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初めての旅行
第八十話
「雪、今日の予定はどうする? ビーチに行こうか?」
二日目の朝、まだベッドで微睡む俺の横に腰掛けて髪を撫でる。朝の柔らかな日差しを背中にイケメン度が増していて、それはそれは眩しいくらいで。
「ビーチ……?」
「行きたがってたろ? 水着を買ってから向かおう」
「あ……っはい!」
と、元気に返事をしたはいいけれど、身体がどうにもダルい。腰が重くて無理っぽい。けれど海には行きたい。須賀の水着姿を見たいし目に焼き付けたいんだ。
不純な動機というのはどこからかわからないが力が湧いてくるというもの。俺はバスルームへと向かった。
「う、わ……」
洗面台の前の大きな鏡に映し出された自分に驚いた。首のあちこちに赤い痣が出来ていた。思わず首元に触れると肩にも痣がある。バスローブの紐を解いて身体を顕にするとチラリと二の腕の内側にもそれが見えた。
──え……
バスローブをずらし腕を伸ばして直接二の腕を見ると、やっぱりある。その視線の先の脇腹にもある。焦って再び鏡の中の自分を見た。身体をよじって後ろを見ると腰の骨ばったところにも尻臀にも。足元を覗くと内ももにもある。
昨夜の残像が思い出されてカアっと身体が熱くなる。ずるずると洗面台の前でしゃがみ込み内ももの痣をこすった。
──これってさ、あれだよね、キ……キスマーク……
「どうした?」
ドアの隙間から顔を出した須賀が驚いて駆け寄ってきた。でもすぐにくすっと鼻で笑われた。はだけた胸を人差し指でなぞられてしまう。
「……っ」
慌てて前を隠そうとするがもう遅かった。須賀の手が胸元に滑り込んでいて、まるで俺が須賀の手を留まらせてるみたいで須賀を挑発してしまった。
「ひとりで楽しむのは良くないなぁ」
「た、のしんでるわけじゃ……」
「本当のところ、どうしたの?」
侵入してた手が退いて俺の頭を撫でる。須賀が覗き込んできて、俺はふるふると顔を振って否定した。
「無理させ過ぎたか」
静かな声でそう呟くと俺を抱き上げ洗面台に乗せた。そして洗面台のレバーを上げて勢いよくお湯を出すと、小さなタオルを濡らし始めた。大きな手でそれを絞ると、俺の顔を拭きはじめる。熱めの温度が心地よい。
「んっ」
「ほら、目を瞑れ」
顔を拭かれ耳の裏や首まで拭かれる。
「須賀さんっ、いいです、自分で」
「ん?」
「……自分でやるので、ありがとうございます」
タオルを受け取ろうとするが腕を上げられてしまう。
「あ……の……」
「名前で呼ぶんじゃなかったのか?」
「あ……」
そうだった。自分から言っといて今名前で呼んでた。
「も、元親さん……」
「うん」
「自分でやるので、タオルを……」
「私がやるよ」
そう言ってバスローブから肩を出させる。拭かれたところが外気にあたり少し涼しく感じ、身震いがした。須賀の顔が近づいて肩をちゅっと吸われて、どんどんバスローブは下にずれていき、キスも一緒に下へと移動する。
「元親さん……恥ずかしい……」
「キスマークが残ってていやらしいな……」
舌を這わせながら上書きするかのように昨夜の跡を辿られると、腹の奥がきゅっと疼いてついに須賀の胸にしがみつく。
「元親さん、ビーチどころじゃなくなる……無理」
「そうだなぁ、こんなキスマークだらけの雪の裸を皆に見せるわけにもいかんな」
俺の髪を撫でながら須賀は笑ってる。
「雪をずっと抱いていたいところだが、それでは旅行にならない。ちゃんと抑える、ごめん」
「……」
「睨まれてるのにかわいいな」
ちゅっと髪にキスを落とすと須賀が離れた。
──睨んでなんか……
むしろ、このまま続けてほしくて堪らないのに。
「支度できるか? ゆっくりでいいよ。私はその間仕事を済ませる」
「……はい」
バスルームから出ていったあと、しばらく洗面台に座ったまま火照った身体を落ち着かせた。
二日目の朝、まだベッドで微睡む俺の横に腰掛けて髪を撫でる。朝の柔らかな日差しを背中にイケメン度が増していて、それはそれは眩しいくらいで。
「ビーチ……?」
「行きたがってたろ? 水着を買ってから向かおう」
「あ……っはい!」
と、元気に返事をしたはいいけれど、身体がどうにもダルい。腰が重くて無理っぽい。けれど海には行きたい。須賀の水着姿を見たいし目に焼き付けたいんだ。
不純な動機というのはどこからかわからないが力が湧いてくるというもの。俺はバスルームへと向かった。
「う、わ……」
洗面台の前の大きな鏡に映し出された自分に驚いた。首のあちこちに赤い痣が出来ていた。思わず首元に触れると肩にも痣がある。バスローブの紐を解いて身体を顕にするとチラリと二の腕の内側にもそれが見えた。
──え……
バスローブをずらし腕を伸ばして直接二の腕を見ると、やっぱりある。その視線の先の脇腹にもある。焦って再び鏡の中の自分を見た。身体をよじって後ろを見ると腰の骨ばったところにも尻臀にも。足元を覗くと内ももにもある。
昨夜の残像が思い出されてカアっと身体が熱くなる。ずるずると洗面台の前でしゃがみ込み内ももの痣をこすった。
──これってさ、あれだよね、キ……キスマーク……
「どうした?」
ドアの隙間から顔を出した須賀が驚いて駆け寄ってきた。でもすぐにくすっと鼻で笑われた。はだけた胸を人差し指でなぞられてしまう。
「……っ」
慌てて前を隠そうとするがもう遅かった。須賀の手が胸元に滑り込んでいて、まるで俺が須賀の手を留まらせてるみたいで須賀を挑発してしまった。
「ひとりで楽しむのは良くないなぁ」
「た、のしんでるわけじゃ……」
「本当のところ、どうしたの?」
侵入してた手が退いて俺の頭を撫でる。須賀が覗き込んできて、俺はふるふると顔を振って否定した。
「無理させ過ぎたか」
静かな声でそう呟くと俺を抱き上げ洗面台に乗せた。そして洗面台のレバーを上げて勢いよくお湯を出すと、小さなタオルを濡らし始めた。大きな手でそれを絞ると、俺の顔を拭きはじめる。熱めの温度が心地よい。
「んっ」
「ほら、目を瞑れ」
顔を拭かれ耳の裏や首まで拭かれる。
「須賀さんっ、いいです、自分で」
「ん?」
「……自分でやるので、ありがとうございます」
タオルを受け取ろうとするが腕を上げられてしまう。
「あ……の……」
「名前で呼ぶんじゃなかったのか?」
「あ……」
そうだった。自分から言っといて今名前で呼んでた。
「も、元親さん……」
「うん」
「自分でやるので、タオルを……」
「私がやるよ」
そう言ってバスローブから肩を出させる。拭かれたところが外気にあたり少し涼しく感じ、身震いがした。須賀の顔が近づいて肩をちゅっと吸われて、どんどんバスローブは下にずれていき、キスも一緒に下へと移動する。
「元親さん……恥ずかしい……」
「キスマークが残ってていやらしいな……」
舌を這わせながら上書きするかのように昨夜の跡を辿られると、腹の奥がきゅっと疼いてついに須賀の胸にしがみつく。
「元親さん、ビーチどころじゃなくなる……無理」
「そうだなぁ、こんなキスマークだらけの雪の裸を皆に見せるわけにもいかんな」
俺の髪を撫でながら須賀は笑ってる。
「雪をずっと抱いていたいところだが、それでは旅行にならない。ちゃんと抑える、ごめん」
「……」
「睨まれてるのにかわいいな」
ちゅっと髪にキスを落とすと須賀が離れた。
──睨んでなんか……
むしろ、このまま続けてほしくて堪らないのに。
「支度できるか? ゆっくりでいいよ。私はその間仕事を済ませる」
「……はい」
バスルームから出ていったあと、しばらく洗面台に座ったまま火照った身体を落ち着かせた。
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