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16 アジトを根こそぎ
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無人惑星ワルソーダ。宙賊のアジトは、その衛星の一つに設けられていた。辺境惑星カナリアへ往来する客船や商船が彼らの飯のタネ。
カナリア星ガダル辺境伯は、宙賊団を本格的に討伐するなどという、めんどくさいことはしない。
パトロール艦を、定期的に巡回させる程度の対策しか施していない。
「ボス、バルから通信が届きました! 『ヤバい、やられそう』だそうです。
どうしますか?」
通信手がボスにご注進。通信は原始的な電波を使用しているため、タイムラグがあること、断っておく。
「な~に~~~! おいしそうな獲物発見と、言ってきたんだろ?」
テーブルに両足を伸ばしていたボスが立ち上がる。彼は黒ひげを生やしたビア樽という感じ。あるいは、剣が刺さったら樽から飛び出すオヤジ?
「バルには緑、赤、白のアニキたちがいる。よほどの使い手が乗ってたんじゃないっすか?」
「制圧された、と見るべきか……。まあ、しょうがね~」
運が悪ければ死ぬだけの話だ。ボスは直ちに割り切った。
「ボス、交渉人から連絡が入りませんね?」
別の手下が話題を変える。
「スルガヤは応じるつもりないのかな。まあ、期限は後三日残ってる。
それまでは手を出すんじゃねえぞ!」
ボスの言葉を少し解説しよう。宙賊にとって営利誘拐は重要な資金源。金になりそうな人質は大切に扱う。大金をはたいて人質を助けたのに、傷物になっていた、などという噂が広がっては、他の交渉の成否に関わるからだ。
宙賊団は三日前、客船を襲撃。金にならない乗組員や客は全員殺したが、大商人の娘が乗っていた。その大商人が「スルガヤ」だったというわけ。
宙賊団は「交渉人」という、専門職と契約している。もちろん、「交渉人」は人質の家と身代金の交渉をする役割を果たす。成功報酬を五割取るのは、それほど危険な仕事だからだ。
宙賊団としては、交渉が成立すれば儲けもの、と考えている。失敗しても人質をおいしくいただければ、それはそれでいい。
どっか~~ん! どっか~~ん!
アジトの中に爆発音が聞こえた。
続いて、ガガガガガ……、出入り口の分厚い隔壁が破壊される。
「ボス! 監視船二隻と隔壁がぶっ壊されました!」
監視当番の手下が飛び込んできた。
「な~に~~~! やっちまったな!
非常用の隔壁を下ろせ!」
ボスが命じる。
「もう下ろしてますよ!」
ガガガガガ……。
「お代わり、壊されたみたいです」
手下は、へなへな~っと崩れ落ちる。
「誰が攻撃してきた!」
「わかりませんよ。レーダや光学監視機器に、なんにも映ってなかった」
「そんなバカな!」
ボスのこめかみに、血管が浮き上がる。
「ボス、変な鎧を着たやつがカチコミです!
数は四人です!」
別の手下が、駆け込んできた。
「おもしれ~~~!
全員迎え撃て!」
ボスはアダマンタイト製の両手斧を手に取る。
久しぶりの出入り! たぎるぜ!
変な鎧は、紫、赤、青。そして白。エウァシリーズ、そしてカンタム。ミミはこっそり持ってきていた。最初からその気でいたということ。
ちなみに、監視船と隔壁は、輸送船?の魔弾バルカンの餌食となった。魔導砲は威力がありすぎて、アジト自体を破壊しかねない。
「おりゃ~~!」
赤のエウァ二号機、マミが長剣でドアを切り裂く。
「設備はできるだけ壊さないように!
売り飛ばしたら金になる」
青の零号機、エルが注意を与える。
「あのさ、扉壊しちゃったら、中の物、宇宙空間に吸い出されない?」
カンタムタイプのジャックが物申す。エウァやカンタムを着用したら、真空でもなぜだか活動できるが。
『魔力結界が施されてるですにゃん。
安心して暴れてくださいにゃん。
ただし、結界発生装置、高く売れるから壊わさにゃいでください』
輸送艇?で待機しているミミから連絡が入る。
「せの~~~!」
ドカン! 紫の初号機、リンが扉を蹴飛ばした。扉はふっとんだ。
「やろ~! てめぇら……」
ズバ!
「おい!」
ズバ!
「ひゃ~!」
ズバ!
宙賊たちの首が、ぼろぼろと落ちていく。エウァやカンタムの振るう剣と技が鋭すぎて、首が飛ばないのだ。
手あたり次第、問答無用で四人の蹂躙は続き、そして、宙賊たちは誰もいなくなった。
「こいつ、いい斧持ってた。
高く売れそう」
マミはボスの斧を拾いご機嫌だった。魔法の袋にしまう。
「お宝、ゆっくりあさろう。
ミミ、見えてるでしょ?
高そうな備品、見繕って。
それと、言われた通り、ボスの頭ヒールかけて袋に入れたけど、こんなものどうするの?」
リンが輸送艇?に呼びかけた。
『了解ですにゃん!
ボスの頭は、使い道があるかもしれにゃいですにゃん。
あっと、まだ生体反応があるですにゃん。
全然動かにゃいから、捕虜かもしれにゃい。
いきにゃり斬らにゃいでくださいにゃん』
「捕虜なら多分女?
ジャック、命の恩人になりな」
弟に思いやりを示すリンだった。
カナリア星ガダル辺境伯は、宙賊団を本格的に討伐するなどという、めんどくさいことはしない。
パトロール艦を、定期的に巡回させる程度の対策しか施していない。
「ボス、バルから通信が届きました! 『ヤバい、やられそう』だそうです。
どうしますか?」
通信手がボスにご注進。通信は原始的な電波を使用しているため、タイムラグがあること、断っておく。
「な~に~~~! おいしそうな獲物発見と、言ってきたんだろ?」
テーブルに両足を伸ばしていたボスが立ち上がる。彼は黒ひげを生やしたビア樽という感じ。あるいは、剣が刺さったら樽から飛び出すオヤジ?
「バルには緑、赤、白のアニキたちがいる。よほどの使い手が乗ってたんじゃないっすか?」
「制圧された、と見るべきか……。まあ、しょうがね~」
運が悪ければ死ぬだけの話だ。ボスは直ちに割り切った。
「ボス、交渉人から連絡が入りませんね?」
別の手下が話題を変える。
「スルガヤは応じるつもりないのかな。まあ、期限は後三日残ってる。
それまでは手を出すんじゃねえぞ!」
ボスの言葉を少し解説しよう。宙賊にとって営利誘拐は重要な資金源。金になりそうな人質は大切に扱う。大金をはたいて人質を助けたのに、傷物になっていた、などという噂が広がっては、他の交渉の成否に関わるからだ。
宙賊団は三日前、客船を襲撃。金にならない乗組員や客は全員殺したが、大商人の娘が乗っていた。その大商人が「スルガヤ」だったというわけ。
宙賊団は「交渉人」という、専門職と契約している。もちろん、「交渉人」は人質の家と身代金の交渉をする役割を果たす。成功報酬を五割取るのは、それほど危険な仕事だからだ。
宙賊団としては、交渉が成立すれば儲けもの、と考えている。失敗しても人質をおいしくいただければ、それはそれでいい。
どっか~~ん! どっか~~ん!
アジトの中に爆発音が聞こえた。
続いて、ガガガガガ……、出入り口の分厚い隔壁が破壊される。
「ボス! 監視船二隻と隔壁がぶっ壊されました!」
監視当番の手下が飛び込んできた。
「な~に~~~! やっちまったな!
非常用の隔壁を下ろせ!」
ボスが命じる。
「もう下ろしてますよ!」
ガガガガガ……。
「お代わり、壊されたみたいです」
手下は、へなへな~っと崩れ落ちる。
「誰が攻撃してきた!」
「わかりませんよ。レーダや光学監視機器に、なんにも映ってなかった」
「そんなバカな!」
ボスのこめかみに、血管が浮き上がる。
「ボス、変な鎧を着たやつがカチコミです!
数は四人です!」
別の手下が、駆け込んできた。
「おもしれ~~~!
全員迎え撃て!」
ボスはアダマンタイト製の両手斧を手に取る。
久しぶりの出入り! たぎるぜ!
変な鎧は、紫、赤、青。そして白。エウァシリーズ、そしてカンタム。ミミはこっそり持ってきていた。最初からその気でいたということ。
ちなみに、監視船と隔壁は、輸送船?の魔弾バルカンの餌食となった。魔導砲は威力がありすぎて、アジト自体を破壊しかねない。
「おりゃ~~!」
赤のエウァ二号機、マミが長剣でドアを切り裂く。
「設備はできるだけ壊さないように!
売り飛ばしたら金になる」
青の零号機、エルが注意を与える。
「あのさ、扉壊しちゃったら、中の物、宇宙空間に吸い出されない?」
カンタムタイプのジャックが物申す。エウァやカンタムを着用したら、真空でもなぜだか活動できるが。
『魔力結界が施されてるですにゃん。
安心して暴れてくださいにゃん。
ただし、結界発生装置、高く売れるから壊わさにゃいでください』
輸送艇?で待機しているミミから連絡が入る。
「せの~~~!」
ドカン! 紫の初号機、リンが扉を蹴飛ばした。扉はふっとんだ。
「やろ~! てめぇら……」
ズバ!
「おい!」
ズバ!
「ひゃ~!」
ズバ!
宙賊たちの首が、ぼろぼろと落ちていく。エウァやカンタムの振るう剣と技が鋭すぎて、首が飛ばないのだ。
手あたり次第、問答無用で四人の蹂躙は続き、そして、宙賊たちは誰もいなくなった。
「こいつ、いい斧持ってた。
高く売れそう」
マミはボスの斧を拾いご機嫌だった。魔法の袋にしまう。
「お宝、ゆっくりあさろう。
ミミ、見えてるでしょ?
高そうな備品、見繕って。
それと、言われた通り、ボスの頭ヒールかけて袋に入れたけど、こんなものどうするの?」
リンが輸送艇?に呼びかけた。
『了解ですにゃん!
ボスの頭は、使い道があるかもしれにゃいですにゃん。
あっと、まだ生体反応があるですにゃん。
全然動かにゃいから、捕虜かもしれにゃい。
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