ハウス  転生チートヲタの遺産  

nekomata-nyan

文字の大きさ
18 / 24

18 宙賊殲滅イベントの後始末

しおりを挟む
 一方宙賊団アジトでは……、

「姉ちゃんたち、もういいんじゃね?」
 ジャックはあきれて物申す。宙賊団のアジトは、すっかり殺風景になっていた。魔法の袋に姉妹は片っ端から押し込んでいる。現金やら美術品、宝石貴金属類はまだわかる。
ミミの指示を受けながら、色々な機械類までせっせと外して袋にイン。

「現金、全然持ってないんだから!」
「私たち、コダカーラを離れる。
先立つものは絶対必要なの!」
 リンとマミは、聞く耳持たない。

「ねねね!
この本、薄いけど超やらし~~~!
さっきリアル映像も見たけど、こっちの方がそそる!」
 エルだけは、別の方面に興味を向けていた。

「この人たちと先に輸送艇へ帰る。
ずっと閉じ込められてたんだから」
 兄弟の中で、ジャックが一番理性的かもしれない。


 ジャックは監禁されていた二人を連れて、輸送艇に帰還。

『まず、クリーンルームに入ってくださいにゃん。
宙賊のアジトですから、どんなバイキンがいるか、わからにゃいです」
 ミミが指示する。

「了解。宇宙服、もう脱いでいいよ。宙賊の宇宙服なんて、着ていたくないだろ?」
 ジャックはそう言ってクリーンルームへ。

 捕虜の女性は、恐る恐るジャックに続く。ジャックはカンタムから出て言う。
「服、これに着替えて。下着も脱ぐこと。ここに入れたら洗浄・殺菌してくれるから」
 ジャックは白い貫頭衣をロッカーから取り出し、二人に渡した。

「あっと、着替えは見ちゃダメなんだったな。
後ろ向いてるから、心配しないで」
 ジャックには、少しデリカシーが備わってきた。

 二人は軽くうなずき、服を脱ぎ始めた。

 衣擦れっていったかな? ちょっとそそる。若い方、わりと好みだし。お付きのメイド? 熟女の方も、なかなかだし……。

 二人を救出したジャックの労力は、少し報われた。


 医療ポッドでメディカルチエックを受け、捕虜二人はリビングに。姉妹は、まだ帰っていなかった。リビングではジャックの他、エリナとエルフィアがソファーに座って、お茶を飲んでいた。

「大変な目にあいましたね?
わたくしはエリナと呼んでください」
 エリナがやさしく微笑んで言う。

「助けてくださってありがとうございます。
私はオリビア・ハスレー。一応スルガヤの娘ということになります」

「メイドのセレナ・ビギーです。お救い下さり、感謝申し上げます」
 セレナも深く頭を下げる。

「わたくしは何もしていませんから。
お礼ならジャックに。
それと、『一応』とおっしゃいましたよね?」
 エリナは二人に言う。二人は疲れた顔をしていたが、それほど宙賊の待遇は悪くなかったのだろう。やつれては見えない。メディカルチェックも、大きな問題はないと出ている。

「父は私の身代金なんて、絶対出さない。
それでお察しください。
宙賊に一度監禁された娘など、もう価値はないとみるでしょう」
 オリビアは自虐的に言う。

「ふ~、なるほど……」
 エリナは、おおよそを察した。スルガヤは、娘を商品としてしか見ない。そして、多分娘の母親は、日陰を余儀なくされる筋。

「スルガヤとは?」
 世間を全く知らないジャックが聞く。

「カナリア星の商人ですよね?
いわゆる新興財閥です」
 エリナは、ガダル辺境伯嗣子の披露宴で、スルガヤから挨拶を受けていた。エリナの記憶力は抜群で、人をある程度見抜ける魔力的な才能も持っていた。
それは皇帝の血筋に、かなりの割合で発現するスキルだった。

 スルガヤは金になるなら何でもする。そんなタイプだとエリナは見ていた。
 たしかに金にならないことは、なんにもしないだろう。ましてや、損になることなど絶対しない。あの男なら。

「で、どうしますか?」
 エリナは単刀直入で聞く。

「死んだことにしてください」
 オリビアは、悲痛な表情で応えた。オリビアは多分自分と変わらない年頃だろう。エリナはオリビアが憐れでならない。

「ジャック、なんとかなります?」

「まあ、なんとかするよ。
父ちゃんと母ちゃんに頼んであげる」
 ジャックはニブチンだが、雰囲気だけは察した。この娘(こ)放ってはおけない。

「セレナはどうする?」
 オリビアが聞く。
「お嬢様が死んだことになるなら、私も帰れません。
家事に関してはなんでもできます。
どうかオリビアお嬢様といっしょに」
 セレナは再び頭をさげた。ジャックはセレナの貫頭衣のおっぱいが気になる。ずいぶんご立派なものをお持ちで。母ちゃんとタメ?

 いけないですか? 母親以外の巨乳ならいいんだよ! ジャックの気持ちを代弁しておきます。


 十分あさりつくし満足したのか、姉妹が管制室に帰ってきた。

「ミミ、たっぷり収穫はあった。
宙賊の船も含めて、どうさばけばいい?」
 マミが上機嫌で聞く。

「まともなルートでは、さばけにゃいですにゃんね。
ボスの頭出してくださいにゃん。
蛇の道は蛇、ボスに教えてもらうですにゃん!」

「なるほど!
だから持って帰れと言ったのか。ミミ、やる~~~!」

 マミに褒められ、ミミはかわいくはにかんだ。相当グロい話だけど。


 一方リビングでは、善後策を話し合っていた。

「ガダル辺境伯は、はっきり言ってドケチです。
討伐報酬、大して出さないと思います。
下手したら、宙賊が貯めていた宝も、取り上げようとするかもしれません」
 エリナは容赦なく辺境伯を批判する。あれだけ大規模な宙賊を放置していたのだ。ひょっとしたら、宙賊と通じていた、なんてこともあるかもしれない。

「姉ちゃんたち、絶対許さないな。
辺境伯と戦争になっちゃう。
じゃあ、俺たちはなんにもしなかった、ということで」
 ジャックは賢明な判断を下した。聴取を受けることも避けたいし、コダカーラはそっとしておいてほしい。

「それがいいと思います。
アジトはどうしますか?」
 エリナが聞く。

「多分死体だけしか残ってないよ。
ミミに頼んで破壊してもらう。
コダカーラへ帰ろう」
 全員うなずく。証拠隠滅の方針にみんな賛成だった。強欲領主を儲けさせるのはいやだし、余計な詮索をされるのは、もっといやだった。


 コダカーラへの帰りは、宙賊の船四隻をリモートコントロールで曳航している。ワープは使えないから、ゆっくりとした航宙となった。

「そうですか。もうすぐ着きますか。
ご苦労ですが、ガダル辺境伯に、おもいきり嫌味をかましなさい。
皇室専用艦が襲撃されたのです。
重大な責任問題です。
幸いコダカーラ産のポーションで、けが人は回復しましたが、五人も戦死者を出してしまいました。
陛下に報告するから、謹慎して処分を待つように伝えなさい」
 エリナは皇室専用艦エレガントの指揮官と、通信で会話していた。

『はっ! エリナ様のお怒り、十分伝えます。
きっと生きた心地、しないでしょうな?』
 指揮官はニヤリと笑って応えた。あの辺境伯、いい噂は聞かない。ど田舎惑星だから、好き勝手にふるまっているともっぱらの噂だ。

『本艦が曳航する宙賊船、いかがいたしましょう?』
 指揮官が問う。

「ミミさん、あの宙賊船、時価はどれぐらいになりますか?」
 エリナが操縦席のミミに聞く。

「相当改造しているみたいですにゃん。
あの火器とエンジン、どこから手に入れたか……。
普通にゃらスクラップにして1千万オーラ。火器とエンジン、もろもろシステムを闇ルートにばら売りしたら10億。
そのまま闇ルートににゃがしたら50億オーラ。
エンジンと火器のルートをつついたら、80億ぐらい吹っ掛けても、きっと応じるですにゃん」

「つまり、エンジンと火器は、辺境伯宙軍からの横流し?」

「間違いにゃいですにゃん!」

「百億オーラ、びた一オーラまけないと伝えなさい。
おまけに宙賊の死体もつけて」

『了解しました!』
 指揮官は、会心の笑顔で応え、通信を閉じた。

「エリニャさん。あの船を証拠として残したら、辺境伯の首、きっと飛ぶですにゃんよ?」

「あのぼんくら強欲領主、かえって扱いやすいです。
下手に勤勉な領主に代わってしまったら、コダカーラが面倒なことになりかねません。
戦死者や負傷者への賠償金も含めて、絞れるだけ絞り取ればよいのです」

「エリニャさん、あんたも悪よの~」

「その方こそ。ヒヒヒヒ」
 エリナは結構ノリのいい皇女だった。

 ちなみに、「オーラ」は帝国通貨単位です。1オーラ1円程度とご理解ください。もう一つ。ミミは「な」という音を「にゃ」と発音すること、すでにお気づきだと思います。読みにくいと思いますが、なにせヲタの自己満基準ですからお許しください。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...