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第二章 恋愛と友愛
第二話
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「あ、あのさ……、元気だしてね?」
昼休み、ひとりで黙々と弁当を食べているとクラスメイトの女の子三人に囲まれた。まともに話したこともない人たちだがこの間のカケルとのやり取りを聞いていて心配されていたのだった。どう答えていいのか困っているとそのうちのひとりがポッキーの箱を差し出した。
「これ、よかったら食べて! ドンマイ!」
なかなか手が出せずにいるとその子は照れた様子で僕の机にそれを置くと逃げるように去っていった。残されたポッキーを眺めて僕はハッとした。
「あ、あの、あ……ありがと」
女の子三人がびっくりした表情で振り返ったけど、すぐに笑顔をくれた。
お礼、言えた。
僕はまたポッキーに視線を戻してそれから弁当を見る。
さっき咄嗟に長政のことが浮かんだんだ。
嫌味っぽいところもあるし(僕のことは置いておいて)
素直じゃないし(僕のことは置いておいて)
けれど優しさを持ってる。
僕は少しだけでも長政のようになりたくなったんだ。
まともな家で育ってない。だから少し優しくされて絆された。
意外かもしれないが、僕は傷付いていなかった。
世間から見ればまともな家で育ってないのは事実だから。自分の家がおかしいのは成長につれて理解できた。
それに、優しくされて絆されたのも間違いじゃないと思えた。長政や継母の優しさに僕は戸惑いながらも嬉しくて、仕方がないんだって。
これが幻でもいい。
僕の思い込みでもいい。
喉の奥がツンと痛い。
駄目だ、泣きそうだ。
弁当が、ポッキーの箱が涙で滲んでく。
昼休み、ひとりで黙々と弁当を食べているとクラスメイトの女の子三人に囲まれた。まともに話したこともない人たちだがこの間のカケルとのやり取りを聞いていて心配されていたのだった。どう答えていいのか困っているとそのうちのひとりがポッキーの箱を差し出した。
「これ、よかったら食べて! ドンマイ!」
なかなか手が出せずにいるとその子は照れた様子で僕の机にそれを置くと逃げるように去っていった。残されたポッキーを眺めて僕はハッとした。
「あ、あの、あ……ありがと」
女の子三人がびっくりした表情で振り返ったけど、すぐに笑顔をくれた。
お礼、言えた。
僕はまたポッキーに視線を戻してそれから弁当を見る。
さっき咄嗟に長政のことが浮かんだんだ。
嫌味っぽいところもあるし(僕のことは置いておいて)
素直じゃないし(僕のことは置いておいて)
けれど優しさを持ってる。
僕は少しだけでも長政のようになりたくなったんだ。
まともな家で育ってない。だから少し優しくされて絆された。
意外かもしれないが、僕は傷付いていなかった。
世間から見ればまともな家で育ってないのは事実だから。自分の家がおかしいのは成長につれて理解できた。
それに、優しくされて絆されたのも間違いじゃないと思えた。長政や継母の優しさに僕は戸惑いながらも嬉しくて、仕方がないんだって。
これが幻でもいい。
僕の思い込みでもいい。
喉の奥がツンと痛い。
駄目だ、泣きそうだ。
弁当が、ポッキーの箱が涙で滲んでく。
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