒もたなかった。なんか、キキョウに襲撃されたオーク気分。
「ケーン様、仲間たちから聞いてます。
ケーン様にかわいがってもらったら、能力倍増!
それは、ケンイチ様やエルファードの電脳でも、分析できないケーン様のチート能力。
どうかお力を!」
ミゾレは、いそいそと戦闘スーツを脱いだ。
そうだよね……。人間には色々な力が秘められている。どんなに高性能な機械でも、実現できないような。
いっちょうやったるか~~~!
ケーンは、ズッコンバッコンと、人間の力を示した。
殺風景な戦闘機の格納庫、意外にいい!
ミゾレの反応や、色々なパーツの具合もね! 父ちゃん、完成度抜群だよ!
「ケーン様、もう……。
CPUが…熱暴走しちゃいます」
最後は完全勝利のケーンだった。
「ケーンさん、やけに遅かったですね?」
管制室に帰ったら、ジャンヌがそう声をかけてきた。帰還してから一時間以上経過していた。
「ジャンヌちゃん、聞いちゃダメ。
ミゾレちゃんは、生まれて一か月。
ケーンさんと付き合いが短いの」
モニターで格納庫を観察していたサーシャはにやり。
サーシャにとって、オートマタたちは、気の置けない友人だった。彼女が生まれて作ることができた。
エルファード星人は、艦船や艦載機に通称を付けることさえ、めんどくさいらしい。
また、電脳たちも勝手に名前を付けることはしない。区別する必要があれば、型式で呼ぶ。
ちなみに、ケーンとミゾレが乗った機種はF75改だ。今のケーンのノリは、コスモタイガーなのだが、どう見てもタイガーには見えない。いわゆる円盤型だから。
精一杯の妥協点が、コスモタートルだったわけ。『ガメラ』という、映画もあったことだし。
コスモタートル一番機と二番機は、トマト格納庫口から落とされる。次の瞬間、一気に加速。母艦から急速に離脱。
もともと戦闘機に、エルファード星人が乗り込むことはありえない。したがって、操縦席もF75にはついていなかった。
ケンイチの趣味で、自立的な操縦機能を施された十機が、F75改である。ケーンやアンドロイドたちが、戦闘機で絶対遊びたがることを見抜いていたから。
もちろんケンイチも、たまにコダイススム君気分を満喫している。
そんなわけで……。
二機のF75改は、ゴキブリンが這う如くもつれあう。宇宙空間で、慣性を無視した急加速、急減速、鋭角ターン。
ちなみに、ゴキブリンとは、C級に属する魔物だ。体長五十センチほどの昆虫魔物。森林で住み、下草を音もなく駆け回る。雑食性で、非常にたくましい生命力を持っている。
厄介なのは、その隠密スキルと敏捷性。重力や慣性を無視した動きで、討伐は大変厄介だ。しかも、素材は全く売り物にならない。
冒険者にとって、最高レベルの嫌われ者なのだ。特に、女冒険者が遭遇した場合……、はい。省略します。
油断したら、家にも忍び込みますよ。
F75改は、もちろんゴキブリンの敏捷性と比較にならない。
搭載した電脳の力を借りなければ、いくら超人的な動体視力を持つ、ケーンやミゾレでも、仮想敵機を追うことはできない。
F75改の一番機と二番機の性能は同等。
搭載した火器は、訓練用の人機無害の安全仕様。それでも、ケンイチが全力を傾注した仕事だ。レーザーパルス砲やレールガンは、「撃ったった!」「やられた!」感を、リアルに演出している。
つまり、アンジェラではできない、ドッグファイトがやり放題。
それなら、ケーンが三日間夢中になって遊んだ、シュミュレーションで十分なのでは?
答えはノーです!
宇宙空間で、実機を使うことが重要なのです!
VARの恋愛シュミュレーションより、現実の彼女の部屋で、生身の女の子をくどく方が、絶対楽しいでしょ!
そうでもない? 言われてみたら、そうかも……。
たしかに現実はキビシー! だがしかし、それを乗り越えてこそ、リアル試行錯誤の結果、達成感が味わえるのです。
あるいは、絶望感が……。
「やられちゃったよ……。ミゾレ、降参」
ケーンはがっくり。アラームが鳴ったと思ったら、ケーン機に衝撃。「あんたの完敗」という、文字がモニターに映った。
「ケーン様、よく約二分も耐えましたね!
相手は私だから、誇っていいですよ」
二番機から、勝ち誇った通信が届いた。
カチン!
「もう一丁!」
気合一発、再戦を挑むケーンだった。
ケーンとミゾレは、母艦に帰還。コックピットから降りる。
ケーンは人間の非力さを痛切に味わっていた。ミゾレに十連敗。ミゾレ機のシールドに当てることさえ、一度もなかった。
「ケーン様、たった三日の訓練で、相当習熟できてます。
私はコスモタートル専用に、プログラムされてますから」
ミゾレが気の毒そうな顔で、ケーンの肩を抱く。
「どうやって、当ててるの?」
ケーンは力なく聞く。
「データ分析と勘ですよ。データからケーン様の動きを分析し、この辺にくるかな、というところを狙ってます。
人間の反射神経で、とらえることは無理です」
なるほど、とケーンは思う。さすが父ちゃんとエルファード電脳が組んだプログラム。たった二分足らずで、俺の動き方を分析したのか。
二度目以降は、十秒もたなかった。なんか、キキョウに襲撃されたオーク気分。
「ケーン様、仲間たちから聞いてます。
ケーン様にかわいがってもらったら、能力倍増!
それは、ケンイチ様やエルファードの電脳でも、分析できないケーン様のチート能力。
どうかお力を!」
ミゾレは、いそいそと戦闘スーツを脱いだ。
そうだよね……。人間には色々な力が秘められている。どんなに高性能な機械でも、実現できないような。
いっちょうやったるか~~~!
ケーンは、ズッコンバッコンと、人間の力を示した。
殺風景な戦闘機の格納庫、意外にいい!
ミゾレの反応や、色々なパーツの具合もね! 父ちゃん、完成度抜群だよ!
「ケーン様、もう……。
CPUが…熱暴走しちゃいます」
最後は完全勝利のケーンだった。
「ケーンさん、やけに遅かったですね?」
管制室に帰ったら、ジャンヌがそう声をかけてきた。帰還してから一時間以上経過していた。
「ジャンヌちゃん、聞いちゃダメ。
ミゾレちゃんは、生まれて一か月。
ケーンさんと付き合いが短いの」
モニターで格納庫を観察していたサーシャはにやり。
サーシャにとって、オートマタたちは、気の置けない友人だった。彼女が生まれて作ることができた。
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