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62 俊也の作戦えげつな~
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式を大量に準備するため、嫁たちは白い廃魔石顔料につけて乾かした紙を、左のおっぱいにあてて毎日を過ごした。
実験の結果、式の活動時間は、当てている時間と正比例していることがわかった。一時間に対して一分。
邪魔な時、つまり入浴やエッチ遂行時は、外していても、あてていた時間自体が、問題であることも分かった。
猫又式魔法術は言いにくいので、嫁たちはみなイメージ魔法、ナイト(俊也形態含む)の姿が見えないときには、ネコマと呼ぶようになっている。
オリジナルである猫又ナイトは、『猫まんまみたいでヤダ』と、正式名にこだわっているが。
式の効果、つまり、発動できる魔法の威力は、魔力量とネコマ…イメージ魔法の習熟度によって大きく違う。
たとえば、攻撃魔法限定で免許皆伝のルラタイプ式が、アイスアローを込めた場合、中クラスの威力を持った魔法までが、一度だけ発動できる。
炎系統の魔法は、燃え広がる可能性があるので、使用禁止としたが、みんな思い思いの魔法を込めている。
したがって威力も魔法も、様々な式が生産されている。これは敵の能力確認だけではなく、十分なかく乱戦術となる。
式の面が割れないよう、どの嫁もキャップをかぶり、濃いサングラスをかけ、顔半分を隠すマスクを着けて、鏡を見ながら作業を進めている。
一種異様な光景だ。おそらく日本では、見慣れた光景だろうが。
「猫又大先生、この式、どのように使うのですか? 敵に魔法を使わせる。それはわかりますが、具体的には?」
ローランが聞く。
「そんなこと俊也に聞け」
頭脳を使うのは俊也、ナイトはそう決めている。自分で下手に考えるより、ずっと効果的だとわかっていた。
「俊也さ~ん。いつ、どこで使います?」
ローランは猫又ナイトを抱き上げ、頬ずりしながら聞く。
『コホン、いい質問だ。
エンラン、少人数の敵を攻撃するとき、最も効果的なのは?』
ナイトの中の俊也が聞く。
「中規模魔法、威力数倍マシマシの……」
『そうできたらいいね。
町中では絶対無理。
移動中でも、確実に道を壊す。それに目立ち過ぎる。
わかるね?』
「なるほど、それはそうだ。じゃ、親玉をピンポイントで狙う」
『そうできたらいいね。
だけど、親玉は腐っても大魔導師。一筋縄ではいかない。
式の攻撃力では到底無理』
「なるほど…。じゃ、どうします?」
『交替で見張りは立てるだろう。
毎晩式が出て、王都に帰れ~、このまま進んだら、のろわれるぞ~、と言い続けたら?
式の姿は、キャップをかぶったサングラス&マスクの女。
怖くない?』
「怖いかもです……」
エンランは想像してぞっとする。
『確実に神経はすり減らされる。
しかも、式はいろいろな魔法を放ち、すぐ消えてしまう。
怖いだろ?』
「超怖いかもです……」
エンランは想像して、もっとぞっとした。
夜にトイレ行けなくなるよ~。
『うろたえて、きっと魔法を放つ。
式も炎属性以外の魔法を放つ。
それが宿屋ならどうなる?』
「追い出されます。きっと賠償金も取られます」
『だよね~。親玉は有名人だから、請求を無視できない。
何度も続けば、相当な額になるだろうし、噂はきっと広まる。
そうなったら、野宿するしかないよね。
大チャンスだろ?
式が夜中に大挙襲撃する。それが毎晩続く。
ある程度理性を持った部下なら、きっと逃げ出す。
何人かは確実だと思う。
それでも親玉は来るかもだけど、戦いはずっと楽になる。
魔法で重要なのは集中力だろ?
残った部下も相当病んでるはずだ。
ここでアンの精神魔法、そして別荘につながる山道に、数々のトラップ。
この別荘に被害は出したくない。
ここで五か所に設けた転移魔法拠点。
遠距離魔法は、小規模威力中の魔法が使いやすい。
道のことを考えても、威力大は避けたい。
猫又大先生の言葉のとおり、魔力は属性効果と合わさって、物理的な力に変換される。
反属性の初等魔法を当てて、相殺するしかないんだ。
間断なく四方から発射される魔法。たとえ大魔導師でも防ぎきれないと思う。
それでも生き残ったら、猫又ナイト2が確実に親玉を始末する。
雑魚は君たちでなんとかなるだろ?
多分いやがらせ工作で、諦めると思ってるけど』
「見事な作戦だが、めんどくさい。俺と親玉が決闘すればいいのだ」
猫又ナイトが反論する。
なぜかと言えば、毎晩嫌がらせするのは、式が使える自分だけだ。嫁たちはあの映画(※日本で見た『陰陽師』という作品を指す)を見てないし、おそらく式は使えないだろう。
ルラやエレン、フラワーなら可能かもしれないが、妊婦を夜中に働かせたくない。
ここで魔導師同士の、タイマンを説明しよう。実力者同士の一対一なら、発動速度で勝負はほぼ決まる。
待機魔法は普通一発が限界。猫又ナイトは二つの魔法陣を待機させることが可能だ。
もちろん、前もって魔法陣を描き、時限式で発動させることも可能だが、決闘場所を調査したら、簡単に消せる。
大魔導師クラスの長距離せん滅魔法とは、以前述べた通り、核ミサイルのようなもの。
打ち合ったら双方が滅ぶ。したがって、抑止力としてか意味を持たない。
かつて猫又ナイト2が恐れられたのは、瞬間移動と核ミサイルのような魔法を連発したからだ。
『ナイト、重要なことを見落としてるぞ。
相手がタイマン勝負なんか、するわけない。
数は向こうが多いだろう。姿は絶対見せてはいけない』
俊也が頭の中で反論する。
そういえば、親玉は暗殺大好きの腹黒いやつだった。
俊也の言う通りだ。ナイトはそう納得するも…、
「昼寝は譲れないぞ!」
『もちろん。美女・美少女の添い寝付きだ。やるだろ?』
「うん。やる」
ナイトはすぐさま承諾した。
だが、内心思っていた。腹黒大魔導師でも、こいつには勝てない。味方や民間人を傷つけたくない。それはわかる。
それにしても、こいつ以上に、えげつない作戦を思いつくやつはいない。
その作戦、客観的に考えたら相当あこぎだろ?
ナイトはポナンと手下たちが、少しばかり気の毒に思えた。
実験の結果、式の活動時間は、当てている時間と正比例していることがわかった。一時間に対して一分。
邪魔な時、つまり入浴やエッチ遂行時は、外していても、あてていた時間自体が、問題であることも分かった。
猫又式魔法術は言いにくいので、嫁たちはみなイメージ魔法、ナイト(俊也形態含む)の姿が見えないときには、ネコマと呼ぶようになっている。
オリジナルである猫又ナイトは、『猫まんまみたいでヤダ』と、正式名にこだわっているが。
式の効果、つまり、発動できる魔法の威力は、魔力量とネコマ…イメージ魔法の習熟度によって大きく違う。
たとえば、攻撃魔法限定で免許皆伝のルラタイプ式が、アイスアローを込めた場合、中クラスの威力を持った魔法までが、一度だけ発動できる。
炎系統の魔法は、燃え広がる可能性があるので、使用禁止としたが、みんな思い思いの魔法を込めている。
したがって威力も魔法も、様々な式が生産されている。これは敵の能力確認だけではなく、十分なかく乱戦術となる。
式の面が割れないよう、どの嫁もキャップをかぶり、濃いサングラスをかけ、顔半分を隠すマスクを着けて、鏡を見ながら作業を進めている。
一種異様な光景だ。おそらく日本では、見慣れた光景だろうが。
「猫又大先生、この式、どのように使うのですか? 敵に魔法を使わせる。それはわかりますが、具体的には?」
ローランが聞く。
「そんなこと俊也に聞け」
頭脳を使うのは俊也、ナイトはそう決めている。自分で下手に考えるより、ずっと効果的だとわかっていた。
「俊也さ~ん。いつ、どこで使います?」
ローランは猫又ナイトを抱き上げ、頬ずりしながら聞く。
『コホン、いい質問だ。
エンラン、少人数の敵を攻撃するとき、最も効果的なのは?』
ナイトの中の俊也が聞く。
「中規模魔法、威力数倍マシマシの……」
『そうできたらいいね。
町中では絶対無理。
移動中でも、確実に道を壊す。それに目立ち過ぎる。
わかるね?』
「なるほど、それはそうだ。じゃ、親玉をピンポイントで狙う」
『そうできたらいいね。
だけど、親玉は腐っても大魔導師。一筋縄ではいかない。
式の攻撃力では到底無理』
「なるほど…。じゃ、どうします?」
『交替で見張りは立てるだろう。
毎晩式が出て、王都に帰れ~、このまま進んだら、のろわれるぞ~、と言い続けたら?
式の姿は、キャップをかぶったサングラス&マスクの女。
怖くない?』
「怖いかもです……」
エンランは想像してぞっとする。
『確実に神経はすり減らされる。
しかも、式はいろいろな魔法を放ち、すぐ消えてしまう。
怖いだろ?』
「超怖いかもです……」
エンランは想像して、もっとぞっとした。
夜にトイレ行けなくなるよ~。
『うろたえて、きっと魔法を放つ。
式も炎属性以外の魔法を放つ。
それが宿屋ならどうなる?』
「追い出されます。きっと賠償金も取られます」
『だよね~。親玉は有名人だから、請求を無視できない。
何度も続けば、相当な額になるだろうし、噂はきっと広まる。
そうなったら、野宿するしかないよね。
大チャンスだろ?
式が夜中に大挙襲撃する。それが毎晩続く。
ある程度理性を持った部下なら、きっと逃げ出す。
何人かは確実だと思う。
それでも親玉は来るかもだけど、戦いはずっと楽になる。
魔法で重要なのは集中力だろ?
残った部下も相当病んでるはずだ。
ここでアンの精神魔法、そして別荘につながる山道に、数々のトラップ。
この別荘に被害は出したくない。
ここで五か所に設けた転移魔法拠点。
遠距離魔法は、小規模威力中の魔法が使いやすい。
道のことを考えても、威力大は避けたい。
猫又大先生の言葉のとおり、魔力は属性効果と合わさって、物理的な力に変換される。
反属性の初等魔法を当てて、相殺するしかないんだ。
間断なく四方から発射される魔法。たとえ大魔導師でも防ぎきれないと思う。
それでも生き残ったら、猫又ナイト2が確実に親玉を始末する。
雑魚は君たちでなんとかなるだろ?
多分いやがらせ工作で、諦めると思ってるけど』
「見事な作戦だが、めんどくさい。俺と親玉が決闘すればいいのだ」
猫又ナイトが反論する。
なぜかと言えば、毎晩嫌がらせするのは、式が使える自分だけだ。嫁たちはあの映画(※日本で見た『陰陽師』という作品を指す)を見てないし、おそらく式は使えないだろう。
ルラやエレン、フラワーなら可能かもしれないが、妊婦を夜中に働かせたくない。
ここで魔導師同士の、タイマンを説明しよう。実力者同士の一対一なら、発動速度で勝負はほぼ決まる。
待機魔法は普通一発が限界。猫又ナイトは二つの魔法陣を待機させることが可能だ。
もちろん、前もって魔法陣を描き、時限式で発動させることも可能だが、決闘場所を調査したら、簡単に消せる。
大魔導師クラスの長距離せん滅魔法とは、以前述べた通り、核ミサイルのようなもの。
打ち合ったら双方が滅ぶ。したがって、抑止力としてか意味を持たない。
かつて猫又ナイト2が恐れられたのは、瞬間移動と核ミサイルのような魔法を連発したからだ。
『ナイト、重要なことを見落としてるぞ。
相手がタイマン勝負なんか、するわけない。
数は向こうが多いだろう。姿は絶対見せてはいけない』
俊也が頭の中で反論する。
そういえば、親玉は暗殺大好きの腹黒いやつだった。
俊也の言う通りだ。ナイトはそう納得するも…、
「昼寝は譲れないぞ!」
『もちろん。美女・美少女の添い寝付きだ。やるだろ?』
「うん。やる」
ナイトはすぐさま承諾した。
だが、内心思っていた。腹黒大魔導師でも、こいつには勝てない。味方や民間人を傷つけたくない。それはわかる。
それにしても、こいつ以上に、えげつない作戦を思いつくやつはいない。
その作戦、客観的に考えたら相当あこぎだろ?
ナイトはポナンと手下たちが、少しばかり気の毒に思えた。
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