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第二章 恋愛と友愛
第三話
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「ちょっと、ツラ貸して」
肩を叩かれ振り向くと「君を呼んでいるよ」とクラスメイトが廊下を指していた。その先にはカケルがムスッとした顔で俺を待っている。呼んでくれたクラスメイトにありがとうと言うとカケルに付いていった。
転校一日目に連れて行かれた体育館裏。その時とは呼び出した相手は違うが、俺はまた喧嘩を売られているらしい。
「……で、なんでしょうか?」
胸の前で腕を組んで俺を睨みつけている。俺はこの状況が巴の耳に入らないように手早く済ませたかったから単刀直入にカケルに言った。
「巴のこと?」
カケルは俺を睨みつけたまま、そうだと言った。
「お前のことが気に入らない」
「うーん、それは残念だな。おにーちゃんの友達だから俺も仲良くしたかったんだけど」
「ち……っ」
「話がないなら帰るけど?」
この呼び出しはなんだ? 裏でもあるのか?
「待てよ、お前はなんでそんな余裕なんだよっ」
帰ろうとする俺の肩に手を掛けて引き止めたカケルの表情はとても焦っている。俺が去るからじゃない、巴を俺に取られる予感がしているんだろう。
「お前…っ、巴のこと本気なのか?」
「……」
「どうせ遊びだろ? 女に飽きたか?」
「……それを、あんたに言う必要があるのかな」
「はぁ!? 本気じゃねぇんなら……っ」
俺の胸ぐらを掴みかけて俺はそれを片手で払う。
「毎日巴の隣で昼飯食ってるあんたに嫉妬するくらいには本気だよ」
「な……っ」
俺はじっとカケルを見る。カケルも一緒に暮らしてる俺に嫉妬しているんだろ。
「あんたこそ、どうなの」
「え?」
カケルはひどく混乱したような顔をしてる。
「俺にどうこう言いたい気持ちも分かるけど、巴への気持ち自分で気づかないフリして俺を攻めて、なにやってんの」
「……」
顔面蒼白な顔で俺を見た。震え始める身体を自分で抱き締めている。巴に対しての気持ちに蓋をして否定し続けてきたのだろうか。友達でいようと決めて一緒に居たのかもしれない。男を好きだと認めたくないのか、誰かにバレるのを恐れたか。
「俺は自分の気持ちに嘘はつけない。巴のことを守ってやりたい」
「……守るってなんだよ」
「巴の生い立ちに漬け込んで巴を傷つけるやつがいるからな」
「…………っ」
カケルは顔面蒼白のまま項垂れてただ震えていた。
カケルを置いて俺は急いで教室に戻った。帰りの電車でも巴は普段と変わらない。俺がカケルに呼び出されたことは知らないようだ、しかし噂として耳に入る可能性もある。
これでカケルが巴を誘拐でもしない限りには俺はカケルのことは巴の友達として距離を保つことにした。
……にしても、巴からは距離取られてる。
というか、近づけたと思ったんだけどそこから突っぱねられてる感じ。拒否されてはいないが、心の距離は縮まらない。
俺は本気に受け止められていない。
身から出た錆と言われればそう、……だが。
オムライスだけじゃ信用は得られないのか。
「……よし!!」
肩を叩かれ振り向くと「君を呼んでいるよ」とクラスメイトが廊下を指していた。その先にはカケルがムスッとした顔で俺を待っている。呼んでくれたクラスメイトにありがとうと言うとカケルに付いていった。
転校一日目に連れて行かれた体育館裏。その時とは呼び出した相手は違うが、俺はまた喧嘩を売られているらしい。
「……で、なんでしょうか?」
胸の前で腕を組んで俺を睨みつけている。俺はこの状況が巴の耳に入らないように手早く済ませたかったから単刀直入にカケルに言った。
「巴のこと?」
カケルは俺を睨みつけたまま、そうだと言った。
「お前のことが気に入らない」
「うーん、それは残念だな。おにーちゃんの友達だから俺も仲良くしたかったんだけど」
「ち……っ」
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この呼び出しはなんだ? 裏でもあるのか?
「待てよ、お前はなんでそんな余裕なんだよっ」
帰ろうとする俺の肩に手を掛けて引き止めたカケルの表情はとても焦っている。俺が去るからじゃない、巴を俺に取られる予感がしているんだろう。
「お前…っ、巴のこと本気なのか?」
「……」
「どうせ遊びだろ? 女に飽きたか?」
「……それを、あんたに言う必要があるのかな」
「はぁ!? 本気じゃねぇんなら……っ」
俺の胸ぐらを掴みかけて俺はそれを片手で払う。
「毎日巴の隣で昼飯食ってるあんたに嫉妬するくらいには本気だよ」
「な……っ」
俺はじっとカケルを見る。カケルも一緒に暮らしてる俺に嫉妬しているんだろ。
「あんたこそ、どうなの」
「え?」
カケルはひどく混乱したような顔をしてる。
「俺にどうこう言いたい気持ちも分かるけど、巴への気持ち自分で気づかないフリして俺を攻めて、なにやってんの」
「……」
顔面蒼白な顔で俺を見た。震え始める身体を自分で抱き締めている。巴に対しての気持ちに蓋をして否定し続けてきたのだろうか。友達でいようと決めて一緒に居たのかもしれない。男を好きだと認めたくないのか、誰かにバレるのを恐れたか。
「俺は自分の気持ちに嘘はつけない。巴のことを守ってやりたい」
「……守るってなんだよ」
「巴の生い立ちに漬け込んで巴を傷つけるやつがいるからな」
「…………っ」
カケルは顔面蒼白のまま項垂れてただ震えていた。
カケルを置いて俺は急いで教室に戻った。帰りの電車でも巴は普段と変わらない。俺がカケルに呼び出されたことは知らないようだ、しかし噂として耳に入る可能性もある。
これでカケルが巴を誘拐でもしない限りには俺はカケルのことは巴の友達として距離を保つことにした。
……にしても、巴からは距離取られてる。
というか、近づけたと思ったんだけどそこから突っぱねられてる感じ。拒否されてはいないが、心の距離は縮まらない。
俺は本気に受け止められていない。
身から出た錆と言われればそう、……だが。
オムライスだけじゃ信用は得られないのか。
「……よし!!」
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