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17 捕虜救出
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ジャックはカンタムの探知機能をオン。ジャックの探知魔法より、優れた機能を持っている。ジャックの探知魔法は、大きな魔力反応を探るもので、微細な魔力は探知できない。
狩りの時、情報が多すぎたらかえって邪魔だからだ。
奥の方の部屋に、二人が固まっているようだ。抱き付いている感じ?
「もっし、も~し。
捕虜さんですか?
宙賊は全部やっつけましたので。
ドア、ぶち破るけどびっくりしないでください」
ジャックは注意を喚起し、ヒュン、ヒュン。剣でドアをX斬り。ガン! ドアをけ破る。
部屋にはベッド二台と、便器が備えられているだけだった。隅で女性二人が抱き合っている。
「大丈夫ですか?」
震える二人にジャックが呼びかける。
「はい……。どなたでしょう?」
中年の女性が聞いた。
「ジャックです。名乗るほどの者じゃありません」
ほどじゃないけど名乗っちゃいました。陽性コミュ障ジャック、結構テンパってます。
「そのフルフェイスの兜、超怖いんですけど。
襲いません?」
女性は勇気を振り絞って聞いた。ロボットのような全身鎧は、返り血で全身真っ赤に染まっていた。
「おっと、デリカシーに欠けてましたね。
清浄!」
ジャックが魔法を唱えたら、白い全身鎧はきれいになり、鈍く光った。
ジャックは剣を背負った鞘に納め、顔の部分に触れた。顔の部分が自動ドアのように開き、ジャックの素顔が。
若い方の女性が、ようやくジャックに視線を向けた。
「かわいい…?」
どうしてかわいい?
どうして疑問符が付く?
なんとなく腑に落ちないジャックだった。
輸送艇内。モニターに映るグロ画面を見ていられず、エリナとルカは個室に籠っていた。エルフィアは、武門に生きる者の意地として管制室に残っている。実戦経験はないので、実は気分が悪くなっているけど。
「ルカ、ジャックのお情け、いただきましたか?」
エリナは十六歳。女官による性教育が始まったばかり。好奇心旺盛のお年頃。
「まだです……」
ルカは頬を染めてうつむく。
「そうなんですか……。なんか、かわいい方ですね?」
たくましい肉体に、なぜだか乙女顔。エリナはジャックのギャップに好感を持っていた。
「そうでしょ! あの顔でとっても強い。それに紳士的なんです!
ジャックの母親も、ゆっくり付き合えばいいのと言ってくれますし」
「そうですか。ルカ、お気に入りなんですね?」
エリナは年上の初々しい反応を、ほほえましく見る。
「はい。とってもよくしてくれます。ところで、皇帝陛下はどうしてエリナ様を残したのでしょう?」
「ジャックを落とすためです。陛下は、わたくしの嫁ぎ先に困っておりました。
帝国以外の星に嫁がせるのはしのびない。貴族家に降嫁させるのも問題が多い。お姉さま方の例がありますから。
派閥争いに全然関係ないジャックに嫁いだら、余計な波風が立たない。
なんといってもコダカーラ星の資源は魅力です。
わたくしは、それ以上にハウスの秘密を知りたい。
なんとしてでも」
「私はハウスのこと、まだ詳しく存じませんが、とにかくとんでもない代物だということは間違いありません」
ルカは深くうなずいて言う。
「ルカ、わたくしが落とすのですよ?
ジャックを」
エリナは悪い顔をして笑う。
「はい。ジャックのお情けを、いただいていなくてよかったです。
存分に落としてくださいませ」
ルカは寂しそうに微笑む。
「あなたも落としたらいいじゃないですか?
身を引く必要はありません。
あなたやフィアなら、わたくしは大丈夫です。
あなたは大丈夫じゃないのですか?」
「本当に、いいのでしょうか?」
「はい。本当にいいです」
「フィアさんも、ですか?」
「フィアの気持ちは聞いてませんが、あの娘(こ)公言してるでしょ?
自分より強い男にしか嫁がない」
「ジャックは確実に強いですね。フィアさんより」
宇宙空間にハーレムフラグが立った模様。
「でも、フィアとジャックが睦みあう様子、想像できませんね?」
「プッ……」
皇女ジョークに、ルカは思わず吹き出してしまった。氷の剣士と乙女顔戦士のいちゃラブ?
たしかに……。
「エリナ様がそんなお気持ちなら、いいことを教えて差し上げます。
ジャック、何歳だとお思いですか?」
「いいこと?
なんでしょう?」
「何歳ぐらいだとお思いでしょう?」
ルカは、もったいをつける。さっきのやり取りは、自分をからかっているとしか思えない。ちょっとした仕返し。
「そうですね……。あなたがそう言う以上、見た目より歳をとっているのでしょうか……。
案外二十歳近い?」
「八十歳です。それに、彼のご両親は、あの遠征隊唯一の生き残りです」
「八十歳! そ、そんなバカな!
隊長代行のエリオス、百年以上生きているのですか!
モニターの彼、どう見てもせいぜい四十代でした!」
「ウソではありません。ウソとしか思えないでしょうが。
冒険者を経験した方、どなたかご存じでしょうか?
そういえば、近衛騎士のジョン・クラウド殿、お兄様がお亡くなりになる前、ダンジョンに潜っていたとうかがいました。
他の騎士の方と比べると、ずいぶん若々しいですよね?
ダンジョンに潜っていたら、若くいられるということです。
コダカーラは、惑星自体がダンジョン奥深くと同等、あるいはそれ以上?
魔物を倒したらステイタスがアップします。
魔物やあの星の食物を日常的に食べたら、若さと健康に抜群の効果があるようです。
たった一日ですが、現にお肌具合、全然違います」
「なるほど……。そんな秘密があったのですか……。
たしかにルカ、あの星へ行く前より輝いてます。
てっきり……」
「てっきり?」
「ジャックと経験したからかな、っと?」
「もう! エリナ様!」
ルカは、かわいく皇女をにらむのだった。
狩りの時、情報が多すぎたらかえって邪魔だからだ。
奥の方の部屋に、二人が固まっているようだ。抱き付いている感じ?
「もっし、も~し。
捕虜さんですか?
宙賊は全部やっつけましたので。
ドア、ぶち破るけどびっくりしないでください」
ジャックは注意を喚起し、ヒュン、ヒュン。剣でドアをX斬り。ガン! ドアをけ破る。
部屋にはベッド二台と、便器が備えられているだけだった。隅で女性二人が抱き合っている。
「大丈夫ですか?」
震える二人にジャックが呼びかける。
「はい……。どなたでしょう?」
中年の女性が聞いた。
「ジャックです。名乗るほどの者じゃありません」
ほどじゃないけど名乗っちゃいました。陽性コミュ障ジャック、結構テンパってます。
「そのフルフェイスの兜、超怖いんですけど。
襲いません?」
女性は勇気を振り絞って聞いた。ロボットのような全身鎧は、返り血で全身真っ赤に染まっていた。
「おっと、デリカシーに欠けてましたね。
清浄!」
ジャックが魔法を唱えたら、白い全身鎧はきれいになり、鈍く光った。
ジャックは剣を背負った鞘に納め、顔の部分に触れた。顔の部分が自動ドアのように開き、ジャックの素顔が。
若い方の女性が、ようやくジャックに視線を向けた。
「かわいい…?」
どうしてかわいい?
どうして疑問符が付く?
なんとなく腑に落ちないジャックだった。
輸送艇内。モニターに映るグロ画面を見ていられず、エリナとルカは個室に籠っていた。エルフィアは、武門に生きる者の意地として管制室に残っている。実戦経験はないので、実は気分が悪くなっているけど。
「ルカ、ジャックのお情け、いただきましたか?」
エリナは十六歳。女官による性教育が始まったばかり。好奇心旺盛のお年頃。
「まだです……」
ルカは頬を染めてうつむく。
「そうなんですか……。なんか、かわいい方ですね?」
たくましい肉体に、なぜだか乙女顔。エリナはジャックのギャップに好感を持っていた。
「そうでしょ! あの顔でとっても強い。それに紳士的なんです!
ジャックの母親も、ゆっくり付き合えばいいのと言ってくれますし」
「そうですか。ルカ、お気に入りなんですね?」
エリナは年上の初々しい反応を、ほほえましく見る。
「はい。とってもよくしてくれます。ところで、皇帝陛下はどうしてエリナ様を残したのでしょう?」
「ジャックを落とすためです。陛下は、わたくしの嫁ぎ先に困っておりました。
帝国以外の星に嫁がせるのはしのびない。貴族家に降嫁させるのも問題が多い。お姉さま方の例がありますから。
派閥争いに全然関係ないジャックに嫁いだら、余計な波風が立たない。
なんといってもコダカーラ星の資源は魅力です。
わたくしは、それ以上にハウスの秘密を知りたい。
なんとしてでも」
「私はハウスのこと、まだ詳しく存じませんが、とにかくとんでもない代物だということは間違いありません」
ルカは深くうなずいて言う。
「ルカ、わたくしが落とすのですよ?
ジャックを」
エリナは悪い顔をして笑う。
「はい。ジャックのお情けを、いただいていなくてよかったです。
存分に落としてくださいませ」
ルカは寂しそうに微笑む。
「あなたも落としたらいいじゃないですか?
身を引く必要はありません。
あなたやフィアなら、わたくしは大丈夫です。
あなたは大丈夫じゃないのですか?」
「本当に、いいのでしょうか?」
「はい。本当にいいです」
「フィアさんも、ですか?」
「フィアの気持ちは聞いてませんが、あの娘(こ)公言してるでしょ?
自分より強い男にしか嫁がない」
「ジャックは確実に強いですね。フィアさんより」
宇宙空間にハーレムフラグが立った模様。
「でも、フィアとジャックが睦みあう様子、想像できませんね?」
「プッ……」
皇女ジョークに、ルカは思わず吹き出してしまった。氷の剣士と乙女顔戦士のいちゃラブ?
たしかに……。
「エリナ様がそんなお気持ちなら、いいことを教えて差し上げます。
ジャック、何歳だとお思いですか?」
「いいこと?
なんでしょう?」
「何歳ぐらいだとお思いでしょう?」
ルカは、もったいをつける。さっきのやり取りは、自分をからかっているとしか思えない。ちょっとした仕返し。
「そうですね……。あなたがそう言う以上、見た目より歳をとっているのでしょうか……。
案外二十歳近い?」
「八十歳です。それに、彼のご両親は、あの遠征隊唯一の生き残りです」
「八十歳! そ、そんなバカな!
隊長代行のエリオス、百年以上生きているのですか!
モニターの彼、どう見てもせいぜい四十代でした!」
「ウソではありません。ウソとしか思えないでしょうが。
冒険者を経験した方、どなたかご存じでしょうか?
そういえば、近衛騎士のジョン・クラウド殿、お兄様がお亡くなりになる前、ダンジョンに潜っていたとうかがいました。
他の騎士の方と比べると、ずいぶん若々しいですよね?
ダンジョンに潜っていたら、若くいられるということです。
コダカーラは、惑星自体がダンジョン奥深くと同等、あるいはそれ以上?
魔物を倒したらステイタスがアップします。
魔物やあの星の食物を日常的に食べたら、若さと健康に抜群の効果があるようです。
たった一日ですが、現にお肌具合、全然違います」
「なるほど……。そんな秘密があったのですか……。
たしかにルカ、あの星へ行く前より輝いてます。
てっきり……」
「てっきり?」
「ジャックと経験したからかな、っと?」
「もう! エリナ様!」
ルカは、かわいく皇女をにらむのだった。
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